当国情勢

平成28年4月1日

2016年3月1日 - 3月31日

1 内政

(1)      憲法改正に向けた動き
 9日、憲法制定議会設置動議が承認された。同動議には運営委員会等の設置が記載されている。また、元の動議案では運営委員会委員長は首相が務めることとなっていたが、これが国会議長が務めることに修正されたほか、同議会が完全に議事規則(standing order)にしばられないとされていた点が、議事規則に沿って活動すると修正された。今後、同議会は新憲法草案を3分の2の賛成を得て可決すれば、同草案を閣議に提出し、その時点で解散される。また、同草案が議会内で3分の2の賛成を得ることができなかった場合も解散される。

(2)      情報公開法を巡る動き
 24日、カルナティラカ国会改革・マスメディア大臣が情報公開法を国会に提出した。

(3)      アマラトゥンガ観光開発・キリスト教大臣の土地大臣兼任
 2日、アマラトゥンガ観光開発・キリスト教大臣が土地大臣も兼任することが決定し、大統領府で就任宣誓を行った。

(4)カルナナヤケ財務大臣に対する不信任案
 統一野党は24日、カルナナヤケ財務大臣への不信任案をジャヤスーリヤ国会議長に提出した。同不信任案には37名の国会議員が署名を連ねている由。同様の不信任案は11月27日にも44名の署名と共に提出されていた。

(5)アスギリヤ派大僧正の死去
 9日、アスギリヤ派大僧正がキャンディー病院のICUで治療を受けてたが、死去した。享年96歳であった。政府は、国葬が行われる13日を「服喪の日」として決定した。

(6)新中央州知事の就任
 17日、大統領府でニルカ・エカナヤケ氏(元ジャーナリスト)が新中央州知事として就任宣誓を行った。中央州知事のポストはスランガニ・エラワラ前知事が死去したため、空席となっていた。

(7)テロの脅威
 ヘッティアーラッチ国防省次官は23日、当地諜報機関が国際テロ組織を名乗る団体から非通知の電話を複数回受けたため、バンダラナヤケ国際空港の警戒レベルを引き上げ、また、陸・海・空軍及び諜報機関を同空港に派遣したと発表。

(8)閣議が高速道路(高架橋)の建設を承認
 閣議は2日、今後2年でケラニヤとコロンボ港を繋ぐ高速道路(高架橋)及びケラニヤとラジャギリヤを繋ぐ高速道路(高架橋)を建設することを承認した。同事業はアジア開発銀行の資金で行われる。

(9)北部州ジャフナ市開発
 閣議は、戦略的都市開発計画(strategic cities development project)を通し、ジャフナ市の開発を行うことを承認した。同案はラナワカ・メガポリス・西部開発大臣により提出されていたもの。本件プロジェクト下ではすでに、世界銀行からのローンを使い、中央州キャンディー及び南部州ゴールの開発が始動している。

(10)全土での停電
13日、スリランカ全土で大規模停電が起こった。スリランカ全土規模の停電はこの6ヶ月で3度目であり、つい2週間前にも大規模停電が起こったところであった。13日の停電により、アンバターラ及びビヤガマの浄水施設が数時間稼働不能となり、コロンボへの水供給も制限される事態となった。これを受けてウィジェパーラ・セイロン電力庁会長が責任を取って辞職の意を表明。しかしながら、14日、シヤンバラーピティヤ電力・再生可能エネルギー大臣は同会長の辞職願の受理を拒否した。
シリセーナ大統領は14日、電力庁全ての発電施設に軍を派遣。同日、シリセーナ大統領は特別委員会を設置し、電力不足といった問題に対処しつつ、どのように全国に電力を供給できるかの提言を政府に提出するよう指示。この特別委員会はシヤンバラーピティヤ電力再生可能エネルギー大臣、ラナワカ・メガポリス・西部開発大臣、プレマジャヤンタ科学・技術・研究大臣、ラトナヤケ治安・南部開発大臣、ウィクラマラトネ国営企業開発副大臣、ペレーラ電力・再生可能エネルギー副大臣で構成されている。同委員会の第一回報告書は一週間以内に大統領に提出される予定。

