当国情勢
平成28年5月1日
2016年4月1日 - 4月30日
1 内政
(1)シンハラ・タミル正月を受けての声明
ア シリセーナ大統領の声明
新年はシンハラ仏教徒及びタミル・ヒンドゥー教徒にとってもっとも重要な祝日であり、コミュニティー間の和解を促進し、強化させるものだ。全スリランカ人に対し、今年の新年を我々が始めた、スリランカから汚職をなくす国家プログラムに積極的に関与する形で祝うように呼びかけたい。新年に際し、分断や不平等がなく、真の平和及び平等が達成され、薬物及びアルコールのない、一つの国、一つの国家(One Country, One Nation)の創出に向けた決心をしようではないか。
イ ウィクラマシンハ首相の声明
今年、スリランカはシンハラ・タミル正月を民主主義及び人権が尊重される国家として祝うことができた。我々が新年を「自由の国」(free country)の国民として祝うことを可能にした全ての人に感謝する。ただし、我々の目の前には難問だが達成可能な課題が残っていることを忘れてはいけない。全国民に意味のある経済的及び社会的変化をもたらせるよう、微力を尽くしたい。
ウ ラージャパクサ前大統領の声明
新年はシンハラ及びタミル国民が同じ縁起の良い時間(auspicious times)に伝統的な行事を行うという国家の統一及び和解を象徴するイベントである。新年は北部と南部の統一を祝う年間行事であり、テロリストの砲撃や爆弾によって打ち砕かれるものではない。我々は新年を内戦のない状況で祝えることに感謝しなければならない。新年の祝祭で我々が自然に対して謝意を示すのと同様、スリランカに平和をもたらした英雄を思うべきだ。
(2) 新憲法作成に向けた動き
5日、初の憲法制定議会が開催され、首相が率いる運営委員会が任命され、ティランガ・スマティパーラ副国会議長、セルヴァン・アダイッカラナタン副国会議長、カビール・ハシム国営企業開発大臣、スダルシャニー・フェルナンドプッレ都市開発・上水道担当国務大臣、ティラク・マナパーラ議員、マヒンダ・ヤーパ・アベイワルダナ議員、及びナリンダ・ジャヤティッサ議員が憲法議会の副議長として任命された。同委員会にはデシルバ交通・民間航空大臣、ハキーム都市計画・上水大臣、ラージャパクサ司法・仏法大臣、プレマジャヤンタ科学・技術・研究大臣、バディュディーン産業・商業大臣、ラナワカ・メガポリス・西部開発大臣、スワミナダン刑務所改革・復興・再定住・ヒンドゥー教大臣、ガネーサン国民共存・対話・公式言語大臣、サマラウィクラマ開発戦略・国際貿易大臣、サンパンタン野党代表、アヌラ・ディサナヤケ人民解放戦線(人民解放戦線:JVP)党首、ディラン・ペレーラ議員(スリランカ自由党:SLFP)、ディネッシュ・グナワルダナ人民統一戦線(人民統一戦線:MEP)党首、スマンティラン議員(タミル国民連合:TNA)、ツシータ・ウィジェマン議員(統一国民党:UNP)、ビマル・ラトナヤケ議員(JVP)、プラサンア・ラナトゥンガ議員(SLFP)、ダグラス・デヴァナンダ・イーラム人民民主党(イーラム人民民主党:EPDP)党首が含まれている。
(3) ラナワカ西部開発大臣への不信任案
5日、統一野党42名の署名が記されたラナワカ西部開発大臣への不信任案がジャヤスリヤ国会議長に提出された。
(4) 新国務大臣及び副大臣の任命
6日、ラクシュマン・セネウィラトネ議員が科学・技術・研究担当国務大臣、マヌーシャ・ナーナヤッカラ議員が海外雇用副大臣、そしてパーリタ・テワラッペルマ議員が北西部州開発・文化副大臣として大統領府で就任宣誓を行った。セネウィラトネ科学・技術・研究担当国務大臣はラージャパクサ政権で砂糖産業大臣を務めていた。
(5) 新警察長官(IGP)の選出
憲法委員会は18日、シリセーナ大統領から示されていた3名の中から、プジット・ジャヤスンダラを第34代警察長官として推薦する決定を下した。同氏は2015年2月より西部州方面担当上級副長官として務めており、その前はジャフナ県担当上級副長官として務めていた人物。
20日、プジット・ジャヤスンダラ西部州方面担当上級副長官が第34代警察長官として就任した。
(6) モハメド元国会議長の死去
M.H.モハメド元国会議長が26日に死去した。享年95歳であった。
(7)中国人労働者とスリランカ人労働者の衝突
4日、南部州アンバラントタの建設現場で作業をしていた中国人労働者とスリランカ人労働者の間で衝突が起き、4名の中国人労働者が入院する事態となった。
(8) サンプール火力発電所設置への抗議活動
14日、サンプール地区に居住する住民が、印の火力発電所設置に反対する抗議活動を行った。住民らは、同火力発電所が地域住民らの生活を困窮させる、また、同地域の環境に悪影響を及ぼすと訴えている。同住民らの多くは最近サンプールに再定住したばかりである。
(9)違法に所持されている武器の買い取り
ヘッティアーラッチ国防次官は20日、記者会見で、4月25日から5月6日の間に違法に所持している武器を返却すると恩赦の対象になり、さらに銃一丁に対し5千ルピー、ピストルや回転中一丁に対し1万ルピー、また、T-56ライフル一丁に対し2万5千ルピーを支給すると述べた。また、5月6日以降には、武器の所持に関する捜査を行い、同日付以降に武器を違法に所持している者は逮捕すると述べた。
