当国情勢

平成28年12月1日

2016年11月1日‐11月30日

1 内政

(1)「スリランカ人民戦線」の発足
ア 「我々のスリランカ自由党」(Our Sri Lanka Freedom Party)が発足し,ピーリス前外相が会長として任命された。党のシンボルはつぼみ。
イ 5日,ドゥミンダ・ディサナヤケ・スリランカ自由党(SLFP)幹事長は,ピーリス前外相は「スリランカ人民戦線」(「我々のスリランカ自由党」が名称変更されたもの)の会長に就任したため,党規に従い,同前外相のSLFP党員資格は自動的に抹消されたと述べた。同日,「スリランカ人民戦線」が中央州キャンディー県で初の政治集会を開いた。同集会で演説したランブクウェッラ元マスメディア大臣は,現在95名のSLFP議員が政府を支持しているが,これらの議員が野党につけば,現政権に対抗する野党勢力となりえた,現政権は汚職疑惑のあるマヘンドラン前中央銀行総裁の任命等,国民を裏切る行為を多々行っており,統一国民党(UNP)支持者からも,UNPに票を投じたことを悔やむ声が聞かれている,ラージャパクサ前大統領なら,全コミュニティーが平和と協調のもと,共存できる環境を作り上げることが可能だと述べた。
ウ 15日,ポロンナルワ県の地区代表グループ(District Activist Organizations)を選出するため,SLPPが政治集会を開催し,バシル・ラージャパクサ前経済開発相が出席。同前経済開発相は,新政党は,地方議会選挙で全勝する,現政権は,野党代表を自ら任命することで,国民が政府の政策に反対する声を上げる権利を奪った,また,51名の党員を持つ統一野党の声も無視されている,現在審議中の予算案も国民に負担をしいるものだ,これらに立ち向かう強力な政党がないなか,ラージャパクサ前大統領が率いる新政党が設立されたことを,国民は多いに歓迎していると述べた。
エ 27日,ラージャパクサ前大統領と共に訪中しているピーリス前外相・SLPP会長は,SLPPの新支部を中国Zem-Zem Zang地域に設置したと述べた。同地域に居住するスリランカ人コミュニティーの協力を得ている由。

(2)新憲法制定に向けた動き
ア 19日,ウィクラマシンハ首相・憲法制定議会運営委員会委員長は憲法制定議会に6つの小委員会の報告書を提出した。
イ 24日,シリセーナ大統領は,新憲法に関し,サンパンタン・タミル国民連合(TNA)代表率いる全16名のTNA議員と協議を行った。TNA側は,現行憲法の修正ではなく,新憲法制定の重要性を強調し,新憲法制定を通したタミル問題の「政治的解決」(political solution)を求めた。これに対し,シリセーナ大統領は,国家の問題に政治的解決をもたらすことが,新憲法制定の唯一(sole)の目的であると述べた。また,ウィクラマシンハ首相を通し,ラージャパクサ前大統領に新憲法制定に関する見解を問いただしてもいると述べた。大統領は,予算審議終了前に,再度,TNA議員団と協議を行う旨約束した。

(3)新国防省国家情報長官の任命
 2日,M.D.U.V.グナティラカ准将が新国防省国家情報長官として任命された。

(4)ヴィナヤガムールティ・ムラリタラン(通称カルナ)元再定住副大臣・元LTTE東部司令官の逮捕
 29日,カルナ元副大臣が,昨年8月の総選挙で落選後も公用車を使用していた罪で逮捕され,12月7日まで勾留されることが決定した。
 
2 国民和解

(1)障害を負って退役した元兵士への恩給(pension)
 6日,国防省は,シリセーナ大統領の指導により,従軍期間が12年未満で,障害を負い退役した元兵士に対し恩給を支払うことが閣議で承認された,必要経費は2017年度予算案に盛り込まれた旨を発表した。当地では障害を負った退役兵士らが恩給を求めて路上デモを行っていた。

(2)AAVAメンバーの逮捕
 テロ捜査局(TID)はテロ防止法(PTA)に基づき,北部州で活動を展開している犯罪組織,AAVAのメンバー3名(年齢17歳~30歳)を,元LTTE兵士と共同して犯罪に関与した疑いで逮捕,勾留した。

