1.最近の出来事

2015年7月1日 - 8月31日

2015年6月1日 - 6月30日

2015年5月1日 - 5月31日

2015年3月1日 - 4月30日

2015年1月1日 - 2月28日

過去の出来事

2014年1月~2014年12月

2011年12月~2013年12月

モルディブ2015年7~8月主な動き

1 内政
(1)野党との対立問題
(ア)7月10日,モルディブ政府は恣意的拘束に関する国連作業部会への回答に関するジュネーヴでの記者会見において,ナシード元大統領の裁判は国内法及び国際法に規定された手続きに則って行われていると述べた。
(イ)7月12日,ガーシム共和党(JP)党首が約2か月に及ぶタイ及び独訪問から帰国した。同党首は,5月に,自身が保有する企業ヴィラ・グループの口座が,政府に対する債務の未払いにより凍結された直後に出国し,それ以来,帰国していなかった。
(ウ)7月12日,ナシール内務大臣は,モルディブ民主党(MDP)との第3回政治対話会合終了後,モルディブには政治囚はいないという政府の立場を再度,強調した。また,MDPとの第3回会合において,MDPが要求するいかなる服役囚の釈放も認めなかったものの,MDPとの間に相互利益的な合意がなされれば,寛大な措置をとる余地はあると述べた。
(エ)7月14日,アイシャット・シャウナMDPメディア委員会副委員長は,ナシード元大統領夫人が,キャメロン英首相,マーティン・シュルツEU大統領,ゼイド国連人権高等弁務官,EU議会議員,外交団等に会い,モルディブの政治的緊張などについて話をし,それに対して,面会者達はモルディブの情勢を注視していくことを再度,約束したと述べた。キャメロン英首相は,面談後,自身のツイッター上に,政治対話とナシード元大統領を含む全ての政治囚の釈放が必要である旨のコメントを掲載した。
(オ)7月22日,ナシード元大統領は,医療上の必要性が認められ,今後,自宅軟禁のまま,残りの刑期を務めることが決定された。
(カ)7月22日,ナシード元大統領は,医療上の必要性が認められ,今後,自宅軟禁のまま,残りの刑期を務めることが決定された。
(キ)7月24日,勾留中のアブドゥッラ正義党(AP)党首はドゥーニドゥ拘置所からマフーシ刑務所に移送された。その後8月5日にはアブドゥッラ党首の勾留は自宅軟禁に変更されたものの,8月6日に再度,刑務所へと移送された。
(ク)8月10日,ムシン検事総長はアブドゥッラAP党首の裁判の進行を迅速化するよう要請した。
(ケ)8月12日,検事総長事務所はワヒード・モルディブ民主党(MDP)議長への訴追は行わず,証拠不十分で警察に差し戻したと発表した。
(コ)8月13日,ナシード元大統領の事件は国によって高等裁判所に控訴された。
(サ)8月23日,ナシード元大統領は軟禁先の自宅から,再度,マーフシー刑務所に移送された。
(シ)8月24日,刑事裁判所は,ナシード元大統領の顧問弁護士から出された,同元大統領の刑務所への再移送は違法であるという訴えを受理しない旨の声明を発表した。
(ス)8月25日,モルディブ民主党(MDP)の全国大会は政府との対話を継続しない旨を決定した。
(セ)8月27日,モルディブ警察はナシード元大統領の自宅に設置されているCCTVカメラのハードディスクを押収した。
(2)国家規範委員会法案の提出
7月3日,国家規範委員会法案が国会に提出された。同法案は法執行機関の運営強化と政策・手続きの制定のための国家規範委員会の設立を目指しており,同法案が成立すると,警察規範委員会及び税関規範委員会が廃止され,同委員会の権限は国家規範委員会に移行されることとなる。
(3)ヴィラ・グループの銀行口座凍結解除
7月5日,ガーシムJP党首所有のヴィラ・グループの銀行口座凍結が解除された。同グループの口座は,同グループによる政府への9040万米ドルの不払いを理由にモルディブ歳入庁(Maldives Inland Revenue Authority)によって凍結されていたが,ヴィラ・グループが,債務の支払に同意したため,同口座の凍結は解除された。
(4)新テロ対策法案の国会提出
7月5日,新テロ対策法案が国会に提出された。同法案はテロ攻撃の際の国軍への指示規則及び実施法規を含んでいる。また,法案はモルディブ国民の国外での戦争への参加をテロ行為と分類しており,国外での戦争へのモルディブ国民の参加の奨励,国外での戦争への参加を目的とした海外渡航,国外での戦争のための訓練・勧誘を行った者に対する厳しい処罰を規定している。
(5)地方分権法第4次改正案の承認
7月7日,ヤーミン大統領は地方分権法第4次改正案を承認した。同改正案は地方議会議長及び副議長以外の地方議員の兼職を認めており,人口500人以下の島の行政制度については地方政府庁(Local Government Authority)及び環礁議会が決定すると規定している。
(6)総選挙法改正案の取り下げ
7月8日,国会に提出・審議されていた総選挙法改正案が取り下げられた。同改正案はテロ行為罪の既決囚の公的選挙への立候補資格を奪うことを目的としていた。
(7)国立大学法及びモルディブ・イスラム大学法改正案の承認
7月9日,ヤーミン大統領は国立大学法第1次改正案及びモルディブ・イスラム大学法第1次改正案を承認した。
(8)アーミン大統領府付大臣の辞任
7月12日付サン・オンライン記事は,MDPとの政治対話チームのメンバーも務めていたアブドゥッラ・アーミン大統領府付大臣が辞任したと報じた。同大臣の盟友であるモハメド・マリーフ前青年・スポーツ大臣の解任,ジャミール・アハメド副大統領への不信任案の国会への提出が続いており,同大臣も汚職対策委員会から司法長官に対して,同大臣を汚職の容疑で告訴するよう要請が出ている。
(9)新刑法の施行
7月16日,新刑法が施行された。同刑法の施行は当初4月13日と決定されたが,その後,7月16日に延期となっていた。
(10)モルディブの英連邦残留について再考を求める大統領書簡の提出
7月20日,モルディブの英連邦残留について再考を求める大統領書簡が国会に提出された。
(11)外国人投資家への土地所有を認める憲法修正案の国会への提出
7月20日,外国人による土地所有を禁じた憲法第251条を修正し,一定の条件の下,外国人投資家による土地所有を認める憲法修正案が国会に提出された。同憲法修正が可決されると,外国人投資家は,当該土地に10億ドル以上の投資をする,同投資計画が国会で承認される,当該土地の7割は投資家側により埋め立てられる,といった条件の下で,土地の所有が認められるようになる。
(12)ジャミール副大統領への不信任案可決・アディーブ観光相による副大統領就任
7月21日,国会にて,ジャミール・アハメド副大統領に対する不信任決議案が賛成78,反対2で可決された。7月22日,ヤーミン大統領は,アディーブ観光相を副大統領に任命した。同日,アディーブ新副大統領は,サイード最高裁長官の立ち会いの下,就任宣誓を行った。
(13)外国人投資家への土地所有を認める憲法修正案の承認
7月23日,ヤーミン大統領は,外国人による土地所有を禁じた憲法第251条を修正し,一定の条件の下,外国人投資家による土地所有を認める憲法修正案を承認した。同憲法修正により,外国人投資家は,当該土地に10億ドル以上の投資をする,同投資計画が国会で承認される,当該土地の7割は投資家側により埋め立てられる,といった条件の下で,土地の所有が認められるようになる。同憲法修正案承認に対しては,APが国家の独立主権に有害な結果をもたらすと再度,慎重な審議を求めている他,国民からも国民投票を求める声が上がっている。
(14)モルディブ公共サービス・メディア(PSM)による国際放送の創設
7月28日付ハヴィール・オンライン記事は,カリールPSM会長の談話として,PSMがモルディブの文化・歴史・観光・貿易等を海外に発信するための英語の国際放送番組を創設することと決定したと報じた。
(15)財政支出を伴う法案提出に関する国会ガイドラインの改正
8月12日,財政支出を伴う法案提出に関する国会ガイドラインが改正された。同改正により,税が絡む法案だけでなく,全ての財政支出を伴う法案は政府のみが国会へ提出出来ることとなった。
(16)公務員の定年延長法案の否決
8月12日,公務員の定年の60歳までの引き上げを目的とした法案が国会で否決された。
(17)モルディブ中央銀行(Maldives Monetary Authority)法第3次改正案の承認
8月17日,ヤーミン大統領は,モルディブ中央銀行法第3次改正案を承認した。同改正により,モルディブ中央銀行から同局職員が融資を受けることが出来るようになる他,銀行以外の金融機関へのモルディブ中央銀行の監督権限が強化されることとなる。
(18)政党法第1次改正案の承認
8月19日,ヤーミン大統領は政党法第1次改正案を承認した。同改正により,政党登録のための必要署名数は1万から3000に引き下げられる一方,政府による助成金は党員1万人以上の政党にのみ与えられこととなる。
(19)ハミード元環礁問題大臣の国葬
8月20日,15日に死去したアブドゥッラ・ハミード元環礁問題大臣の国葬がマレ市内のイスラミック・センターで行われた。元環礁問題大臣はガユーム元大統領やヤーミン現大統領の兄弟にあたる。
(20)保健サービス法案の国会可決
8月26日,保健サービス法案が国会で可決された。同法案は全ての産業島・リゾートのオーナーが,保健省が定める水準に基づいて各島の基本保健サービスを整備することを定めている他,全ての都市・環礁に病院を整備することを義務づけている。
(21)大統領及び副大統領への脅迫ビデオ
8月31日付サン・オンライン記事によれば,インターネット上にアップロードされたヤーミン大統領及びガフール副大統領への脅迫ビデオに関し,モルディブ警察が捜査を開始したとの由。同ビデオでは覆面をし,戦闘員の格好をした3人の男が,政治関係者への訴追の停止,イブラヒム・ムーサ・ルトゥフィー元人権担当特使への嫌がらせの停止及びアブドゥッラ正義党(AP)党首の無条件釈放の30日以内の実現を求めており,実現されなければ,大統領及び副大統領を襲撃すると脅迫している。同要求はディヴェヒ語(英語の字幕付き)でなされ,画面の右上にはISILのロゴが入れられている。同ビデオに関し,ヤーミン大統領は,モルディブ政府は脅迫に全く動揺しておらず,テロに対して厳罰で臨むと述べた。