(10)与野党の動き
ア 統一国民党(UNP)の再編
UNPが若手議員に政党の重要な役割を果たしてもらうため、党内の役職の再編を行った。これにより、ガマゲ第一次産業大臣がUNP副会長(Vice Chairman)に就任した他、様々な党内編成が行われている由。
イ スリランカ自由党(SLFP)の地区責任者の任命
28日、シリセーナ大統領は新たに11名の新SLFP地区責任者を任命することで、ラージャパクサ前大統領派の地区責任者をシリセーナ派にすげ替えた。
2 汚職捜査
(1)ウィクラマ前スリランカ港湾局会長への汚職疑惑
1日、コロンボ治安裁判所はプリヤス・バンドゥ・ウィクラマ前スリランカ港湾局会長を5月27日に召喚する旨を決定した。同前会長には、2015年の大統領選挙時に319名のスリランカ港湾局職員を選挙活動に動員した疑いがかかっている。
(2) PRECIFACがバシル・ラージャパクサ前経済開発大臣及び夫人を招聘
バシル・ラージャパクサ前経済開発大臣及び夫人が5日、大統領汚職捜査委員会(PRECIFAC)に召致された。同大臣には開発資金を自らの国内便費用にあてがった疑惑がかかっている。
(3)PRECIFACがアベイワルダナ前農業大臣を招聘
アベイワルダナ前農業大臣が農業省の資金及び車を不当に利用していたとして、PRECIFACに招聘された。
(4)ラグビー選手殺害事件
2012年に交通事故で死亡したと偽装され、殺害されたラグビー選手・タジュディーン氏殺害事件に関し、警察犯罪捜査局(CID)は20日、スミット・チンタカ・ペレーラ元ナーラヘンピタ警察署犯罪部部長(Crimes OIC of Narahenpita Police station)を証拠隠滅の容疑で逮捕し、裁判所から5月5日までの拘留決定を取り付けた。
3 国民和解
(1) シリセーナ大統領の内戦中の人権疑惑に対する責任追及に関する発言
シリセーナ大統領は27日、メディア関係者との協議で、内戦の最終段階に起こった人権侵害及び戦争犯罪に対応する、責任追及メカニズムの設置準備が進んでいると述べた。また、国連人権高等弁務官がスリランカを訪れた際、再定住促進、失踪者問題への対処及び司法プロセスの強化に焦点が当たっていたため、政府はこれらに対応すべく取り組んでいると述べた。
(2) 和解メカニズムに関する「協議タスクフォース」の進展具合
協議タスクフォースは5日、失踪者局、真実・正義・和解・再発防止委員会、司法メカニズム及び補償局の設置に関し、5月1日までに意見の提出を呼びかけた。
(3) 元LTTE兵の逮捕
テロ捜査局(TID)は6日、英国ロンドンに在住のタミル人宛てにLTTE高官が着用していたキャップを送ろうとしていた北部州ワウニア県在住の元LTTE兵を逮捕し、受取人であったロンドン在住のタミル人についての情報をインターポールに求めた。逮捕された元LTTE兵は、キリノッチの別の人物に、同小包を郵送するように頼まれたと述べている由。同元LTTE兵は社会復帰に向けたリハビリを受けていなかった。翌7日、同事案に関与したとして、別の元LTTE兵が逮捕された。同元LTTE兵は6日に逮捕された元LTTE兵に小包を渡している様子がCCTVに写っていた。この元LTTE兵は社会復帰局でリハビリを受けた後に釈放されていた人物。
(4)風刺画家エクネリゴダ氏の失踪事案捜査
2010年の大統領選挙直前に発生したエクネリゴダ氏失踪事案の捜査において、8日、同事案に関与したとして拘留されている9名の軍諜報部関係者が19日まで再拘留されることが決定した。
(5)憲法改正に関する北部州議会決議案採決
8日、ウィグネシューワラン北部州首席大臣が、北部州議会に対し、憲法改正に関した決議を提出。同決議にはスリランカ内に北部州と東部州を統合した州(state)及び残りの7州を統合した州を設置し、それぞれに独自の議会を設置するといった案が記されている。また、東部州内でムスリムが多数を占める地域及び茶園コミュニティーを、自治地域(autonomous region)とするとの案も記されている。同決議は12日に採決が予定されていたものの、22日まで延期となったが、北部州議会は22日、連邦制を推進する決議案を可決。
(6) 再定住関連
ア 「軍事的テロ行為」で失った土地・家屋の返還請求を可能とする法律の制定
国会は6日、10年以上前に「軍事的テロ活動」(militant terrorist activities)で失われた不動産(土地を含む)の返還要請を可能とする法律(時効に係る特別措置法)を制定した。
イ 北部州・東部州に建設予定の6万5千軒の再定住用家屋を巡る動き
サンパンタン野党代表は18日、北部州及び東部州に建設予定の6万5千軒の家屋に関し、シリセーナ大統領及びウィクラマシンハ首相に書簡を提出。同書簡には、TNAはスリランカ政府が内戦の影響を受けた国内避難民に家屋を提供しようとしている試みを歓迎するが、請負業者の選出が不透明な点、建設予定の家屋が北部州・東部州の天候にそぐわない点、及びそれぞれの家屋のコストがとても高い点が問題であるといった見解が記されている。