(3)土地を持たない国内避難民(IDP)の再定住の為の土地購入に関する閣議承認
 8日,閣議は,北部州ジャフナ県で,IDP福祉センターに居住する,土地を持たないIDP計686家族の内,再定住先が決まっていない計220家族に支給する土地(各20平方ロッド(0.125エーカー))を買うため,8千8百万ルピーの予算をジャフナ県行政官事務所に付けることを承認した。同案はD.M.スワミナダン刑務所改革・復興・再定住・ヒンドゥー教大臣が提出していたもの。

(4)宗教間対立を解消するための閣僚グループ(high-powered ministerial group)の設置
 宗教間の対立及び不信を解消することを目的として,ラージャパクサ司法・仏法大臣,アマラトゥンガ観光開発・キリスト教・土地大臣,スワミナダン刑務所改革・復興・再定住・ヒンドゥー教大臣及びアブドゥル・ハリーム郵政・イスラム教大臣で構成された閣僚グループが設置された。

(5)北部州議会による新決議の可決
 24日,北部州議会は,北部州及び東部州で仏教寺院の建設を禁止する決議を満場一致で可決した。同決議は,シヴァナナン北部州議会議長により提出されていたもの。また,同決議を,シリセーナ大統領,ウィクラマシンハ首相及びジャヤスンドラ警察長官に提出することも決定された。

(6)プラバカラン元LTTE司令官の生誕記念日
 26日のプラバカラン元LTTE司令官の生誕記念日に合わせ,北部州ジャフナ県で同元司令官をタミル国家のリーダーであると称えるポスターが張り出された。また,ジャフナ大学で同司令官の生誕記念日を祝う式典が開かれ,多くの学生や大学教授及び大学職員が参加した。

(7)一般特恵制度(GSP)プラス復活に向けた取り組み
 EUからGSPプラス復活の条件として提示されている,刑事訴訟法(Criminal Procedure Code: CPC)への修正案を検討するため,ラージャパクサ司法相は,法務長官及び法務長官オフィス職員で構成された委員会を設置した。ラージャパクサ司法相は,EUが求めている見直しは,当地の他の法律と矛盾している,EUの要請に合わせると,刑事訴訟手続きに混乱が生じ,国民の司法に対する信頼失墜に繋がりかねないとの見解を示した。また,EUが求めているムスリム婚姻法及びテロ防止法(PTA)の見直しも,慎重な検討を要する,単にEUの条件に合わせるのではなく,スリランカのペースで,当地司法体系に合致した形で見直しは行われるべきだとの見解を示した。
 