2 経済
(1)北部環礁でのゴミ処理ための上陸用舟艇(landing Craft)の購入契約
7月6日,環境省と印のヴァイジャイ海洋サービス社(Vaijai Marine Services)との間で,北部環礁でのゴミ処理のための上陸用舟艇の購入契約への署名式が行われた。上陸用舟艇の全長は30メートルで,積載能力は200トン,購入費用は64万5000米ドル(994万モルディブ・ルフィア)。
(2)マレ国際空港新滑走路建設事業契約の中国企業への付与
7月9日,モルディブ空港公社は中国のシノハイドロ社との間でマレ国際空港新滑走路建設事業契約に係る合意文書に署名した
(3)マレ市内の道路修復事業の中国企業への発注
8月15日付ハヴィール・オンライン記事は,マレ市内の道路修復・整備事業が中国企業に発注されるだろうと報じた。具体的な企業名,事業規模は明らかにされていない。
(4)ノルウェー企業による油田の探査
8月19日,モハメド・シャイニー漁業・農業大臣はノルウェー企業が9月に油田探査のためにモルディブを訪れる予定であると述べた。大臣はさらに,現時点で同ノルウェー企業と英国企業の2社が油田探査に関心を示していると述べた。

 

3 外交
(1)印政府による高等教育のための奨学金の授与
7月1日付ハヴィール・オンライン記事は,印政府が41名のモルディブ人学生に高等教育のための奨学金を給付することに決定したと報じた。そのうち,18名に対しては6月30日,シャハレ印高等弁務官により,奨学金関連書類の引き渡しが行われた。
(2)外務・英連邦担当国務大臣の発言
7月2日付ハヴィール・オンライン記事は,英国のフーゴ・スワイア外務・英連邦担当国務大臣がカレン・ラムリー英国下院議員の質問書簡に答え,英国はモルディブ政府を罰するための話し合いをいかなる他の国際機関や政府とも行っていないが,選択肢の1つとしては考えていると述べた。スワイア大臣はまた,7月14日の英国下院における質疑応答セッションにおいて,モルディブ政府と野党との政治的対話を歓迎する旨発言した。
(3)マレ・空港島間橋梁建設事業に係る覚書への署名
7月9日,モルディブ住宅・インフラ省にて,中国とモルディブ政府との間でマレ・空港島間橋梁建設事業計画に係る覚書への署名が行われた。同計画の総建設事業費3億米ドルのうち,1億米ドルは中国が無償で拠出し,1億70000万米ドルは中国が貸与(利子率2パーセント)し,残りの3000万米ドルはモルディブ政府が負担する。
(4)ガユーム元大統領のオマーン訪問
7月13~16日の日程でガユーム元大統領は大統領特使として,オマーンを訪問した。訪問中,同元大統領はバドゥル・ビン・ハマッド・ビン・ハムード・アルブサイディ外務省事務局長(Secretary General)と面談し,ヤーミン大統領の書簡を手交した。
(5)国連高等弁務官事務所(OHCHR)チームによる外務次官表敬
7月15日,モナ・リシュワミOHCHR法の支配課長ら一行はナシール外務次官を表敬した。会談において,同次官はOHCHR一行に対し,モルディブの政治情勢について説明するとともに,政府による憲法,法の支配及び権力分立の尊重を約束した。同次官はまた,政府と野党間の政治対話に言及するとともに,OHCHRとの建設的な関係構築向けての協力及び積極的関与の重要性を強調しつつ,モルディブの民主的安定に向けて国際社会のパートナーと共に協働していくことを約束した。
(6)モルディブ人テロ容疑者の逮捕・送還
7月18日付ハヴィール・オンライン記事は,ISILへ参加するために渡航途中のモルディブ人がマレーシアで逮捕され,モルディブに送還されたと報じた。
(7)独立50周年記念式典
7月26~31日の日程で,モルディブ独立50周年記念式典関連行事が開催され,中根外務政務官を始め,スリランカのシリセーナ大統領及びカルナナヤケ財務大臣,印のナッダ保健・家庭福祉大臣,中国の沈躍躍(しん・やくやく)全人代常務委員会副委員長ら各国要人がモルディブを訪問した。26日に記念式典及び大統領主催晩餐会が行われた他,28日に水上パレード,31日に国立サッカー場で祝賀イベントが催された。
(8)英高等弁務官と共和党(JP)党首との面談
7月27日,ダウリス英高等弁務官はガーシム共和党(JP)党首と面談し,モルディブの政治情勢等について意見交換を行った。
(9)中国による軍事基地取得否定声明
7月28日,中国外務省は,中国はモルディブにおける軍事基地建設を計画していない旨の声明を発表した。
(10)米国による人身売買防止のための要請
7月28日付サン・オンライン記事は,米国は,モルディブが米国国務省の人身売買に関する年次監視リストに入れられたことを受けて,モルディブに対して,人身売買防止のためのより強い措置を取るよう要請したと報じた。
(11)在バングラデシュ高等弁務官事務所閉鎖報道の否定
7月29日,モルディブ外務省は,在バングラデシュ・モルディブ高等弁務官事務所が閉鎖されたという報道を否定した。本件に関し,アヌーシュ・モルディブ外務省報道調整官は,最近,在バングラデシュ・モルディブ高等弁務官が本国に召還されたものの,二等書記官クラスの書記官が常駐しており,高等弁務官事務所自体は閉鎖されていないと述べた。
(12)菅沼大使による信任状捧呈
7月29日,菅沼駐モルディブ日本国大使は,ヤーミン大統領への信任状捧呈を行った。信任状捧呈後,菅沼大使は,ヤーミン大統領,ガフール副大統領及びマウムーン外務大臣とそれぞれ,意見交換を行った。
(13)モルディブによる英連邦脱退に関する事務局長による懸念表明
7月30日,シャルマ英連邦事務局長は,ナシール外務次官との面談において,英連邦としては,モルディブが英連邦に留まることを希望する旨述べた。
(14)カラム元印大統領の国葬への大統領特使の派遣
7月30日,アフメド・モハメド駐印モルディブ高等弁務官は,アブドゥル・カラム元印大統領の国葬へ大統領特使として出席した。
(15)外務次官と国連事務次長補との会談
7月30日,ナシール外務次官は,ニューヨークの国連本部において,ミロスラヴ・ジェンカ国連事務次長補と会談を行った。会談において,国連事務次長補は,モルディブにおける民主主義の安定のために,国連として支援する用意がある旨述べた。
(16)サウジアラビア大使館の開設
8月2日,在モルディブ・サウジアラビア大使館が開設された。今年1月,ヤーミン大統領がサウジアラビアを公式訪問した際,サルマン・サウジアラビア国王から,大使館開設の意思表明がなされていた。
(17)サウジアラビアによる軍事船舶の提供
8月3日,モルディブ外務省に於いて,サウジアラビアによるモルディブへの2隻の軍事船舶の引き渡し文書の署名式が行われた。
(18)印外務次官によるモルディブ訪問
8月3日から4日の日程で,ジャイシャンカル印外務次官は,モルディブを公式訪問した。訪問中,同外務次官はガフール副大統領,マウムーン外務大臣との会談を行い,ナシール外務次官との昼食会に出席した。
(19)外務次官による印訪問
8月5日から8月9日の日程で,ナシール外務次官は印を公式訪問した。訪問中,同外務次官はスワラジ印外務大臣,ジャイシャンカル印外務次官と会談し,同外相に対して,ヤーミン大統領の親書を手交した。
(20)副大統領によるエジプト・マルタ訪問
8月5日~12日の日程で,ガフール副大統領はエジプト及びマルタを公式訪問した。副大統領は,エジプト訪問中,第2スエズ運河開通式への出席,モルディブ人留学生との面談などを行った。また,エジプト訪問後,マルタを訪問した副大統領は,マルタのプレカ大統領,スシクルナ財務大臣,グレッチ副首相兼選挙マニフェスト実施担当大臣,ゴンジ元首相と会談を行い,2015年英連邦首脳会談タスクフォースを訪問した。
(21)国連開発計画(UNDP)によるソーシャルメディア・特別キャンペーン
8月9日付サン・オンライン記事は,UNDPモルディブ事務所が,国際青年の日に合わせて,若者を対象としたソーシャルメディア・特別キャンペーンを立ち上げたと報じた。
(22)新米国大使の発言
8月12日,アトゥル・ケシャップ新駐モルディブ米国大使は宣誓式後の記者会見で,米国はモルディブ政府及び国民と緊密に協力していきたいと思っている,主要な協力分野は法の支配と人権の拡大,暴力的過激主義との戦い,気候変動問題であると述べた。
(23)在スリランカ・モルディブ高等弁務官事務所への特別監査
8月12日,マウムーン外務大臣は在スリランカ・モルディブ高等弁務官事務所への特別監査を個人的に要請していたことを明かした。同特別監査はナシード及びワヒード政権時代の会計規則違反を調査するために,2014年5月に要請されていた。
(24)印高等弁務官の異動
8月13日付サン・オンライン記事は,シャハレ駐モルディブ印高等弁務官がデンマーク大使として転任することとなった旨報じた。後任の高等弁務官については未だ決まっていない。
(25)普遍的・定期的レビュー(UPR)常設委員会,改組後初の会合
8月20日,UPR常設委員会の,改組後初の会合がマウムーン外務大臣主催で開催された。改組後のUPR常設委員会は大統領府,司法長官事務所,内務省,教育省,イスラム省,司法・ジェンダー省,保健省等の政府機関代表,モルディブ人権委員会,トランスペアレンシー・モルディブ,Maldivan Democracy Network,Advocating the Right of Children,Society for Health Education,Hope for Women等の市民社会代表らによって構成される。
(26)印によるレーダーシステムの供与
8月24日付サン・オンライン記事は,印がカドゥー島に設置するためのレーダーシステムをモルディブ国防省に供与したと報じた。印高等弁務官事務所は,同レーダーシステムの導入により,あらゆる天候において24時間,隣のラーム環礁との海域の監視が可能となり,モルディブ国防省が同海域の船舶等の追跡を行うことが出来るようになるので,モルディブの排他的経済水域の安全保障強化に資するとの見解を示した。同レーダーシステムの供与により,モルディブ沿岸レーダー設置事業のフェーズ1は完了する。同事業は2006年にモルディブ政府の要請を受けて開始されたもので,過去,2007年と2012年にガン島とウリガム島にレーダーシステムが同事業により設置された。同事業のフェーズ2として,更に7つのレーダーシステムと船舶自動識別装置(AIS)の基地の設置が計画されている。
(27)国連開発援助枠組み(UNDAF)に関する合意
8月24日,マウムーン外相と野田国連モルディブ常駐調整官はUNDAF2016-2020に署名し,モルディブ政府と国連は,今後5年間,「若年者・子供」,「ジェンダー」,「ガバナンス」及び「気候変動」という4つの分野を開発の重点分野として,協働していくこととで合意した。
(28)マウムーン外相による訪日
8月27~29日の日程で,マウムーン外相は,「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム(WAW!2015)」に出席するために,訪日した。滞在中,同外相は安倍総理,岸田外相,小渕優子日モルディブ友好議連事務局長等との面談を行った他,在京モルディブ大使館主催のモルディブ独立50周年記念レセプションにも参加した。また,同外相はWAW!2015ハイレベル・ラウンドテーブルの場において,女性教育に関するスピーチを行った。
(了)