ウ ウィグネシューワラン北部州首席大臣の入院
ウィグネシューワラン北部州首席大臣は18日夜に西部州コロンボでシリセーナ大統領及びウィクラマシンハ首相と土地の解放について協議を行う予定であったが、体調を崩し、19日に北部州ジャフナ県のICUに入院。そのため、予定されていた協議は延期されることとなった。
エ サンパンタン野党代表とウィクラマシンハ首相の協議
サンパンタン野党代表は27日、ウィクラマシンハ首相に会い、北部州キリノッチ県で現在も軍に占拠されている土地の解放を求めた。
4 外交
(1) カルナナヤケ財務大臣の訪日
カルナナヤケ財務大臣が日本で開催される第7回アジア税制サミット(Asian Summit on Taxation)に出席するため、5~7日の日程で日本を訪問した。
(2) ウィクラマシンハ首相の中国訪問
ウィクラマシンハ首相は首相就任後初めて、6日から3日間の予定で中国を公式に訪問。7日、北京で李克強中国首相と協議を行った。李首相は、中国は約30年に渡り世界でも最も危険とされるテロ団体を相手に内戦を戦ったスリランカが通常の状態の戻れるように協力する意向を表明。また、スリランカに総額5億元の無償支援を行うと表明した。これに対し、ウィクラマシンハ首相はスリランカは中国とさらなる関係の強化を図りたいと考えていると発言。会談後、両国は7つの覚書を締結した。これらの覚書内容は次のとおり:(1)犯罪人引き渡し条約、(2)中華人民共和国商務部とスリランカ開発戦略・国際貿易省との間の覚書、(3)技術協力合意、(4)腎臓検査機搭載車両導入プロジェクト(5)中国開発銀行とスリランカ中央銀行との間の覚書、(6)南部高速道路の第二フェーズに係る覚書、(7)中国国家科学財団によるスリランカ科学財団への研究資金支給に係る覚書。
両首相はまた、自由貿易協定についても話し合い、中国側はハンバントタ港プロジェクトの第二フェーズ支援も約束した。なお、ウィクラマシンハ首相の招待に応える形で、李首相は来年にも二国間関係をさらに強化させるべく、スリランカを訪問したい意向を表明。双方はまた、互いに関心のある地域的問題についても話し合った。同日、ウィクラマシンハ首相は、張徳江全国人民代表大会常務委員会委員長とも協議を行った。
8日、ウィクラマシンハ首相と協議を行った習近平中国国家主席は、コロンボ・ポートシティー建設再開の決定を歓迎する旨を表明。また、中国政府は今後、スリランカへの金融支援を強化する、中国企業のスリランカ投資も呼びかけると述べ、スリランカに腎臓専門病院を建設する旨も約束した。これに対し、ウィクラマシンハ首相は中国政府にこれまでの支援に謝意を述べた。
この他、習中国国家主席は中国のスリランカとの関係は第三国に危害を加える目的はないと述べ、スリランカ及び中国双方は、習近平中国国家主席の国際貿易の拡大を図る「一帯一路」のビジョンは両国に利益をもたらす旨を強調した。
ウィクラマシンハ首相にはサマラウィーラ外相、デシルバ交通・民間航空大臣、アムヌガマ特別事業大臣、ハキーム都市計画・上水大臣、プレマダーサ住宅・建設大臣、サマラウィクラマ開発戦略・国際貿易大臣、エカナヤケ首相府次官及びマヘンドラ中央銀行総裁ほかが同行した。
(3) サマラウィーラ外相の豪州訪問
サマラウィーラ外相が4日~6日の日程で豪州を訪問。豪州に現政権の閣僚が訪問したのは今回が初めて。同外相はビショップ豪外相と2国間関係強化に向けて協議を行い、スリランカは豪州の「人身密輸」(human smuggling)根絶への努力に協力する旨を伝え、また、豪州と経済及び貿易の関係がさらに強化されることへの期待を表明した。
(4) 独・南アジア友好議員連盟の来訪
6日~9日の日程で独・アジア友好議員連盟がスリランカを訪問し、7日、デシルバ外務副大臣と協議を行った。同副大臣は現政府の民主主義促進、和解促進及び経済開発に向けた取り組みを説明。議員連盟は、スリランカ政府の取り組みを評価する見解を示した。
(5) ラトナヤケ治安・南部開発大臣他の米国訪問
ラトナヤケ治安・南部開発大臣及びラヴィンドラ・フェルナンド国家危険薬物抑制委員会(National Dangerous Drugs Control Board)委員長が、4月19日~21日の間、ニューヨークの国連本部で開催されている国連総会特別セッション、「世界の薬物問題」に出席すべく、米国を訪問中である(19日付政府公式ニュースサイト)。これを受け、シリセーナ大統領はスワミナダン刑務所改革・復興・再定住・ヒンドゥー教大臣を治安大臣代理として任命。タミル人が警察を管轄下に置く省の大臣として任命されたのは36年ぶりである。
(6) マルゴット・ヴァルストローム・スウェーデン外相の来訪