3 対中関係

(1)易先良駐スリランカ中国大使の発言

ア 中国企業のスリランカ投資を巡る易先良駐スリランカ中国大使の発言
(ア)1日,易先良駐スリランカ中国大使は記者会見を開き,中国は,中国資本の巨大開発プロジェクトに寄せられている批判に落胆している,投資を呼びこみ経済を発展させるにあたり,スリランカ政府は政治情勢に左右されない一貫した政策,規則及び法律を制定する必要があると述べた。また,前政権時代に中国資本プロジェクトに汚職があったのではないかとの記者からの質問に対し,中国企業はスリランカ経済発展に向け,委託された支援事業を遂行したのみであり,汚職が行われたとすると,それはスリランカ側であるため,そちらを捜査すべきだと述べた。また,カルナナヤケ財務大臣が中国の融資の金利が高いと指摘したことを受け,スリランカには,他の発展途上国と同様,2%という低い金利で融資を行っている,中国融資の金利が高いのであれば,なぜ中国融資を請うてくるのかと述べた。さらに,中国は2015年末までにスリランカに対し,155億ドル相当のインフラ事業を行い,4.1億ドル相当の直接投資を行っている,2016年前半だけでも1,300名を奨学生・実習生として迎え入れ,エンジニア,海軍及び経済の分野で2,100名以上を研修した,また,2016年1月~8月だけでも約20万人の中国人観光客が当地を訪れており,同数は前年度に比べ,32.2%増であると述べ,中国のスリランカ経済への貢献度を強調した。
(イ)易先良駐スリランカ中国大使の発言を受け,カルナナヤケ財務大臣は記者会見で,前政権時代,中国融資の金利は2%以上であり,ハンバントタ港開発への金利は8%であった,これらの証拠をお見せしようと述べ,応戦した。また,現政権は,前政権と比べ,汚職を一掃することでインフラ開発コストを22%抑えている,アジア開発銀行,世界銀行,IMFやJICAは2%以下の金利で融資を行ってくれるため,現政権は8~9%の金利の融資は受けない,中国側が構わないのであれば残りの借入金を金利2%で返却したいと反論した。
(ウ)7日,その後,ウィーラコーン外務次官が易大使に架電にて,2国間の問題についてはメディアを通してではなく,外務省に直接話して欲しいと述べ抗議したのに対し,同大使は,自身の発言が問題を引き起こしたとしたら遺憾である,記者に自身の発言意図を誤解されたと述べた。当初,易先良駐スリランカ中国大使は,7日朝9時半に外務省に召喚されていたものの,ウィクラマシンハ首相の指示で召喚という形にはせずに,ウィーラコーン外務次官から架電で連絡した経緯がある。
イ 易先良駐スリランカ中国大使のシラサ・テレビでの発言
 11日,易先良駐スリランカ中国大使は,シラサ・テレビの番組,「プロフィール」(Pathikada)に出演し,中国は次の3~5年でスリランカに対して50億ドル相当の投資を行う,中国のスリランカ支援には隠された政治的意図はない,今後,中国は,主にハンバントタ経済地域に焦点を当てていく,などと述べた。また,政権交代後,1年半中断されていたコロンボ・ポートシティー建設計画に関し,事業中断により,5,000人の雇用に影響が出たと述べた。
ウ 易先良駐スリランカ中国大使の「中国・スリランカ・ビジネス協議」での発言
 16日,易先良駐スリランカ中国大使はコロンボで開催された「中国・スリランカ・ビジネス協議」で,シリセーナ大統領及びウィクラマシンハ首相と最近協議を行った際,コロンボ・ポートシティーの建設計画の中断といったような事案の再発防止を要請し,政権交代が行われても法的契約が反故にされるべきではないとの見解を伝えたと述べた。また,ウィクラマシンハ首相に対し,スリランカの地理的利点を強調しすぎると,スリランカの役人は,外国の投資が入ってくるのを待つだけの受け身になってしまうので,良くないとも進言したと述べた。

(3)中国全人代常務委員会,スリランカと相互刑事共助協定を批准
7日,中国全人代常務委員会は,スリランカと相互刑事共助協定(Criminal Judicial Assistance Treaty)を批准した。

(4)ハンバントタ港開発を巡る動き
 8日,政府は来年1月8日のシリセーナ大統領の大統領就任2周年記念日に,中国企業の招商局港口(China Merchants Port Holding Company)と,ハンバントタ港開発で生じた債務を解消するために,株式を売りつつ運営権を譲渡するための覚書を締結する方針を決定した。ハンバントタ港開発のために,前政権が13億2千8百万ドルを中国から借りたが,招商局港口は,10億8千万ドル分の株式を購入し,同港の運営権を獲得することに関心を表明した。同社は,覚書が締結されてから1ヶ月以内に10%,3ヶ月後に30%,そして残りを6ヶ月後に分割して支払うことが予定されている。同計画はシリセーナ大統領も承認した。

(5) 中国融資によるアヌラーダプラ県のタンブッテガマ浄水プロジェクトに関する閣議承認
 8日,閣議は,中国開発銀行及びセイロン銀行から融資を受け,北中央州アヌラーダプラ県のタンブッテガマ浄水プロジェクトを実施することを承認した。同案はウィクラマシンハ首相が提出していたもの。

(6) 中国の仏教協会の寄付による北部州・東部州の仏教寺院への洗面所設置事業に関する閣議承認
 8日,閣議は,中国の仏教協会であるGwandoon Buddhist Associationからの2024万ルピーの寄付で,北部州・東部州の計100箇所の仏教寺院に洗面所を設置する旨を承認した。同案はウィジェダーサ・ラージャパクサ司法・仏法大臣が提案していたもの。