 

モルディブ2015年6月主な動き

1 内政
(1) 野党との対立問題
(ア)6月2日,刑事裁判所はテロ容疑で訴追されているアブドゥッラ正義党(AP)党首の公判終了までの勾留を決定した。同党首は高等裁判所の決定により,自宅逮捕となっていた。これに対して,APは,同党党首に対するテロ容疑は野党の力を削ぐことを意図して,政府が仕組んだ完全に政治的なものであると批判する主旨の報道発表を発出した。さらには,アブドゥッラAP党首は刑事裁判所の勾留決定に対して高裁に控訴した。
(イ)6月3日,5月1日に行われたメーデーの集会でのテロ容疑で訴追されているラシード共和党(JP)員は政治亡命を求める旨の声明を発表した。
(ウ)6月7日付ハヴィール・オンライン記事によれば,ナシード元大統領の顧問弁護団が同元大統領に対して,刑を軽減してもらうためにヤーミン大統領の恩赦を模索するよう助言した由。
(エ)6月8日,アブドゥッラAP党首は治療を受けるために,マレに移送された。
(オ)6月9日,政府とJP間の対話が開催された。
(カ)6月11日付サン・オンライン記事によれば,暴力的なメーデー集会を開催したとの理由により,APに対して6万9000ルフィア,モルディブ民主党(MDP)に対して,5万3000ルフィアの罰金が選挙委員会により課せられた由。
(キ)6月12日,野党主催の大規模抗議集会が開催された。当初,同抗議集会は3日間にわたって行われる予定であったが,警察の介入により1日で終了した。同抗議集会中,アフメド・マフルーフ国会議員を含む12名が逮捕された。
(ク)6月14日付ハヴィール・オンライン記事は,MDPが7月26日の独立50周年記念式典にあわせて大規模抗議活動を予定している旨の声明を発表したと報じた。
(ケ)6月16日付サン・オンライン記事は,ナシード元大統領の顧問弁護士のハッサン・ラティーフ氏が,ヤーミン大統領に元大統領の刑の軽減を求める書簡を送ったと報じた。それに対して,6月18日,ヤーミン大統領は,控訴プロセスを完了しない限りはナシード元大統領の刑は軽減出来ない旨述べた。
(コ)6月16日,政府とJP間の対話が開催され,政治的対立の合法的解決,民主主議及び憲法・司法制度の強化,国家の発展・前進の確保等について議論がなされた。また,JPは同対話の中で,現在勾留されている政治家たちを釈放するための関連法の改正及びガーシムJP党首のホテル建設用地リース取消問題への政府の対応の見直しを要請した。
(サ)6月17日,APは,政府がナシード元大統領やアブドゥッラAP党首などの服役中・勾留中の野党指導者との対話を拒否しているが,政府側の拒否事由は何等法的根拠のないものであると非難する声明を発表した。
(シ)6月20日,ナシード元大統領の弁護団は,現法律下では判決から10日以内に控訴しなければならず,同期限を過ぎているナシード元大統領の事件を控訴する余地があると思えない旨述べた。
(ス)6月21日,ナシード元大統領は3日間の自宅軟禁のため,マレ市内の自宅に移送された。さらに6月24日,同自宅軟禁処置は2ヵ月間延長された。
(セ)6月21日,高等裁判所は,刑事裁判所によるアブドゥッラAP党首の公判終了までの勾留決定に対する同党首からの不服申し立てを却下した。
(ソ)6月23日付サン・オンライン記事は,モハメド・シファズMDP副党首が23時以降に拡声器を使用した容疑で逮捕されたが,その後,22日夜に釈放されたと報じた。
(タ)6月24日付ハヴィール・オンライン記事は,テロ容疑で訴追されているワヒードMDP会長,イブラヒムJP副党首及びラシードJP党員の3名がロンドンにて,保守党議員,英連邦副事務局長らとの会談を行ったと報じた。
(チ)6月24日,MDPは,ナシード元大統領抜きで,政府との対話に応じることを決定した。
(ツ)6月24日,ナシード元大統領の顧問弁護士であるハッサン・ラティーフ氏は,9月までにナシード元大統領は無罪放免となる見通しである旨述べた。
(2)高等裁判所判事の任命
6月10日,アブドゥッラ・ディディ,シュジャウ・ウスマーン両刑事裁判所判事の2名が新たに,高等裁判所判事に任命されたと報じた。両判事はナシード元大統領及びナジム前国防相の裁判の判事を務めたのに加え,アブドゥッラAP党首の裁判の判事も務めている。
(3)均一ラマダン手当支給のための改正雇用法の成立
6月11日,ヤーミン大統領はラマダン手当ての均一支給を目的とした雇用法改正案に署名した。同法の成立により,全ての政府部門被雇用者には,最低3000ルフィアのラマダン手当が支給されることとなるが,民間部門の被雇用者への適用には1年間の猶予期間が設けられている。
(4)法・ジェンダー問題副大臣の任命
6月11日付サン・オンライン記事は,ヤーミン大統領はアミナット・フセイン・シャリーフUNDP元職員を法・ジェンダー問題副大臣に任命したと報じた。
(5)特別ウェッブページ「Dear President」の開設
6月15日付サン・オンライン記事は,特別ウェッブページ「Dear President」が大統領府によって開設されたと報じた。同ページはディヴェヒ語・英語両方で運営され,様々な分野の国家事業に関する意見を同ページを通して直接,大統領に送ることが出来る。
(6)ナジム前国防相による第1回控訴審のキャンセル
6月23日,高等裁判所で予定されていた,ナジム前国防相による刑事裁判所の判決に対する第1回控訴審はキャンセルとなった。
(7)大統領・副大統領の立候補者の年齢制限を変更するための憲法修正案の可決・成立
6月24日,国会で,大統領・副大統領の立候補者の年齢制限を変更して,30歳から65歳とするための憲法修正案が可決された(往電第1237号参照)。
(8)ジャミール・アハメド副大統領に対する不信任案提出
6月30日,与党モルディブ進歩党(PPM)は,国会に対してジャミール・アハメド副大統領に対する不信任決議案を提出した