ヴァルストローム・スウェーデン外相が24~26日の間、スリランカを公式に訪問。25日、サマラウィーラ外相と協議を行った後、記者会見でスリランカの国際社会との関係を深める政策を歓迎すると述べた。また、スウェーデンはインフラ、グリーン・テクノロジー、IT、交通機関といった分野で協力することができると述べ、今後の二国間関係強化に向けた期待を述べた。同外相は26日、シリセーナ大統領を表敬。シリセーナ大統領はスウェーデンのこれまでのスリランカの開発支援に謝意を示し、スリランカで広がっている腎臓病を食い止めるべく行う調査への支援を求めた。これに対し、ヴァルストローム外相は、すでにスリランカのラジャラタ大学と共に、スウェーデンのウプサラ大学及びカロリンスカ医科大学が特別プロジェクトの実施を行っていると述べた。また、シリセーナ大統領は北部・東部の若者に向けた職業訓練所の設置に向けた支援を要請し、スウェーデン投資家のスリランカ投資を呼びかけた。ヴァルストローム外相は、スウェーデンはEUによるスリランカへの一般特恵制度(GSP)プラスの適用の復活に向けて、可能な限り支援すると約束。
(7) ラージャパクサ前大統領のタイ訪問
ラージャパクサ前大統領は23日、文化イベントに出席するため、タイに向けて出発した。同前大統領にはピーリス前外相が同行しており、今回のタイ訪問はラージャパクサ前大統領が2015年1月の大統領選挙で敗れて以来、初の国外訪問となる。
(8) タイ王国軍国防総参謀長率いる武官団の来訪
26日、ソンマイ・カオティラ・タイ王国軍国防総参謀長率いる武官団が、グナティラカ・スリランカ軍国防参謀長の招待で3日間の公式訪問のためにスリランカに到着した。同武官団は今後、シリセーナ大統領、ウィクラマシンハ首相、ウィジェワルダナ国防担当国務大臣、ヘッティアーラッチ国防省次官を表敬し、キャンディーの仏歯寺及びアヌラーダプラを訪れた。
(9) パキスタン防衛大学一行の来訪
24日より5日間の予定で、パキスタン防衛大学の一行が当地を来訪。スリランカとの関係強化に向け、経済、国内政策、外交政策について理解を深めることを目的としている。
(10)仏海軍艦船によるコロンボ港親善寄港
29日,仏海軍艦船「アコニト」がコロンボ港に寄港した。同日,グラモント船長は,デシルバ・スリランカ海軍西部管区司令官に表敬した。また同船長は記者会見で,スリランカと仏は,インド洋に関して共通の関心(concerns)を有していると述べた。同船は5月5日に出航した。
(11)米国がシンハラ・タミル正月に向けたメッセージを発表
ケリー米国務長官が、オバマ大統領に代わり、シンハラ・タミル正月に際するあいさつを送り、スリランカの過去1年の成果はスリランカの和解、寛容(tolerance)、及び平和へのコミットメントを示しており歴史的であるとしてスリランカを称えた。
(12)スリランカ海軍、米グアム島で訓練を受ける
20名のスリランカ海軍の潜水士が、4月7日~17日の間、米グアム島で米海軍から水中に残された不発弾の処理についての訓練を受けた。
(13)第12回米・スリランカ貿易・投資枠組協定会合
28日,パワー米国連代大使は,本件会合(於 ワシントン)の冒頭で挨拶し,米国は,恒久平和,民主主義,国際社会との新たな関係作り及び全ての国民に対する機会の提供に向けて尽力するシリセーナ政権を支援することにコミットしている,スリランカ国民が経済発展を希求している中,本日の会合で合意される予定の合同行動計画は,貿易・投資拡大,雇用創出,収入拡大,生活の質の改善に資するであろうなどと述べた。一方,サマラウィクラマ開発戦略・国際貿易相は,スリランカ製品による米国市場へのアクセス拡大に係る支援を求めた。
(14)スリランカ産魚介類の対EU禁輸措置の解除
欧州委員会(EC)は21日、スリランカの違法漁業対策に改善が見られるため、2015年2月に課されていたスリランカ産魚介類の対EU禁輸措置の解除を決定したと発表した。
(15)国際通貨基金(IMF)による対スリランカ融資
28日,IMFミッションのシュナイダー代表は,スリランカ政府とIMFは,今後3年間にわたる15億ドルの融資に仮合意した,同仮合意は,スリランカ政府が必要な事前の措置を取り,6月初旬のIMF理事会で承認されれば,最終合意となる,また,最終合意となれば,そのほかのマルチ・バイの融資も続くため,総支援額は約22億ドルに達する旨発表した。シュナイダー代表はまた,IMFは同融資を供与しつつ,政府による税制改革などを通じた財政状況の改善を後押ししていく旨述べた。
(16)国連特別報告者の来訪予定
スリランカ政府の招待により、モニカ・ピント「司法の独立」国連特別報告者(Special Rapporteur on the Independence of Judges and Lawyers)及びユアン・E・メンデス「拷問」国連特別報告者(Special Rapporteur on Torture and Other Cruel, Inhumane or Degrading Treatment or Punishment)が4月29日~5月7日の予定で当地を来訪予定。メンデス「拷問」特別報告者は2010年以来、2度目の来訪であり、ピント「司法の独立」国連特別報告者にとっては、初の来訪となる。二人の報告者は、コロンボの他にも、北部州、北中部州、東部州、中央州及び南部州の訪問を予定している。