(11)与野党の動き
ア 統一人民自由連合(UPFA)幹事長の任命
 UPFAは8日、アマラウィーラ漁業・水産資源大臣をUPFA幹事長に任命した。
イ UNPの反野党勢力大規模集会
 統一国民党(UNP)が率いる国家青年前線(National Youth Front)及び若手国会議員らが15日、統一野党がスリランカの開発政策をサボタージュしているとして大規模な反対集会を開いた。同集会ではフォンセカ州開発大臣、フェルナンド通信・デジタルインフラ大臣、セーナシンハ国際貿易担当国務大臣等が演説した。また、プレマダーサUNP副党首が参加者に対し、現政府が国民への約束を果たすまで、もう少し時間が欲しいと伝えた。なお、同集会にはウィクラマシンハ首相も参加したが、聴衆への演説は行わなかった。
ウ 統一野党による反政府大規模集会
 17日、統一野党による反政府大規模集会がコロンボ市内で開催された。同集会には統一野党の46名の議員が参加し、4名のスリランカ自由党(SLFP)幹部ら(vice presidents)も参加した。同集会ではラージャパクサ前大統領が演説。前大統領は、現政権は自らの無能ぶりをカバーアップするため、前政権が経済危機等を引き起こしたと批判しているとして厳しく非難した。また、前政権の経済的成果を強調し、家族が全員逮捕されようが、自分(前大統領)は政界に留まるとの強い意志を表明。また、現政府に対し、国を運営できないのであれば、自分(前大統領)に返せ、国を運営するとはどういったことかをお見せしようと述べた(If you can't run the country, give it to me, I will show you how to run it)

(12)汚職関係
ア ラシール・デシルバ大統領汚職調査委員会次官の免職
 デシルバ大統領汚職調査委員会次官(Secretary)が1日、同地位を免職され、過去に大統領失踪者調査委員会の次官を務めていたH.W.グナダーサ氏が同委員会次官として任命された。
イ ヨシータ・ラージャパクサ海軍大尉の再拘留及び保釈
 ラージャパクサ前大統領の次男であり、拘留中のヨシータ・ラージャパクサ海軍大尉は10日、24日まで再拘留されることとなった。同大尉はTVチャンネルのカールトン・スポーツ・ネットワーク(CSN)の汚職への関与が疑われている。同海軍大佐は、46日間拘留された後、14日に保釈された。
ウ 国際的資金洗浄に関与したとされる団体に日本から送金がされる
 中国人ハッカーが米国連邦準備制度が所有しているバングラデシュの資金2000万ドルをスリランカNGO、シャリカ財団に送金するように操作した事件を受け、警察犯罪捜査局(CID)が同財団を調査したところ、同財団の口座宛に2月4日付けで2千万ドルがサスキ・タダシ氏より「JAICA (ママ) 円借款:地方の電化促進プロジェクト」(JAICA loan for a Rural Electrification Up-grading Project)と題され送金されていたことが発覚した。
エ ジャヤスンドラ前財務省次官への汚職疑惑を巡る動き
 ジャヤスンドラ前財務省次官が大統領汚職捜査委員会(PRECIFAC)に4月1日に召喚されることが決定した。同氏には、貧困撲滅プロジェクト用の資金をバシル・ラージャパクサ元経済開発大臣の国内便の費用に当てていたとされる汚職事案への関与が疑われている。
オ 閣僚の外遊費についての調査指示
 6名の大臣が外遊中に公費を乱用していたとの指摘を受け、シリセーナ大統領はこれらへの調査を指示した。