2 経済
6月8日,マレ市内のホテル・ジェンにて,中国企業(Chaina's CJL Private Limited)によるモルディブにおける初のリゾート開発事業のオープニング・セレモニーが開催された。同事業はVaavuKunaavashi島に五つ星ブティック・リゾートを建設するもので,今年の9月に建設が開始される予定。1年2ヶ月以内の工事完了を見込んでいる。

3 外交
(1)外務次官による仏・ベルギー訪問
5月31日~6月1日の日程で,ナシール外務次官は仏・ベルギーを訪問した。同訪問中,同外務次官は仏外務省高官やEU政府高官と意見交換を行った。
(2)野党メンバーの訴追に対する米国による懸念の表明
6月2日,米国はアブドゥッラAP党首,イブラヒムJP副党首及びラシードAP党員の3名の訴追に対する懸念を表明した。
(3)印による警察車輌の提供
6月3日付ハヴィール・オンライン記事によれば,シャハレ駐モルディブ印高等弁務官が,ワヒード警察長官との会談の中で,印としてモルディブ警察へ車輌を提供する用意がある旨述べた由。
(4)外相によるカタール訪問
6月9~12日の日程で,マウムーン外相はカタールを訪問した。同訪問中,同外相はハーリド・ビン・モハメッド・アル・アッティヤ・カタール外相やサード・エブラヒム・アル・ムハンナディ・カタール財団会長と会談を行った。
(5)米国上院議員による懸念の表明
6月9日付ハヴィール・オンライン記事は,ジョン・マッケイン,ジャック・リード両米国上院議員がカーター国防長官及びケリー国務長官宛て書簡の中で,モルディブの政治状況の悪化と,それによる民主的プロセス,人権及び南アジアにおける米国の安全保障政策への影響に対する懸念を表明している旨報じた。
(6)大統領による中国訪問
6月10~13日の日程で,ヤーミン大統領は中国を訪問した。同訪問中,同大統領は第3回中国・南アジア博覧会,第23回昆明輸出入品フェア,第10回中国・南アジアビジネスフォーラム等に出席した。
(7)普遍的定期的レビュー審査(UPR)に関する常設委員会会合の開催
6月16日,5月6日の対モルディブUPR後,初めてのUPRに関する常設委員会会合がモルディブ外務省で開催された。同会合の中で,マウムーン外務大臣はUPRのために支援してくれた全ての関係者に謝意を表するとともに,UPRにおいてモルディブが受けた勧告をどのように実施していくかについて説明した。
(8)外相による加への批判声明
6月16日,マウムーン外相は,15日,ロブ・ニコルソン・加外相が発出した,ナシード元大統領の釈放を含む全ての政治犯の釈放を求める声明を批判する声明を発表した。同声明の中で,マウムーン外相は,全ての国は民主主義の原則を擁護しなければならず,それは加にとっても例外ではない,加は他の国に民主主義原則及び人権の価値を教える前に,加の原住民に対して,なされたとされている文化的虐殺に向き合うべきであると述べた。
(9)オムニア・ストラテジーLLP国際法律事務所の政府法律顧問への任命
6月17日,外務省及び司法長官事務所は,オムニア・ストラテジーLLP国際法律事務所を政府の立法機能強化のための顧問として任命する旨発表した。
(10)中国特使による外相表敬
6月18日,中国外務省のSun Guoxiang特使がマウムーン外相を表敬した。
(11)最高裁判決に対するUN特別報告者による声明
(ア)6月19日,ガブリエラ・クナウル判事と法律家に関するUN特別報告者は,モルディブ最高裁がモルディブ人権委員会(HRCM)に対して出した11のガイドラインの再考を求めた。同ガイドラインはHRCMが提出したUPR報告書に関連して出されたもので,同報告書は違憲であると述べつつ,HRCMに対して,国家の統一,法及び司法機関制度を侵害しない範囲内での活動を求めている。
(イ)6月20日,モルディブ外務省はガブリエラUN特別報告者の声明に対して反論する主旨の報道発表を発出した。同報道発表の中で,モルディブ政府は,国際社会からの協力及び積極的関与(engagement)は歓迎するものの,批判・要求はモルディブの民主主義の促進に寄与しないと述べている。
(12)中国人投資家を歓迎する旨の駐中国モルディブ大使の発言
6月21日,ファイサル駐中国モルディブ大使は,中国浙江省義烏県で開催されたシルクロード経済地帯都市国際フォーラムの開会式において,中国人投資家を歓迎する旨述べた。
(13)大統領と潘国連事務総長の電話会談
6月23日,ヤーミン大統領は潘国連事務総長と電話会談を行った。会談の中で,同大統領は国連事務総長に対し,モルディブには政治犯はおらず,服役囚の中に元政治家がいるだけであると述べた。
(14)外相による加及び英連邦批判
6月23日,マウムーン外相はサン・メディアによるインタビューの中で,加及び英連邦はモルディブに対して,偏見を持っていると批判した。
(15)アムネスティ・インターナショナルによるモルディブ訪問
6月23~26日の日程で,アムネスティ・インターナショナルが政治状況調査のため,モルディブを訪問した。24日,同団体一行は,マウムーン外相と会談を行った。会談の中で,マウムーン外相は,アムネスティ・インターナショナルにより最近公表された報告書は事実誤認があるとして,懸念を示すとともに,一方に偏った報告をしないように求めた。
(16)各国声明に対する外務省による反論
6月24日,モルディブ外務省は,各国声明に反論する報道発表を発出した。同報道発表は,モルディブの人権状況一般は確実に改善してきた,ナシード元大統領の権利は尊重されており,同元大統領の待遇に関する透明性の確保に努めている,今後とも国際社会と協力していきたい旨述べた。
(17)外相と英外務・英連邦担当国務大臣との電話会談
6月25日,マウムーン外相は英国のフーゴ・スワイア外務・英連邦担当国務大臣と電話会談を行った。マウムーン外相は,スワイア国務大臣にモルディブの政治状況について説明しつつ,モルディブには政治犯は存在しないと述べた。
(18)印政府による高等教育のための奨学金の授与
7月1日付ハヴィール・オンライン記事は,印政府が41名のモルディブ人学生に高等教育のための奨学金を給付することに決定したと報じた。そのうち,18名に対しては6月30日,シャハレ印高等弁務官により,奨学金関連書類の引き渡しが行われた。
(了)

 