(1)シンハラ・タミル正月を受けての声明
ア シリセーナ大統領の声明
新年はシンハラ仏教徒及びタミル・ヒンドゥー教徒にとってもっとも重要な祝日であり、コミュニティー間の和解を促進し、強化させるものだ。全スリランカ人に対し、今年の新年を我々が始めた、スリランカから汚職をなくす国家プログラムに積極的に関与する形で祝うように呼びかけたい。新年に際し、分断や不平等がなく、真の平和及び平等が達成され、薬物及びアルコールのない、一つの国、一つの国家(One Country, One Nation)の創出に向けた決心をしようではないか。
イ ウィクラマシンハ首相の声明
今年、スリランカはシンハラ・タミル正月を民主主義及び人権が尊重される国家として祝うことができた。我々が新年を「自由の国」(free country)の国民として祝うことを可能にした全ての人に感謝する。ただし、我々の目の前には難問だが達成可能な課題が残っていることを忘れてはいけない。全国民に意味のある経済的及び社会的変化をもたらせるよう、微力を尽くしたい。
ウ ラージャパクサ前大統領の声明
新年はシンハラ及びタミル国民が同じ縁起の良い時間(auspicious times)に伝統的な行事を行うという国家の統一及び和解を象徴するイベントである。新年は北部と南部の統一を祝う年間行事であり、テロリストの砲撃や爆弾によって打ち砕かれるものではない。我々は新年を内戦のない状況で祝えることに感謝しなければならない。新年の祝祭で我々が自然に対して謝意を示すのと同様、スリランカに平和をもたらした英雄を思うべきだ。
(2) 新憲法作成に向けた動き
5日、初の憲法制定議会が開催され、首相が率いる運営委員会が任命され、ティランガ・スマティパーラ副国会議長、セルヴァン・アダイッカラナタン副国会議長、カビール・ハシム国営企業開発大臣、スダルシャニー・フェルナンドプッレ都市開発・上水道担当国務大臣、ティラク・マナパーラ議員、マヒンダ・ヤーパ・アベイワルダナ議員、及びナリンダ・ジャヤティッサ議員が憲法議会の副議長として任命された。同委員会にはデシルバ交通・民間航空大臣、ハキーム都市計画・上水大臣、ラージャパクサ司法・仏法大臣、プレマジャヤンタ科学・技術・研究大臣、バディュディーン産業・商業大臣、ラナワカ・メガポリス・西部開発大臣、スワミナダン刑務所改革・復興・再定住・ヒンドゥー教大臣、ガネーサン国民共存・対話・公式言語大臣、サマラウィクラマ開発戦略・国際貿易大臣、サンパンタン野党代表、アヌラ・ディサナヤケ人民解放戦線(人民解放戦線:JVP)党首、ディラン・ペレーラ議員(スリランカ自由党:SLFP)、ディネッシュ・グナワルダナ人民統一戦線(人民統一戦線:MEP)党首、スマンティラン議員(タミル国民連合:TNA)、ツシータ・ウィジェマン議員(統一国民党:UNP)、ビマル・ラトナヤケ議員(JVP)、プラサンア・ラナトゥンガ議員(SLFP)、ダグラス・デヴァナンダ・イーラム人民民主党(イーラム人民民主党:EPDP)党首が含まれている。
(3) ラナワカ西部開発大臣への不信任案
5日、統一野党42名の署名が記されたラナワカ西部開発大臣への不信任案がジャヤスリヤ国会議長に提出された。
(4) 新国務大臣及び副大臣の任命
6日、ラクシュマン・セネウィラトネ議員が科学・技術・研究担当国務大臣、マヌーシャ・ナーナヤッカラ議員が海外雇用副大臣、そしてパーリタ・テワラッペルマ議員が北西部州開発・文化副大臣として大統領府で就任宣誓を行った。セネウィラトネ科学・技術・研究担当国務大臣はラージャパクサ政権で砂糖産業大臣を務めていた。
(5) 新警察長官(IGP)の選出
憲法委員会は18日、シリセーナ大統領から示されていた3名の中から、プジット・ジャヤスンダラを第34代警察長官として推薦する決定を下した。同氏は2015年2月より西部州方面担当上級副長官として務めており、その前はジャフナ県担当上級副長官として務めていた人物。
20日、プジット・ジャヤスンダラ西部州方面担当上級副長官が第34代警察長官として就任した。
(6) モハメド元国会議長の死去
M.H.モハメド元国会議長が26日に死去した。享年95歳であった。
(7)中国人労働者とスリランカ人労働者の衝突
4日、南部州アンバラントタの建設現場で作業をしていた中国人労働者とスリランカ人労働者の間で衝突が起き、4名の中国人労働者が入院する事態となった。
(8) サンプール火力発電所設置への抗議活動
14日、サンプール地区に居住する住民が、印の火力発電所設置に反対する抗議活動を行った。住民らは、同火力発電所が地域住民らの生活を困窮させる、また、同地域の環境に悪影響を及ぼすと訴えている。同住民らの多くは最近サンプールに再定住したばかりである。
(9)違法に所持されている武器の買い取り
ヘッティアーラッチ国防次官は20日、記者会見で、4月25日から5月6日の間に違法に所持している武器を返却すると恩赦の対象になり、さらに銃一丁に対し5千ルピー、ピストルや回転中一丁に対し1万ルピー、また、T-56ライフル一丁に対し2万5千ルピーを支給すると述べた。また、5月6日以降には、武器の所持に関する捜査を行い、同日付以降に武器を違法に所持している者は逮捕すると述べた。