(7)中国吉林省副知事一行の当地来訪
 Sui Zhong Cheng中国吉林省副知事及び同省に拠点を置く計33名の起業家が,スリランカとの貿易・投資関係強化のため,当地を訪問し,投資庁(BOI)及び輸出振興庁(Export Development Board)と協議を行った。同協議でCheng中国吉林省副知事は,スリランカは中国の「一帯一路」政策において重要である,また,中国最大で高速鉄道に関する高度な技術を持つ鉄道製造工場が吉林省にある,高速鉄道はスリランカ経済発展において大きく寄与するのではないかと述べた。

(8)広東省からのビジネス代表団の来訪
 スリランカへの投資の可能性を模索するため,広東省からビジネス代表団が当地を訪れ,投資庁(BOI)を訪問した。一行は,BOIに対し,広東省への視察訪問に招待した。

(9)ラージャパクサ前大統領の中国訪問
 27日~12月1日,中国政府の招待を受け,ラージャパクサ前大統領が中国を公式に訪問。ピーリス前外相が同行した。
 
4 外交

(1)欧州議会一行の来訪
 2日,4名の欧州議会議員が,和解政策, GSPプラス復活に向けた交渉及び女性の権利保障の分野で協議を行うために当地を来訪した。

(2)ウィクラマシンハ首相の香港訪問
 3日,ウィクラマシンハ首相は,独企業アジア・太平洋会議(Asia Pacific Conference of German Business)に出席するために,香港を訪問。4日,ウィクラマシンハ首相は第15回独企業アジア・太平洋会議で,スリランカ政府は,南部の産業発展のために中国企業の招商局港口(Chinese Mechant Group)に50平方キロメートルの土地を与える,これは日本がタイやマレーシアで取った手法であり懸念する必要はない,また,これまで政府はインフラ開発に焦点を置いていたが,今後は,製造業強化にも焦点を当てていく,スリランカをデジタル・ハブとしたいと考えており,すでに,無料WiFiの導入や,生徒のパソコン購入を促進するローン,及び大学生に無料でタブレットを配布するプログラムを導入したと述べた。
同日,ウィクラマシンハ首相は,シグマール・ガブリエル独副首相兼経済・エネルギー相と協議を行った。ガブリエル副首相は,独はEUによるスリランカに対するGSPプラスの復活を支援する,また,独は教育,経済開発及び投資の分野で支援を行う準備があると述べた。同協議には,サマラウィクラマ開発戦略・国際貿易大臣が同席した。

(3)第4回印・スリランカ防衛対話(Indo-Sri Lanka Defence Diaogue)の開催
 3日,シリ・G・モハン・クマール印国防次官が率いる印国防当局関係者一行が第4回印・スリランカ防衛対話に出席した。同対話は2012年から毎年行われているもの。

(4)バロネス・アネレイ英外務・英連邦相の来訪
6日~9日にかけて当地を来訪したアネレイ英外務・英連邦相は8日,ウィクラマシンハ首相を表敬。また,サマラウィーラ外相とも協議を行い,スリランカの和解促進に向けた政策を歓迎する,新憲法制定が和解をさらに促進することを願っていると述べた。これに対し,サマラウィーラ外相は,政府の民主主義,人権及び和解に向けた取組を強化している旨説明。双方は,英連邦の将来の方向性についても協議を行った。
 同日,アネレイ英外務・英連邦相はサンパンタン・タミル国民連合(TNA)代表と協議を行い,サンパンタンTNA代表は,スリランカの和解促進に向けた国際社会の支援の重要性を強調し,また,新憲法制定を通じた,国家的問題に対する持続可能な解決策を模索する必要性につき言及した。さらに,北部州における軍のプレゼンスに対して懸念を表明した。これに対し,アネレイ英外務・英連邦相は,英国政府はスリランカ政府の新憲法制定及び和解促進に向け,引き続き支援を行うと述べた。
 滞在中,アネレイ英外務・英連邦相は北部州を訪問しウィグネーシュワラン北部州首席大臣とも協議したほか,英国が支援を行っているジャフナ警察署の女性・児童部(Women and Children's Branch)を訪問した。