モルディブ2015年5月主な動き

1 内政
(1)野党との対立
(ア)5月1日,マレ市内で野党モルディブ民主党(MDP),共和党(JP)及び正義党(AP)によるメーデー集会が開催され,参加者の一部が暴徒化し,ワヒードMDP会長,イブラヒムJP副党首及びアブドッラAP党首のほか192名の逮捕者が出た。これに対し,EU,ノルウェー及びカナダが暴力を非難するとともに与野党間の対話を求める声明を発出した。
(イ)5月13日,刑事裁判所はメーデー集会への野党側参加者に資金提供した容疑で,ガーシムJP党首に対する逮捕状を発出した。
(ウ)5月14日,イブラヒムJP副党首が釈放された。同日,政府は野党側との対話呼びかける声明を発表した。これに対し,ガーシムJP党首は政府との対話に応じる用意がある旨の声明を発表した。一方,APはアブドッラAP党首が釈放されない限り対話には応じない旨の声明を出した。
(エ)5月18日,政府は再度,野党に対話を呼びかける声明を発表した。
(オ)5月20日,警察当局はワヒードMDP会長,アブドッラAP党首,イブラヒムJP副党首及びラシードAP党員の4名を検事総長に送検した。
(カ)5月21日,ナシード元大統領はマレ市内の病院で診断を受けた。
(キ)5月24日,ワヒードMDP会長が釈放された。
(ク)5月25日,政府は,野党・政府間対話にナシード元大統領を参加させてほしい旨のMDPの要請を拒絶した。
(ケ)5月27日,アブドッラAP党首が釈放された。
(コ)5月31日,アブドッラAP党首,イブラヒムJP副党首及びラシードAP党員の3名はメーデー集会で治安当局との衝突を扇動した罪で刑事裁判所に起訴された。
(2)大統領による改正監獄・仮出獄法の承認
5月5日,ヤーミン大統領は改正監獄・仮出獄法案を承認した。同法案は,服役囚は政党の党首になれないと規定しており,同承認により,ナシード元大統領はMDP党首の地位を失うことになる。
(3)シャヒーム・イスラム大臣の辞任
5月5日,所属政党であるAPの勧告により,シャヒーム・イスラム大臣が辞任した。6日,後任として,アフメド・ジヤド氏が任命された。さらに13日,ワヒード・イスラム副大臣がイスラム担当国務大臣に任命された。
(4) 政府によるJP党首とのホテル建設用地リース契約解消問題
(ア)5月11日,観光省は歳入局(MIRA)に対して,約9040万米ドルの罰則金及び賃貸料の未払いを理由として,ガーシムJP党首が経営するヴィラ・グループの銀行口座を凍結するよう要請した。
(イ)5月13日,MIRAはヴィラ・グループの銀行口座を凍結するよう銀行に要請した。
(5) ナジム前国防大臣の逮捕・訴追問題
(ア)5月12日付サン・オンライン記事は,モルディブ矯正局が医療目的でシンガポールに滞在中のナジム前国防大臣に対してモルディブに帰国するよう勧告したと報じた。
(イ)5月24日,ナジム前国防大臣はモルディブに帰国し,Asseyri刑務所に収監された。
(6) イスラム過激派
(ア)新テロ対策法
5月10日付サン・オンライン記事は,政府が新対テロ法案を草案したと報じた。同法案によれば,海外で戦闘行為を行った者を犯罪者として認定し,罰することが出来るようになるとの由。
(イ)ISILによるモルディブ人の殺害
5月13日付ハヴィール・オンライン記事は,ISILがモルディブ人メンバー1名を殺害したと報じた。
(ウ)警察当局による渡航者のチェックの開始
5月17日付サン・オンライン記事によれば,モルディブ警察は,シリアでの戦闘行為に参加するために渡航する者をチェックするために,トルコ航空とフライドバイ航空の乗客に対する渡航目的の聴取と復路の航空券の確認等を開始した由。
(エ)ISILモルディブ人戦闘員の死亡
5月31日付サン・オンライン記事は,ISILの戦闘員としてシリア軍との戦闘に参加していたモルディブ人2名が戦闘中に死亡したと報じた。
(7)フルマレ埋め立て事業フェーズ2
5月19日付サン・オンライン記事は,サイモンHousing Development Corporation会長の談話として,フルマレ埋め立て事業フェーズ2が年内に開始されると報じた。
(8)2閣僚の任命
5月20日,ヤーミン大統領はジャマル青年・スポーツ大臣を解任し,後任としてズフール保健大臣を任命した。解任理由は明らかにされていない。保健大臣にはイルティシャム・アダム氏を新たに任命した。
(9)マレ・フルマレ間橋梁計画
5月20日,マレ・フルマレ間橋梁計画の調査のための試掘孔の掘削が開始された。
(10)中国人観光客向けリゾート開発
5月20日付サン・オンライン記事は,モルディブ政府とChina Machinery Engineering Corporation(CMEC)との間で,中国人観光客向けリゾート開発に関する合意がなされたと報じた。CMECには最初の開発地としてThaaKalhufahalafushi島が割り当てられ,CMECからの投資額は約2億米ドルが見込まれているとの由。

2 外政
(1)大統領によるパキスタン訪問
5月6日,7日の日程で,ヤーミン大統領夫妻はパキスタンを公式訪問した。6日にはアジズ国家安全保障・外務担当首相顧問との面談,フセイン・パキスタン大統領主催晩餐会,7日には首脳会談,交換公文署名式が行われた。
(2)外相による対モルディブ普遍的定期的レビュー審査(UPR)への出席
5月6~8日の日程で,ジュネーブで第2回対モルディブUPRが開催され,マウムーン外相が出席した。同外相はUPRにおいて,第1回対モルディブUPR(2010年)以来,モルディブが積み重ねてきた人権分野での成果を強調した。8日に対モルディブUPR報告が採択された。
(3)外相と英連邦事務局長との会談
5月8日,マウムーン外相はシャルマ英連邦事務局長と面談し,最近のモルディブの政治状況やUPRについて意見交換を行った。

(了)

 