(10)与野党の動き
ア 統一国民党(UNP)の再編
UNPが若手議員に政党の重要な役割を果たしてもらうため、党内の役職の再編を行った。これにより、ガマゲ第一次産業大臣がUNP副会長(Vice Chairman)に就任した他、様々な党内編成が行われている由。
イ スリランカ自由党(SLFP)の地区責任者の任命
28日、シリセーナ大統領は新たに11名の新SLFP地区責任者を任命することで、ラージャパクサ前大統領派の地区責任者をシリセーナ派にすげ替えた。
2 汚職捜査
(1)ウィクラマ前スリランカ港湾局会長への汚職疑惑
1日、コロンボ治安裁判所はプリヤス・バンドゥ・ウィクラマ前スリランカ港湾局会長を5月27日に召喚する旨を決定した。同前会長には、2015年の大統領選挙時に319名のスリランカ港湾局職員を選挙活動に動員した疑いがかかっている。
(2) PRECIFACがバシル・ラージャパクサ前経済開発大臣及び夫人を招聘
バシル・ラージャパクサ前経済開発大臣及び夫人が5日、大統領汚職捜査委員会(PRECIFAC)に召致された。同大臣には開発資金を自らの国内便費用にあてがった疑惑がかかっている。
(3)PRECIFACがアベイワルダナ前農業大臣を招聘
アベイワルダナ前農業大臣が農業省の資金及び車を不当に利用していたとして、PRECIFACに招聘された。
(4)ラグビー選手殺害事件
2012年に交通事故で死亡したと偽装され、殺害されたラグビー選手・タジュディーン氏殺害事件に関し、警察犯罪捜査局(CID)は20日、スミット・チンタカ・ペレーラ元ナーラヘンピタ警察署犯罪部部長(Crimes OIC of Narahenpita Police station)を証拠隠滅の容疑で逮捕し、裁判所から5月5日までの拘留決定を取り付けた。
3 国民和解
(1) シリセーナ大統領の内戦中の人権疑惑に対する責任追及に関する発言
シリセーナ大統領は27日、メディア関係者との協議で、内戦の最終段階に起こった人権侵害及び戦争犯罪に対応する、責任追及メカニズムの設置準備が進んでいると述べた。また、国連人権高等弁務官がスリランカを訪れた際、再定住促進、失踪者問題への対処及び司法プロセスの強化に焦点が当たっていたため、政府はこれらに対応すべく取り組んでいると述べた。
(2) 和解メカニズムに関する「協議タスクフォース」の進展具合
協議タスクフォースは5日、失踪者局、真実・正義・和解・再発防止委員会、司法メカニズム及び補償局の設置に関し、5月1日までに意見の提出を呼びかけた。
(3) 元LTTE兵の逮捕
テロ捜査局(TID)は6日、英国ロンドンに在住のタミル人宛てにLTTE高官が着用していたキャップを送ろうとしていた北部州ワウニア県在住の元LTTE兵を逮捕し、受取人であったロンドン在住のタミル人についての情報をインターポールに求めた。逮捕された元LTTE兵は、キリノッチの別の人物に、同小包を郵送するように頼まれたと述べている由。同元LTTE兵は社会復帰に向けたリハビリを受けていなかった。翌7日、同事案に関与したとして、別の元LTTE兵が逮捕された。同元LTTE兵は6日に逮捕された元LTTE兵に小包を渡している様子がCCTVに写っていた。この元LTTE兵は社会復帰局でリハビリを受けた後に釈放されていた人物。
(4)風刺画家エクネリゴダ氏の失踪事案捜査
2010年の大統領選挙直前に発生したエクネリゴダ氏失踪事案の捜査において、8日、同事案に関与したとして拘留されている9名の軍諜報部関係者が19日まで再拘留されることが決定した。
(5)憲法改正に関する北部州議会決議案採決
8日、ウィグネシューワラン北部州首席大臣が、北部州議会に対し、憲法改正に関した決議を提出。同決議にはスリランカ内に北部州と東部州を統合した州(state)及び残りの7州を統合した州を設置し、それぞれに独自の議会を設置するといった案が記されている。また、東部州内でムスリムが多数を占める地域及び茶園コミュニティーを、自治地域(autonomous region)とするとの案も記されている。同決議は12日に採決が予定されていたものの、22日まで延期となったが、北部州議会は22日、連邦制を推進する決議案を可決。
(6) 再定住関連
ア 「軍事的テロ行為」で失った土地・家屋の返還請求を可能とする法律の制定
国会は6日、10年以上前に「軍事的テロ活動」(militant terrorist activities)で失われた不動産(土地を含む)の返還要請を可能とする法律(時効に係る特別措置法)を制定した。
イ 北部州・東部州に建設予定の6万5千軒の再定住用家屋を巡る動き
サンパンタン野党代表は18日、北部州及び東部州に建設予定の6万5千軒の家屋に関し、シリセーナ大統領及びウィクラマシンハ首相に書簡を提出。同書簡には、TNAはスリランカ政府が内戦の影響を受けた国内避難民に家屋を提供しようとしている試みを歓迎するが、請負業者の選出が不透明な点、建設予定の家屋が北部州・東部州の天候にそぐわない点、及びそれぞれの家屋のコストがとても高い点が問題であるといった見解が記されている。