(13)ボート移民の逮捕
 5日、スリランカ海軍は不法入国を目的として豪州を目指していた17名搭乗のボートを南部州ゴール県沖で拿捕した。
 
2 国民和解

(1)司法メカニズム設置に向けた動き
ア シリセーナ大統領の発言
シリセーナ大統領は18日、国家司法会議(National Law Conference)で、スリランカへの人権侵害疑惑への捜査に外国人判事の参加は絶対に認めないと述べた。また、当地の裁判官や司法システムに自信を持っているため、外国人判事の必要性はないとも述べた。
イ フォンセカ州開発大臣の発言
 フォンセカ州開発大臣(元帥)は10日、国会で「白旗事件」を含む、内戦中の人権侵害疑惑に関する捜査は透明性があり、なおかつ国際社会から受け入れられる形で行わなければならないと述べた。また、この捜査には外国人立会人やコンサルタントからの支援・関与を求めるべきだとも指摘した。また「白旗事件」については、北部・東部の住民、スリランカ国民及び国際社会は真実を知る権利があるとも述べた。さらに、大統領と首相に対し、失踪中の風刺画家のエクネリゴダ氏、事故死と見せかけられていたラグビー選手・タジュディーン氏、暗殺されたウィクラマトゥンガ・タミル国民連合(TNA)議員及び同じく暗殺されたサンデーリーダー紙のウィクラマトゥンガ編集長といった、注目を集める事件の捜査への進展を求めた。

(2)国家統一局(ONUR)の動き
 ONURが「和解に向けた国家政策」(National Policy on Reconciliation)の作成に取り組み始め、これに関するワークショップが先週開催された。

(3)      テロ防止法修正を巡る動き
 司法局(Law Comission Department)は2日、人権保護を反映した形に修正されたテロ防止法修正草案をラージャパクサ司法・仏法大臣、サマラウィーラ外相及びサマラウィクラマ開発戦略・国際貿易大臣に提出した。
 
(4)元LTTE兵士の釈放
 10日、ジャフナ高裁は、5年間拘留されていた元LTTE兵士を釈放した。この元兵士には2000年にエレファント・パスの政府軍基地への攻撃に関与したとの嫌疑が掛けられていたが、警察は、元兵士がLTTEの諜報部にいたとして取り調べを行ったものの、これに基づいた捜査を行なっていなかった。そのため、ジャフナ高裁が警察が必要な捜査・手続きを怠ったと判断したもの。また、30日には、7名の元LTTE兵がプントータム社会復帰センターから釈放された。これにより、社会復帰センターに収容中の元LTTE兵数が38名(内、女性1名)となった。

(5)再定住関連
ア 対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約(オタワ条約)締結に向けた動き
サマラウィーラ外相とスワミナダン再定住大臣が提出していた、オタワ条約締結の提案が閣議で承認された。
イ ジャフナ県パラリー地区HSZ内での宗教行事の遂行
 治安部隊本部は7日、地域住民がジャフナ県パラリー地区の高度警戒地域(HSZ)内にあるマナンピライ・ピレヤー寺院及びナガ寺院の28年ぶりの宗教行事に参加できるよう、参拝者のHSZへの立ち入りを許可した。
ウ 土地の返還
(ア)シリセーナ大統領は13日、北部州ジャフナ県テリパレイで行われた式典に出席し、これまで軍が占拠していた計701エーカーをテリパレイ地区の650家族及びコーパイ地区の50家族に返還した。同式典で、シリセーナ大統領は、和解に関与する人々は(reconciliation representatives)は北部だけではなく、南部も訪問するべきであり、北部の住民と同様に南部の住民も和解プロセスにつき教育を受けるべきであると発言。また、政府は北部及び南部の住民全ての人権を守る心づもりでいることを強調した。さらに、同大統領は、政府は北部の国内避難民の再定住を優先課題として取り組むとも述べ、南部の一部の過激派が北部の再定住促進について声を上げているが、彼らは北部に来て、キャンプに住んでいる貧しい国内避難民の状況を見るべきだとも述べた。
(イ)27日、東部州サンプール地区の元海軍訓練施設所有地であった177エーカーの土地の返還が行われた。返還式にはサンバンタン野党代表、スワミナダン再定住大臣、ヘッティアーラッチ国防省次官及びウィジェグナラトナ海軍司令官が出席した。
エ 北部州議会の決議
 北部州議会は、同議会の承認無しに行われている、いかなる再定住家屋建設プロジェクトにも反対する意向を示した決議を24日に採決した。同決議には、北部州議会は政府が建設を表明している北部・東部州の全65,000戸の家の建設を承認しておらず、また、同事業は継続されるべきでは無いと記されている由。また、軍によって北部州ワンニ地区で建設準備が進められている「和解村」の建設にも反対を表明。同村にはスリランカ軍に勤めるタミル女性兵士及びタミル女性と結婚したスリランカ軍兵士及び複数の子供を持つ兵士の家族のために計51家屋が建設される予定である。