モルディブ2015年3~4月主な動き

1 内政
1政府による共和党(JP)党首とのホテル建設用地リース契約解消問題
ア 3月1日,ガーシムJP党首兼ヴィラ・グループ会長はモルディブ歳入庁(MIRA)に対する支払いは予定どおり行われており,未払いのものはないと述べた。一方,ハヴィール・オンライン記事によると,MIRAはヴィラ・グループに対して,罰則金・借料併せて約1億米ドルを支払うよう通達を発出した由。
イ 3月29日,ヴィラ・グループは,MIRAに対して,約1億米ドルの罰則金・借料の支払い期限の延長及びヴィラ・グループのホテル用地リース契約解消に関する観光省の通達の施行の一時停止を求めた。
ウ 4月8日,民事裁判所は,ガシームJP党首所有のヴィラ・ホテル・グループに,政府によって賃貸されているKaafu Maadhiggaruラグーン及びKaafu Kanufuraラグーンのリース契約解消の延期命令要請を却下した。
エ 4月8日,ガシームJP党首は,Kaafu Bolidhuffaru島及びVaavu Vehdhifalhu島のリース契約解消の差し止めに関する控訴を最高裁が受理しなかった問題について協議するために,アブドゥッラ・サイード最高裁長官と面会した。同面会において,最高裁長官は不服があるのであれば,書面にて提出するよう求めた由。
オ 4月11日,ガシームJP党首は,ヴィラ・ホテル・グループによる政府への未納金(100万米ドル)に関するアディーブ観光大臣による主張は政治的なもので,全く根拠を欠いたものであるとコメントした。一方で,ガシーム党首は,本件問題を解決するために,政府と話し合う意思がある旨述べた。
カ 4月19日,ガシームJP党首は,観光法改正に関し,島の賃貸期間を99年に延長することについては反対ではないものの,賃貸料を一度に徴収することについては,一部の者しか支払えないので反対である旨述べた。
2国会の開会
ア 3月2日,国会が開会し,野党モルディブ民主党(MDP),JP議員らがナシード元大統領の釈放を求めて,抗議の声を上げる中,ヤーミン大統領が開会演説を行った。野党議員らは国会会期中,継続的に抗議活動を行っている。
イ 4月20日,国会議事堂内で拡声器等の使用を禁止する旨の議事規則改正案が国会で可決された。可決後も拡声器等の使用無しでのモルディブ民主党(MDP)議員による抗議活動は継続されている。
3大統領出馬への年齢制限に関する憲法改正案
3月3日,大統領出馬への年齢制限を65歳以下とする憲法改正案の国会提出が取り下げられた。
4イスラム政党正義党(AP)の連立離脱
3月8日,APは政府との連立を解消すると発表した。それに伴い,AP所属のシャリーフ法律・女性問題副大臣及びディディ・イスラム副大臣が相次いで辞任した。
5新保健大臣の任命
3月10日,ヤーミン大統領はアフメド・ズフール氏を保健大臣に任命した。
6新税関長官の任命
3月11日,ヤーミン大統領はアバッス・アディル・リザ前大統領府付報道官を税関長官に任命した。
7ナシード元大統領の裁判
ア 3月13日,刑事裁判所は,ナシード元大統領に対して,2012年1月の大統領任期中にモハメド刑事裁判所首席判事を違法に逮捕・勾留した容疑で13年の禁固刑の判決を下した。
イ 4月7日付サン・オンライン記事によれば,ナシード元大統領のための国際弁護団が結成された由。
ウ 4月11日,ナシード元大統領と同様に,モハメド刑事裁判所首席裁判官の逮捕・勾留に関わったとして起訴されていたトルハト・イブラヒム元国防大臣に対して有罪(禁固10年)判決が言い渡された。一方,同容疑で起訴されていたムーサ・アリ・ジャリール元国防軍司令官・国防大臣及びモハメド・ジヤド元国防軍大佐に対しては無罪判決が下された。
エ 4月21日付サン・オンライン記事によれば,ナシード元大統領はDhoonidhoo島からHimmafushi島のAsseyri刑務所に移送された由。
オ 4月23日,ナシール内務大臣は,ナシード元大統領,ナジム元国防大臣及びイブラヒム元国防大臣の3名はAsseyri刑務所内のアパートに収監されていると述べた。
カ 4月27日,ナシール内務大臣は,ナシード元大統領がAsseyri刑務所からMaafushi刑務所に移送されたと述べた。
キ ナシード元大統領の釈放を求める野党による抗議活動中に,これまでに,
イブラヒム・ディディMDP元党首(4月11日釈放),アリ・アジム議員(MDP),ファッヤズ・イスマイル議員(MDP)及びアフメド・マフルーフ議員(無所属)(4月12日釈放)の4名が逮捕された。
8ナジム前国防相の裁判
ア 3月15日,ナジム前国防相の勾留が自宅軟禁に切り替えられた。
イ 3月23日,ナジム前国防相による国外での治療・診断を目的とした出国許可申請が却下された。
ウ 3月27日,刑事裁判所は,ナジム前国防相に対して,不法に武器を輸入・保持していた容疑で禁固11年の判決を下した。
エ 4月10日,ナジム前国防大臣はモルディブ矯正局(Maldives Correctional Service)医療委員会の許可を得て,治療・診断のためにシンガポールに出発した。
オ 4月12日,ナジム前国防大臣は刑事裁判所の判決に控訴し,16日,同控訴は高等裁判所へと送られた。
9新外務省常任次官(Permanent Secretary of Foreign Ministry) の任命
3月23日,公務員委員会(The Civil Service Commission)はシルジマット・サミール前外務省国際協力局長が外務省常任次官に任命されたと発表した。
10公務員法改正
3月25日,公務員による政治活動への参加を規制する公務員法改正案が国会で可決され,3月31日,ヤーミン大統領によって承認された。改正公務員法は,公務員が政治活動に影響を及ぼすために自らの職位を利用すること,勤務時間中に政治活動に参加すること,政党員になること,政党内に職位を保持すること,政治的偏見をもって公務に従事すること等を禁止している。
11監獄・仮出獄法改正案
ア 3月30日,政府提出の監獄・仮出獄法改正案が国会で可決された。同改正案は,既決囚は政党員になることが出来ないと規定しており,同改正案が施行されると,ナシード元大統領はMDPの党員資格を失うこととなる。 
イ 4月28日,監獄・仮出所法改正案が国会で再可決された。同改正案は3月30日,1度,国会で可決されたものの,ヤーミン大統領により国会に差し戻されていた。同改正案の可決により,ナシード元大統領はMDP党首の座を失うこととなるものの,MDP党員資格は失われないこととなった。差し戻される前の改正案では,既決囚は政党員になることが出来ないとなっており,ナシード元大統領のMDP党員資格までが失われる可能性があった。
12)マレ水危機復旧作業フェーズ1完了
4月2日,イブラヒム・ファズル・ラシード・マレ上下水道公社(MWSC)社長はサン・オンライン記事によるインタビューに対して,昨年12月4日に発生したマレ水危機からの復旧作業のフェーズ1は完了した,と述べた。
13)ナジム議員への懲役刑(25年)判決
4月6日,最高裁は,モハメド・ナジム議員に対して懲役刑(25年)判決を下した。同議員は旧環礁省からのモルディブ国旗の受注入札の際,自身が株式を有するナミール・エンジニアリング社の社員を使って不正を行った罪に問われており,刑事裁判所及び高等裁判所はいずれも無罪の判決を下したものの,最高裁はそれを覆し,有罪判決を下した。
14)最高裁への控訴期限
4月8日,最高裁は,最高裁への控訴は高裁の判決後,60日以内(公休日除く)になされなければならない旨の公開書簡を発出した。最高裁は以前,高裁への控訴は下級裁判所の判決から10日以内に行わなければならいない旨の声明を出していた。
15)刑法改正
ア 4月9日,国会で同改正案の3ヶ月の適用延期が可決された。
イ 4月12日,刑法第1次改正案がヤーミン大統領によって承認された。
ウ 4月22日,改正刑法の適用開始日を7月1日からに早める旨の改正案が政府から提出され,4月30日,同改正案は国家安全保障に関する国会委員会によって可決された。
16)外国人不法労働者の輸送業者への罰則の実施
4月14日,アブドゥル・ラシード・ナフィズ運輸庁長官はハヴィール・オンライン記事のインタビューに対して外国人不法労働者を輸送した船のオーナーや船長に対して,1000ルフィアの罰金を課す旨述べた。モルディブには約5万人の外国人不法労働者がいると言われ,同罰則の導入は,彼らの移動手段を奪い,摘発を容易にすることを目的としている。
17)マウムーン青年・スポーツ担当国務大臣の人事異動
4月14日付サン・オンライン記事によれば,モハメド・ガッサン・マウムーン青年・スポーツ担当国務大臣は大統領府付国務大臣へと異動となった由。
18)マレ市役所の移転
4月22日,政府は,マレ市役所を現在の市役所庁舎からフラヴィー・ビルに移転する旨決定した。これに対して,マレ市役所側は,政府の一方的な決定に対して反発しており,移転により市の業務が長期にわたって中断される恐れがあるとの懸念を示している。
19)公共サービス・メディア法の成立
ア 4月28日,ヤーミン大統領は公共サービス・メディア法案を承認した。同法案は4月27日,国会で可決されていた。同法案はより強力な国営メディアを設立することを目的としており,同法案の承認により,国営放送局であるモルディブ放送局(MBC)は解体され,新たな国営メディアが設立されることとなる。また,同法が一旦施行されると,同法と矛盾するあらゆる法規の条項が無効となる。
イ 4月29日,ヤーミン大統領は新国営メディアの理事会メンバー7名を指名し,翌30日,国会は同7名を承認した。公共サービス・メディア法案によれば,新国営メディアは大統領の指名及び国会の承認によって選出された理事会によって運営されることとなっている。
20)輸出入法改正案の国会可決
4月22日,オートバイと衣料品の輸入税の減税を目的とした輸出入法改正案が国会で可決された。これにより,オートバイの輸入税率は150パーセントから100パーセントに引き下げられ,衣料品にいたっては輸入税の課税自体がなくなる。
21)大統領による観光法改正案承認
4月27日,ヤーミン大統領は観光法改正案を承認した。同法案が施行されると,リゾート開発のために賃貸される島の賃貸期間が従来の50年から99年に延長されるが,延長のためには,営業中の観光リゾートを有している,延長料500万米ドルを政府に納めるという条件を満たす必要がある。さらには,同法案15条に規定されている規則に違反した場合,500万米ドルの罰則金を払わなければならない。
22)イスラム大学法案の国会可決
4月29日,モルディブでのイスラム大学の設置の促進を目的としたイスラム大学法案が国会で可決された。