ウ ウィグネシューワラン北部州首席大臣の入院
ウィグネシューワラン北部州首席大臣は18日夜に西部州コロンボでシリセーナ大統領及びウィクラマシンハ首相と土地の解放について協議を行う予定であったが、体調を崩し、19日に北部州ジャフナ県のICUに入院。そのため、予定されていた協議は延期されることとなった。
エ サンパンタン野党代表とウィクラマシンハ首相の協議
サンパンタン野党代表は27日、ウィクラマシンハ首相に会い、北部州キリノッチ県で現在も軍に占拠されている土地の解放を求めた。
4 外交
(1) カルナナヤケ財務大臣の訪日
カルナナヤケ財務大臣が日本で開催される第7回アジア税制サミット(Asian Summit on Taxation)に出席するため、5~7日の日程で日本を訪問した。
(2) ウィクラマシンハ首相の中国訪問
ウィクラマシンハ首相は首相就任後初めて、6日から3日間の予定で中国を公式に訪問。7日、北京で李克強中国首相と協議を行った。李首相は、中国は約30年に渡り世界でも最も危険とされるテロ団体を相手に内戦を戦ったスリランカが通常の状態の戻れるように協力する意向を表明。また、スリランカに総額5億元の無償支援を行うと表明した。これに対し、ウィクラマシンハ首相はスリランカは中国とさらなる関係の強化を図りたいと考えていると発言。会談後、両国は7つの覚書を締結した。これらの覚書内容は次のとおり:(1)犯罪人引き渡し条約、(2)中華人民共和国商務部とスリランカ開発戦略・国際貿易省との間の覚書、(3)技術協力合意、(4)腎臓検査機搭載車両導入プロジェクト(5)中国開発銀行とスリランカ中央銀行との間の覚書、(6)南部高速道路の第二フェーズに係る覚書、(7)中国国家科学財団によるスリランカ科学財団への研究資金支給に係る覚書。
両首相はまた、自由貿易協定についても話し合い、中国側はハンバントタ港プロジェクトの第二フェーズ支援も約束した。なお、ウィクラマシンハ首相の招待に応える形で、李首相は来年にも二国間関係をさらに強化させるべく、スリランカを訪問したい意向を表明。双方はまた、互いに関心のある地域的問題についても話し合った。同日、ウィクラマシンハ首相は、張徳江全国人民代表大会常務委員会委員長とも協議を行った。
8日、ウィクラマシンハ首相と協議を行った習近平中国国家主席は、コロンボ・ポートシティー建設再開の決定を歓迎する旨を表明。また、中国政府は今後、スリランカへの金融支援を強化する、中国企業のスリランカ投資も呼びかけると述べ、スリランカに腎臓専門病院を建設する旨も約束した。これに対し、ウィクラマシンハ首相は中国政府にこれまでの支援に謝意を述べた。
この他、習中国国家主席は中国のスリランカとの関係は第三国に危害を加える目的はないと述べ、スリランカ及び中国双方は、習近平中国国家主席の国際貿易の拡大を図る「一帯一路」のビジョンは両国に利益をもたらす旨を強調した。
ウィクラマシンハ首相にはサマラウィーラ外相、デシルバ交通・民間航空大臣、アムヌガマ特別事業大臣、ハキーム都市計画・上水大臣、プレマダーサ住宅・建設大臣、サマラウィクラマ開発戦略・国際貿易大臣、エカナヤケ首相府次官及びマヘンドラ中央銀行総裁ほかが同行した。
(3) サマラウィーラ外相の豪州訪問
サマラウィーラ外相が4日~6日の日程で豪州を訪問。豪州に現政権の閣僚が訪問したのは今回が初めて。同外相はビショップ豪外相と2国間関係強化に向けて協議を行い、スリランカは豪州の「人身密輸」(human smuggling)根絶への努力に協力する旨を伝え、また、豪州と経済及び貿易の関係がさらに強化されることへの期待を表明した。
(4) 独・南アジア友好議員連盟の来訪
6日~9日の日程で独・アジア友好議員連盟がスリランカを訪問し、7日、デシルバ外務副大臣と協議を行った。同副大臣は現政府の民主主義促進、和解促進及び経済開発に向けた取り組みを説明。議員連盟は、スリランカ政府の取り組みを評価する見解を示した。
(5) ラトナヤケ治安・南部開発大臣他の米国訪問
ラトナヤケ治安・南部開発大臣及びラヴィンドラ・フェルナンド国家危険薬物抑制委員会(National Dangerous Drugs Control Board)委員長が、4月19日~21日の間、ニューヨークの国連本部で開催されている国連総会特別セッション、「世界の薬物問題」に出席すべく、米国を訪問中である(19日付政府公式ニュースサイト)。これを受け、シリセーナ大統領はスワミナダン刑務所改革・復興・再定住・ヒンドゥー教大臣を治安大臣代理として任命。タミル人が警察を管轄下に置く省の大臣として任命されたのは36年ぶりである。
(6) マルゴット・ヴァルストローム・スウェーデン外相の来訪