(6)TNA、新委員会を設置
 TNAは政府と民族問題について交渉するための委員会を6日に設置した。同委員会の9名の委員はサンパンタンTNA議員団長により任命された。

(7)国連元職員に対する拷問疑惑
 Farhan Haq国連事務総長副報道官は、スリランカで務めていた国連職員が「白いワゴン」に連れ去られ、拷問を受けたとのステートメントをOHCHRに提出したとして、同事案への捜査を行うことを発表した。同職員は印タミルナドゥ州チェンナイに亡命中である。
 
3 外交

(1)スリランカ・中国関係
ア サマラウィクラマ開発戦略・国際貿易大臣及びラトナヤケ南部開発・治安大臣の中国訪問
先月29日から中国を訪問中のサマラウィクラマ開発戦略・国際貿易大臣(UNP幹事長)及びラトナヤケ南部開発・治安大臣(UNP国際局長)が中国共産党国際局のSong Tao大臣及びCheng Fengxiang副大臣と協議を行い、UNPと中国の関係強化を行うことで同意した。今後、UNPの若手及び幹部が中国を訪れ、中国共産党の仕組みについて勉強することも予定されている由。同協議でサマラウィクラマ開発戦略・国際貿易大臣は、スリランカで中国投資を増加させるべく準備が進んでいるとも言及した。
イ ペレーラ国家政策・経済担当国務大臣の中国訪問
ペレーラ国家政策・経済担当国務大臣が9日、中国政府の招待で、中国に向けて出発した。同訪問は2国間のさらなる関係強化を図ることを目的としており、同国務大臣には国会議員数名、国家青年軍団(National Youth Corps)、国家青年サービス評議会(National Youth Services Council)、小規模企業開発機関(Institute of Small Enterprises Development)、青少年議会(Youth Parliament)の議員、青少年クラブ連盟(Federation of Youth Clubs)、国家青少年スポーツ大会メダリスト及び若手のプロフェッショナルといった若者が同行。
ウ コロンボ・ポートシティー建設計画継続の承認
(ア) サマラウィクラマ開発戦略・国際貿易大臣一行の中国訪問の直後、閣議でコロンボ・ポートシティー建設計画継続は承認された。閣僚委員会(cabinet committee)が、同計画の再開には環境影響評価(Environmental Impact Assessment)が提示した条件を受け入れることを提言しており、これを受けてウィクラマシンハ首相が同計画を今月15日から6ヶ月延長する旨のプロポーザルを閣議に提出、これが承認された。
(イ) コロンボ・ポートシティーの建設計画が、中国港湾工程(China Harbor Engineering Company:CHEC)とスリランカ政府の合同事業として再開されることが決定した。また、同計画の土地は、99年間、CHEC側に貸し出されることになる。
エ Gao Shuxun雲南省上級顧問一行の訪問
 Gao Shuxun雲南省上級顧問が率いる一行が雲南省のPRのためにスリランカを訪問。バディュディーン産業・商業大臣と協議を行い、6月に開催される第24回雲南省昆明市フェアへの招待状を手交した。同協議でバディュディーン大臣はスリランカ政府は中国政府と自由貿易協定を結ぶことにとても前向きであると述べた。同一行はスリランカの他にもシンガポールとモルディブを訪問。
オ ウィクラマシンハ首相の中国訪問予定
 ウィクラマシンハ首相が、中国を4月6日に訪問予定。2国間関係強化に向けた協議のために、習近平国家主席及び李克強国務院総理と協議を行う予定。