2 経済
1I-Heaven開発事業
3月1日,シャリーフ大統領府付大臣は,Ihavandhihppolhu島開発のためのI-Heaven事業は印などの特定の国に割り当てられるものではなく,友好国全てに事業参加の門戸が開かれていると述べた。
2「アウトルック・トラベラー・アワード2015」の受賞
3月29日付ハヴィール・オンライン記事は,モルディブが,インドで最も人気のある旅行雑誌「アウトルック・トラベラー」が選ぶ最も人気のある観光地に送られる「アウトルック・トラベラー・アワード2015」を受賞した,と報じた。
3)Thinadhoo島アパート建設事業定礎式の開催
4月4日,中国輸出入銀行の融資によるThinadhoo島120棟のアパート建設事業の定礎式が同島で開催され,モハメド・ムイズ住宅大臣,王駐モルディブ中国大使らが出席した。120棟のアパートの建設は中国企業により行われ,1年6ヶ月以内の完成を予定している。
4)マレ島・空港島間橋梁建設計画の工事開始時期
4月5日,モハメド・ムイズ住宅大臣は,マレ島・空港島間橋梁の建設開始時期は今年の12月頃となると述べた。同大臣によれば,橋梁の図案作成が現在,行われており,6月末までには完了するとの由。
5)マレ国際空港の滑走路改装事業
4月14日付サン・オンライン記事によれば,大統領府はマレ国際空港の滑走路改装事業を中国のシノハイドロ社に発注したとの由。
6)モルディブ銀行(BML)が過去最高収益を達成
4月30日,アンドリュー・ヒーリーBML・CEOは,2014年の収益が10億ルフィア(2013年に比べ22パーセント増)となり,過去最高収益を達成したと述べた。

3 外政
(1)日本
ア 3月3日,日本を訪問中のサイード経済大臣は,サン・オンライン記事のインタビューに対して,日本の経済産業省との会談を踏まえ,イブラヒム・ナシール国際空港(INIA)拡張事業について,約4億ドルの融資がまもなく承認され,工事も早期に開始されるだろうと述べた。
イ 3月19日,フォームラク島のマダルサトゥ・ジャイク・モハメド・ジャマルディーン学校への草の根無償資金協力(2万1167米ドル)の署名式が在スリランカ日本国大使館で行われ,粗駐スリランカ日本国大使とアーリファ・アブドゥル・マジード同学校長が署名した。
ウ 4月7日,防災機材ノンプロ無償の交換公文署名式がモルディブ外務省で行われ,粗駐モルディブ日本大使とマウムーン外務大臣が署名した。粗大使は署名式後,ヤーミン大統領,マウムーン外務大臣との会談を行った。
2中国
ア 3月5日付モルディブ外務省の報道発表によれば,サイード経済大臣は日本訪問後,INIA拡張事業への中国輸出入銀行からの融資条件等について協議するため,中国を訪問した由。
イ 3月29日,王駐モルディブ中国大使はナシール外務次官と会談し,「シルクロード経済ベルト及び21世紀海洋シルクロード合同建設に関するビジョンとアクション」に関する計画書を手交した。モルディブは,2014年9月に習中国国家主席がモルディブを訪問した際,21世紀海洋シルクロード構想への支持を表明した。
ウ 4月13日,チェン・ハオ中国雲南省知事はヤーミン大統領を表敬し,会談を行った。同会談において,ハオ知事は,2015年6月12日~16日の日程で中国にて開催予定の第3回中国・南アジア博覧会及び第23回中国昆明輸出入品フェアへのモルディブを公式に招待したい旨述べた。ハオ知事はマウムーン外務大臣とも会談を行った。
エ 4月20日,中国による軍事援助(420万米ドル)に関する署名式がモルディブ沿岸警備庁で開催され,王駐モルディブ大使とムーサ・アリ・ジャリール国防大臣が署名した。
3マウムーン外務大臣と国連人権理事会議長(UNHRC)及び国連人権高等弁務官との会談
3月3日,ジュネーブを訪問中のマウムーン外務大臣はヨハイム・ラッカーUNHRC議長及びザイード国連人権高等弁務官とそれぞれ会談を行い,モルディブの政治情勢について説明した。
4マウムーン外務大臣と英外務・英連邦担当国務大臣との会談
3月6日,英を訪問中のマウムーン外務大臣はフーゴ・スワイア英外務・英連邦担当国務大臣と会談し,モルディブの政治情勢について説明するとともに,2015年で外交関係樹立50周年を迎える英・モルディブ関係の強化について意見を交わした。
5外務大臣のスリランカ訪問
3月15~17日の日程で,マウムーン外務大臣はスリランカを訪問した。訪問中,サマラウィーラ・スリランカ外務大臣の他,日,米,豪,加等の外交団とも会談し,モルディブの政治情勢について説明した。
6大統領のサウジアラビア訪問
3月18~21日の日程で,ヤーミン大統領はサウジアラビアを訪問した。訪問中,同大統領はサルマン・サウジアラビア国王,アッザム・ビン・モハメド・アルダックヒル・サウジアラビア教育大臣らと会談し,両国は在モルディブ・サウジアラビア大使館の開設,モルディブからの留学生に対する150の奨学金の供与等で合意した。
7国連人口活動基金(UNFPA)による保健分野への支援
3月25日,UNFPAによる対モルディブ保健分野支援事業(約100万モルディブ・ルフィア)の署名式が行われた。支援金は主に,家庭内暴力法関連の施策の強化,出生率増加のための国家計画の実施,若年層を対象とした保健サービスの実施等に充てられる。
8経済特区(SEZ)へのインドの参加
3月28日,シャハレ駐モルディブ・インド高等弁務官は,印技術・教育協力(ITEC)に関する式典において,モルディブのSEZの開発への参加に強い関心を持っていると述べた。
9新駐モルディブ米大使のノミネート
3月26日,オバマ大統領は新駐モルディブ米国大使(スリランカ兼轄)にインド系米国人のアトゥル・ケシャップ氏をノミネートした。同氏は現在、南アジア・中央アジア担当国務次官補として勤務しており,これまでに米国務省内でアジア関連業務を長年行ってきた。
10)5回SAARC保健相会合
4月8日,第5回SAARC保健相会合が開催され,アフメド・ズフール保健大臣が出席した。会合では,SAARC諸国が直面する保健分野の問題と,その対策について議論がなされた。ズフール保健大臣は印,パキスタン,スリランカの保健大臣とのバイ会談の他,モディ印首相への表敬も行った。
11)UNDP総裁補兼アジア太平洋地域局長による外務大臣表敬
4月13日,ハオリアン・シューUNDP総裁補兼アジア太平洋局長がマウムーン外務大臣を表敬し,会談を行った。同会談において,両者は,モルディブ政府とモルディブの国連カントリーチームによって作成された国連開発援助枠組み(UNDAF)に関する議論を行った。
12)60回アジア・アフリカ会議
4月19日~24日の日程で,インドネシアのジャカルタで開催された第60回アジア・アフリカ会議にモハメド・ジャリール財務大臣上級顧問とナシール外務次官が出席した。
13)英連邦憲法上級専門家による大統領表敬
4月23日,ローレンス・ゴンジ英連邦憲法上級専門家はヤーミン大統領を表敬し,会談を行った。ゴンジ上級専門家はマウムーン外務大臣とも会談を行った。
14)ネパール地震への対応
ア 4月26日,政府はネパールにいるモルディブ人の避難のための特別航空便を手配すると決定した。29日深夜,モルディブ人14名を乗せたコロンボ経由の便,モルディブ人77名を乗せたダッカ経由の便がそれぞれ第1便としてマレ国際空港に到着した。
イ 4月28日,ヤーミン大統領はネパール地震復興のために5000米ドルを寄付すると決定した。
15)モルディブの政治的混乱に対するEUの対応
ア 4月29日,モルディブ政府とEU外交団との政策対話が開催された。同政策対話において,マウムーン外務大臣は民主主義の強化のためのEUとの関係強化を望む旨強調しつつ,モルディブの政治状況について説明した。
EU外交団一行は与党モルディブ進歩党(PPM),MDP及びJPとも会談を行い,モルディブの政治状況について意見交換を行った。
イ 4月30日,EU議会はナシード元大統領及びナジム前国防大臣の無条件の釈放を求める決議を採択した。同決議はさらに,今後,事態が悪化すれば,モルディブ政府関係者及び政府支持の主要財界人の渡航禁止及び国際資産の凍結措置の実施する旨述べつつ,表現の自由,司法独立及び自由民主主義の確保,リルワン記者失踪事件の完全な捜査の実施を求めている。
(了)