(5)シリセーナ大統領の訪印
 6日,シリセーナ大統領は,2年に一度開催される「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約に関する協議」に出席するため,2日間にわたり,印を訪問し,7日には同協議でたばこ規制に賛同する内容の講演を行った。6日には,プラナーブ・ムカジー印大統領と会談し,歴史的友好関係の強化について意見交換した。

(6)アマラウィーラ漁業・水産資源開発大臣他の訪印
 印外相及び農業相と,印漁船による越境漁業及びトロール漁問題につき協議を行うため,印を訪問中のアマラウィーラ漁業・水産資源開発大臣は6日,印側は,トロール漁を除々に終了する準備を行う旨,また,越境漁業を監視するために合同パトロールを行う旨で同意したと述べた。今後,双方は,3ヶ月に一度,合同作業部会を開催し,さらに協議していく方針であり,一回目の閣僚会議は,来年1月2日にコロンボで開かれる。アマラウィーラ漁業・水産資源開発大臣には,サマラウィーラ外相及びスマンティランTNA幹事長他が同行した。

(7)ジャヤスンドラ警察長官(IGP)のインドネシア訪問
 7日~10日かけて,第85回国際警察会議(International Police Conference)に出席するため,ジャヤスンドラ警察長官が開催地であるインドネシアを訪問した。

(8)ダヤ・ガマゲ第一次産業大臣のトルコ訪問
 7日,アジア政党国際会議(ICAPP)に出席するため,ダヤ・ガマゲ第一次産業大臣がトルコを訪問中。同大臣は,ICAPPの移民・難民に関する特別協議の議長を務めた。

(9)サマラウィーラ外相の国連気候変動枠組条約第22回締結国会議(COP22)への出席
 モロッコで開催されていたCOP22にサマラウィーラ外相が出席。16日,島国のスリランカではすでに干ばつ,気温の変動,洪水,季節外れの雨や,海岸浸食といった被害が出ている,これらに対応する技術及び資金へのアクセスが必要である,気候変動への対処は先進国と途上国が協力して取り組まなければならない旨演説した。

(10)米国海軍船艦の寄港
 22日,訓練のため,米国海軍船艦が東部州トリンコマリー港に寄港した。23日~25日,米海軍・海兵隊とスリランカ海軍・海兵隊との間で共同訓練が行われた。

(11)印融資によるディーゼル電気機関車の購入に関する閣議承認
 8日,閣議は,印の融資で10台のディーゼル電気機関車を購入することを承認した。同提案はニマル・シリパーラ・デシルバ交通・民間航空大臣が提出していたもの。

(12)USAIDのスリランカ議会への支援
 23日,USAIDは,スリランカ議会の「責任追及」(accountability)及び「民主的統治」(democratic governance)を3年間かけて強化するため1,300万ドル相当の支援を開始させた。具体的には,政府と国会間の連携促進,国民への広報,政策立案,実施,能力向上,女性及び社会的弱者の政治参加促進を目指す。

(13)シリセーナ大統領からトランプ次期米大統領への要請
 27日,大統領府関係者は,シリセーナ大統領が,トランプ次期米大統領に対し,国連人権理事会による,スリランカに対する戦争犯罪疑惑追求について,疑惑を完全に晴らし新たなスタートを切れるよう手助けしてほしい旨の,特別メッセージを送ったと述べた。また,シリセーナ大統領は同様の要請を,グテレス次期国連事務総長にも行った由。

(14)海軍主催国際会議「ゴール・ダイアローグ2016」の開催
 スリランカ海軍開催の国際海洋会議「ゴール・ダイアローグ2016」が28日~29日の間,開催され,計42ヶ国及び12の国際機関から参加者が出席した。28日には,シリセーナ大統領,サマラウィーラ外相,カルナナヤケ財務相,ラナトゥンガ港湾・海運大臣,ウィジェワルダナ国防担当国務大臣,デシルバ外務副大臣,フォンセカ元帥・州開発大臣等が出席した。

(15)キューバ・カストロ議長死去を受けた弔辞
 28日,カストロ議長の死去を受け,シリセーナ大統領,ウィクラマシンハ首相及びサンパンタン野党代表がそれぞれ弔辞を発出した。また,シリセーナ大統領は駐スリランカ・キューバ大使館を訪れ,記帳を行った。