(2)エルハジ・アマドゥ・シィ国際赤十字連盟事務総長の来訪
 エルハジ・アマドゥ・シィ国際赤十字連盟事務総長が3日、シリセーナ大統領を表敬。シリセーナ大統領は、当地では和解についての議論がされると国際社会は北部・東部に焦点を当てるが、南部の住人も和解の枠組に含まれるべきである、特に若い世代は興味を示していると述べ、和解は国内から行われるべきものであり、国外から誘発されるものでは無いとの見解を示した。シィ国際赤十字連盟事務総長は、2日に訪問したジャフナでは地域住民の生活環境に大きな好転が見られたと述べ、国際赤十字連盟が北部で携わってきた再定住プロジェクトについて説明。これに対し、シリセーナ大統領は、同連盟の当地でのこれまでの活動に謝意を示した。

(3)      サマラウィーラ外相のジュネーブ訪問
サマラウィーラ外相は2日、ジュネーブで開催されている民主主義国家の統治評議会(Governing Council of the Community of Democracies)で、現政権のこれまでの功績を強調し、和解と開発を同時進行させる考えを説明。また、民主主義、人権、全市民の平等を基本とした新憲法を起草中であり、テロ防止法の見直しも進行中であると指摘。現政権は国連や国際社会と近い協力関係を保っており、この協力関係及び国際社会からの継続した支援はスリランカの今後に必要不可欠である旨を述べた。
また、スリランカのような国で民主主義が強化されるには、全利害関係者が国の開発から恩恵を受けていると感じ、また、生活が向上していると感じなければならない、平和を達成するには、スリランカ全土で仕事、教育、ヘルスケア、インフラ整備の充実、及び政治改革が必要であると発言。国民が和解、平和、民族間ハーモニーの受益を感じなければならず、これは早期に行われなければならないと述べた。
なお、サマラウィーラ外相とディディエ・ブルカルテール・スイス外相が、2国間関係強化に向けた一環として、2国間のダイアローグを強化するといった内容の覚書を締結した。

(4)      マムヌーン・フセイン・パキスタン大統領の当地来訪
 フセイン・パキスタン大統領が8日インドネシアへの公式訪問後、パキスタンに向かう途中にスリランカに立ち寄り、シリセーナ大統領を表敬した。

(5)      Somid Jatsusripitakタイ副首相の当地来訪
Jatsusripitakタイ副首相が8日に5日間の公式訪問のためにスリランカに到着。9日、サマラウィーラ外相と2国間の経済・貿易関係につき協議し、ビジネス関係強化に向けた3つの覚書を締結した。また、Jatsusripitakタイ副首相は10日、コロンボ・ビジネス・フォーラムで、スリランカとの自由貿易協定への意欲を示した。
同副首相は、同日、シリセーナ大統領を表敬し、同じ上座部仏教を信仰している国として、宗教的関係強化についての協議を行った。シリセーナ大統領はタイとの宗教的関係強化に向けて、仏陀の遺品(Sacred Buddha Relics)を提供した。