モルディブ2015年1~2月主な動き

1 内政
(1)大統領による4法案の承認
1月5日,ヤーミン大統領は,逃亡犯引渡し法案及び刑事相互共助法案を含む4法案を承認した。
(2)マレ上下水道公社(MWSC)社長の交代
客年12月のMWSCの水生産施設での火災により,マレで深刻な水危機が発生したことを受けて,1月11日,アフメド・ウマルMWSC社長が辞任し,同月20日,その後任に,国会事務局幹部のイブラヒム・ファズル氏が就任した。ファズル氏はかつてヤーミン大統領とともに政治活動を行っていた。
(3)ナジム国防相の更迭・逮捕
1月20日,ナジム国防相が更迭され、後任にムーサ・アリ・ジャリール前駐パキスタン大使・元国防軍司令官(退役少将)が任命された。1月18日未明、警察は、テロ及び武器・爆発物所有の疑いがあるとの理由で裁判所の令状を取得した上で、同国防相宅に踏み込み、小銃などを押収していた。その後,ナジム前国防相は,2月10日に起訴・逮捕され,勾留されたままとなっている。
(4)シャイニー保健相代理の任命
1月21日,ヤーミン大統領は,ナジム国防相・保健相代理に代わり,モハメド・シャイニー漁業・農業相を保健相代理に任命した。
(5)出入国管理局の経済開発省への移管
1月21日,出入国管理局が国防省から経済開発省へと移管された。
(6)判決から10日以内の上訴通知(notice of appeal)の提出義務
1月28日,最高裁は,上級裁判所に控訴する場合には,判決から10日以内に,上訴通知を提出しなければならない旨の声明を発出した。
(7)ヤーミン大統領への脅迫
2月18日,与党モルディブ進歩党(PPM)は,ヤーミン大統領への自爆攻撃予告に関して警察による捜査を要請した。
(8)ナシード元大統領・野党モルディブ民主党(MDP)党首の逮捕
2月22日,ムシン検事総長は,2012年1月,ナシード大統領(当時)が,モハメド刑事裁判所首席判事を令状なしで逮捕・勾留したことはテロ対策法上のテロ行為にあたるとしてナシード元大統領を改めて起訴した。
これを受けて同日,刑事裁判所は,ナシード元大統領の身柄の拘束を命じ,警官隊は,元大統領をマレ島近郊のドゥーニードー島留置所に勾留した。同日夜以降,MDP支持者らは連夜,元大統領の釈放を求めるデモを行っている。
翌2月23日,ナシード元大統領に対する公判がマレ市内の刑事裁判所で実施され,その中で,ディディ裁判官は,裁判が終了するまでの同元大統領の勾留延長を言い渡した。また同元大統領に対して,3日以内に,弁護士を雇用するよう伝えた。一方,ナシード元大統領は,公判の前に,ドゥーニドー島留置所から刑事裁判所に連行される際,警官らに手荒な扱いを受け,右腕を骨折したと主張するとともに,医師による診察を要請した。同元大統領の逮捕や警察による手荒な扱いについて報道されると,EU,国連,英連邦,米,インド,加,英などが懸念を表明した。
2月26日夜,ナシード元大統領に対する第2回公判が実施され,その中で元大統領は容疑を否認し,自身はモハメド首席判事を逮捕するように命令してはいないと述べた。
なお,ムーサ・アリ・ジャリール国防軍司令官(当時)・現国防相,イブラヒム・モハメド・ディディ国防軍マレ地区司令官(当時)・現MDP国会議員,トルハト・イブラヒム国防相(当時)ほか1名も元大統領と同じ容疑で起訴され,順次,裁判審理が行われている。
(9)マレ国際空港拡張事業のデザイン策定の完了
2月23日,サイード経済大臣は,マレ国際空港拡張事業のデザイン策定が完了したと述べた。
(10)マフルーフ与党モルディブ進歩党(PPM)議員の党籍剥奪
2月24日,PPM倫理委員会はマフルーフPPM議員の党籍を剥奪する旨決定した。同議員はPPMから野党共和党(JP)への移籍疑惑を持たれていた。
(11)政府による共和党(JP)党首とのホテル建設用地リース契約解消問題
2月24日,高等裁判所は,民事裁判所が2月11日に出した,本件契約解消に対する差し止め命令を無効とする判決を下した。本年1月,JPが野党MDPとの協力を表明したことを受けて,政府はガーシムJP党首が代表を務めるヴィラ・ホテル・グループとの本件契約を解消し,これに対して,ヴィラ・グループが民事裁判所に訴えを起こしていた。

2 外政
(1)インド
ア 1月6日,ヤーミン大統領はアフメド・モハメド新駐インド高等弁務官を任命した。
イ 2月15日,インドを訪問中のマウムーン外相はスワラージュ・インド外相を表敬し,両国の関係強化のための方策などについて意見を交わした。
(2)スリランカ
ア 1月6日,政府は,モルディブにいるスリランカ人服役囚15名全員をスリランカ政府に引き渡すと発表した。同決定はラージャパクサ・スリランカ大統領(当時)の要請を受けたもの。
イ 1月9日,ヤーミン大統領は,シリセーナ新大統領に選挙勝利の祝辞を発出した。さらに,翌10日,両者は電話会談を行った。
ウ 1月9~11日の日程で,マウムーン外相はスリランカを訪問した。10日,マウムーン大臣はシリセーナ新大統領,ウィクラマシンハ新首相をそれぞれ表敬した。
エ 1月28日,コロンボにおいて,ジハード財相とバディユディーン・スリランカ産業・商業相との間で海中養殖合同事業に関する協議が行われた。スリランカ北部州マナー県でスリランカの養殖業者とモルディブが合同でナマコ養殖事業を実施している。
オ 2月28日,スリランカを訪問中のガーシムJP党首はシリセーナ大統領を表敬し,モルディブの政治状況につき意見交換した。
(3)日本
ア 1月12日付ハヴィール・オンライン記事は,日本政府が在モルディブ日本国大使館を開設することを決定したと報じた。
イ 1月14日,モルディブ外務省は,在モルディブ日本国大使館開設費用が日本政府の来年度予算案に盛り込まれたことを歓迎する旨の声明を発出した。
ウ 1月21日,岡井在スリランカ大使館公使(モルディブ兼轄)を日本側ヘッドとし,アリ・ナシール・モハメド外務次官をモルディブ側ヘッドとする日モルディブ経済協力政策協議がモルディブ外務省で開催され,実施中の事業の評価及び新規事業の実施方法などが話し合われた。同協議終了後,岡井公使はヤーミン外務大臣を表敬した。
(4)中国
ア 1月20日,在モルディブ中国大使館で,中国によるモルディブ警察へのバイク150台無償供与の引き渡し式典が実施され,王駐モルディブ中国大使及びフセイン・ワヒード警察長官が引き渡し書に署名した。
イ 1月22日,ファイサル新駐中国モルディブ大使は習中国国家主席に信任状を奉呈した。奉呈式後の会談において,習国家主席は,中国・モルディブ友好橋事業やイブラヒム・ナシール国際空港事業の進捗を注視していると述べた。
ウ 2月1日付サン・オンライン記事は,第136回世界保健機関(WHO)執行理事会において,中国がモルディブの保健部門への支援に合意したと報じた。具体的には,医師の派遣,医療機器提供,医師への奨学金支給,モルディブにおける医療キャンプの実施等の支援を行うことに合意した由。
エ 2月2日,モルディブ外務省において,モルディブにおける中国人観光客の安全に関する合同メカニズム・第一回会合が開催された。同会合は昨年,習中国国家主席がモルディブを訪問した際に締結された覚書に基づくもの。
(5)サウジアラビア
1月24~26日,アフメド副大統領,サイード・イスラム相,アミーン大統領府付大臣らから成るハイレベル代表団が故アブドゥラ・サウジアラビア国王の弔問のため,サウジアラビアを訪問した。代表団は25日にサルマン新サウジアラビア国王を表敬し,ヤーミン大統領からの弔辞を伝えた。
(6)シンガポール
ア 1月7~13日,ヤーミン大統領夫妻はシンガポールを非公式に訪問した。
イ 1月29日,ファーティマット・イナヤ・シンガポール非常駐モルディブ高等弁務官はトニー・タン・ケン・ヤム・シンガポール大統領に信任状を奉呈した。
(7)タイ
ア 1月15日,タイはマレ水危機管理基金に対して,5万米ドルを拠出した。
イ 1月29日,Nopporn Adchariyavanich駐スリランカ・タイ大使(モルディブ兼轄)がマウムーン外相を表敬した。マウムーン外相は,タイからマレ水危機対策として供与された拠出金5万米ドルへの謝意を述べた。
(8)小島嶼国連合(AOSIS)
1月15日,国連においてAOSIS第1回総会が開催され,モルディブは議長国として参加した。モルディブは今年からAOSISの議長国となっている。
(9)世界保健機関(WHO)
1月25日,ジュネーブにおいて,モハメド・フセイン・シャリーフ大統領府付大臣がWHO執行理事会議長に任命された。モルディブが同執行理事会議長を務めるのは,2回目。
(10)在マレ国連
1月28日,マレにおいて,2016~2020年の国連による対モルディブ開発支援の枠組み及び国家開発の優先度について話し合う戦略計画会議が開催された。同会議にはマウムーン外相,アリ・ナシール・モハメド外務次官,野田モルディブ常駐調整官を含むモルディブ政府及び現地国連関係者が出席した。
(了)

 

 

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