ヴァルストローム・スウェーデン外相が24~26日の間、スリランカを公式に訪問。25日、サマラウィーラ外相と協議を行った後、記者会見でスリランカの国際社会との関係を深める政策を歓迎すると述べた。また、スウェーデンはインフラ、グリーン・テクノロジー、IT、交通機関といった分野で協力することができると述べ、今後の二国間関係強化に向けた期待を述べた。同外相は26日、シリセーナ大統領を表敬。シリセーナ大統領はスウェーデンのこれまでのスリランカの開発支援に謝意を示し、スリランカで広がっている腎臓病を食い止めるべく行う調査への支援を求めた。これに対し、ヴァルストローム外相は、すでにスリランカのラジャラタ大学と共に、スウェーデンのウプサラ大学及びカロリンスカ医科大学が特別プロジェクトの実施を行っていると述べた。また、シリセーナ大統領は北部・東部の若者に向けた職業訓練所の設置に向けた支援を要請し、スウェーデン投資家のスリランカ投資を呼びかけた。ヴァルストローム外相は、スウェーデンはEUによるスリランカへの一般特恵制度(GSP)プラスの適用の復活に向けて、可能な限り支援すると約束。
(7) ラージャパクサ前大統領のタイ訪問
ラージャパクサ前大統領は23日、文化イベントに出席するため、タイに向けて出発した。同前大統領にはピーリス前外相が同行しており、今回のタイ訪問はラージャパクサ前大統領が2015年1月の大統領選挙で敗れて以来、初の国外訪問となる。
(8) タイ王国軍国防総参謀長率いる武官団の来訪
26日、ソンマイ・カオティラ・タイ王国軍国防総参謀長率いる武官団が、グナティラカ・スリランカ軍国防参謀長の招待で3日間の公式訪問のためにスリランカに到着した。同武官団は今後、シリセーナ大統領、ウィクラマシンハ首相、ウィジェワルダナ国防担当国務大臣、ヘッティアーラッチ国防省次官を表敬し、キャンディーの仏歯寺及びアヌラーダプラを訪れた。
(9) パキスタン防衛大学一行の来訪
24日より5日間の予定で、パキスタン防衛大学の一行が当地を来訪。スリランカとの関係強化に向け、経済、国内政策、外交政策について理解を深めることを目的としている。
(10)仏海軍艦船によるコロンボ港親善寄港
29日,仏海軍艦船「アコニト」がコロンボ港に寄港した。同日,グラモント船長は,デシルバ・スリランカ海軍西部管区司令官に表敬した。また同船長は記者会見で,スリランカと仏は,インド洋に関して共通の関心(concerns)を有していると述べた。同船は5月5日に出航した。
(11)米国がシンハラ・タミル正月に向けたメッセージを発表
ケリー米国務長官が、オバマ大統領に代わり、シンハラ・タミル正月に際するあいさつを送り、スリランカの過去1年の成果はスリランカの和解、寛容(tolerance)、及び平和へのコミットメントを示しており歴史的であるとしてスリランカを称えた。
(12)スリランカ海軍、米グアム島で訓練を受ける
20名のスリランカ海軍の潜水士が、4月7日~17日の間、米グアム島で米海軍から水中に残された不発弾の処理についての訓練を受けた。
(13)第12回米・スリランカ貿易・投資枠組協定会合
28日,パワー米国連代大使は,本件会合(於 ワシントン)の冒頭で挨拶し,米国は,恒久平和,民主主義,国際社会との新たな関係作り及び全ての国民に対する機会の提供に向けて尽力するシリセーナ政権を支援することにコミットしている,スリランカ国民が経済発展を希求している中,本日の会合で合意される予定の合同行動計画は,貿易・投資拡大,雇用創出,収入拡大,生活の質の改善に資するであろうなどと述べた。一方,サマラウィクラマ開発戦略・国際貿易相は,スリランカ製品による米国市場へのアクセス拡大に係る支援を求めた。
(14)スリランカ産魚介類の対EU禁輸措置の解除
欧州委員会(EC)は21日、スリランカの違法漁業対策に改善が見られるため、2015年2月に課されていたスリランカ産魚介類の対EU禁輸措置の解除を決定したと発表した。
(15)国際通貨基金(IMF)による対スリランカ融資
28日,IMFミッションのシュナイダー代表は,スリランカ政府とIMFは,今後3年間にわたる15億ドルの融資に仮合意した,同仮合意は,スリランカ政府が必要な事前の措置を取り,6月初旬のIMF理事会で承認されれば,最終合意となる,また,最終合意となれば,そのほかのマルチ・バイの融資も続くため,総支援額は約22億ドルに達する旨発表した。シュナイダー代表はまた,IMFは同融資を供与しつつ,政府による税制改革などを通じた財政状況の改善を後押ししていく旨述べた。
(16)国連特別報告者の来訪予定
スリランカ政府の招待により、モニカ・ピント「司法の独立」国連特別報告者(Special Rapporteur on the Independence of Judges and Lawyers)及びユアン・E・メンデス「拷問」国連特別報告者(Special Rapporteur on Torture and Other Cruel, Inhumane or Degrading Treatment or Punishment)が4月29日~5月7日の予定で当地を来訪予定。メンデス「拷問」特別報告者は2010年以来、2度目の来訪であり、ピント「司法の独立」国連特別報告者にとっては、初の来訪となる。二人の報告者は、コロンボの他にも、北部州、北中部州、東部州、中央州及び南部州の訪問を予定している。