(6)      サマラウィーラ外相の韓国訪問
 サマラウィーラ外相及びアトゥコーララ海外雇用大臣が韓国を訪問。両大臣は11日に、ユン・ビョンセ韓国外相と協議を行い、韓国へさらに多くのスリランカ人労働者を送りたい旨を伝えた。韓国ではすでに42,000名以上のスリランカ人が働いている。同協議では、二国間関係強化についても協議された。また、北朝鮮の原子ミサイルについても協議され、スリランカ側は韓国側を継続して支援する旨を表明した。

(7)      エヴァン・ミミカEU国際協力・開発局長のスリランカ訪問
ミミカEU国際協力・開発局長がスリランカを15日~17日の間、公式に訪問した。15日、同局長はサマラウィーラ外相を表敬し、EUの一般特恵関税(GSP)プラスの復活や水産品輸出のEU禁止の解除の向け、協議を行った。その後、外相は、ミミカ局長と共に新EU大使館開設記念式典に参加した。
ミミカEU国際協力・開発局長はメディアに対し、EUがスリランカで行っている事業を見直すと述べた。また、スリランカ政府はGSPプラスの復活を申し入れる申請をまだ出していないと述べ、スリランカ政府は同申請を、持続可能な民主国家を設立してから行うべきだとの見解を示した。なお、同局長は今後EUが3800万ユーロをウーワ州及び中央州開発に向けて支援し、さらに、2億3000万ユーロをローンとして貸し出すと述べた。財務省プレスリリースによると、EUは国家水供給・下水道委員会に対し、570万ルピー相当の技術支援を行うことにも同意した由。

(8)  サマラウィーラ外相の第37回SAARC閣僚会議出席
 サマラウィーラ外相が17日、ネパールのポカラで開催されたSAARC閣僚会議に出席し、スリランカによるSAARCへの継続したコミットメントを表明。SAFTA下の貿易は増えつつあるものの、SAARC加入国間の貿易はまだまだであり、南アジアの地域的協力は同地域の成長に重要になってくる等述べた。

(9) ウィジェワルダナ国防担当国務大臣のシンガポール訪問
 ウィジェワルダナ国防担当国務大臣が18日、シンガポールで開催されたアジア海賊対策地域協力協定(Regional Cooperation Agreement on Combating Piracy and Armed Robbery against Ships in Asia: ReCAPP)の10周年記念式典に出席。同式典はシンガポール政府が開催したもの。

(10) ウィジェワルダナ国防担当国務大臣の訪印
 ウィジェワルダナ国防担当国務大臣は27日、防衛エクスポ(Defexpo)に参加するために印を訪問し、スリランカ海軍の注文で製造中の大型哨戒艦(Advanced Offshore Patrol Vessels)2隻の視察を行った。同視察にはヘッティアーラッチ国防省次官及びデシルバ大尉が同行し、同哨戒艦を製造しているゴア・シップヤード社と進展具合につき協議を行った。

(11)スリランカ交渉団のブリュッセル訪問
 EUの魚介類輸入禁止措置解除に向けた協議を行うため、スリランカ政府から30日、外交団がブリュッセルを訪問した。

(12)オマーン軍艦船の親善寄港
 8日、オマーン軍艦船「サダー」(Sadah)がコロンボ港に親善寄港し、スリランカ海軍の歓迎を受けた。同選管は11日にコロンボ港を出港。

(13)米第7艦隊旗艦「ブルー・リッジ」の寄港
 26日、米第7艦隊旗艦「ブルー・リッジ」がコロンボ港に寄港。シリセーナ大統領は28日に同旗艦を視察した。

(14)日本による支援
ア 日本の地雷除去支援
1日、日本政府は、草の根・人間の安全保障無償資金協力「スリランカ北部州及び北中央州における地雷除去計画」により、北部州で地雷除去を行っている、DASH及びMAGに対し、1億7700万ルピー相当の資金を供与し、この署名式が日本大使館で行われた。
イ 北部州学校支援
 日本政府は、草の根・人間の安全保障無償資金協力「ジャフナ県セント・テレサ女学校建設計画」及び「ジャフナ県ムトゥタンビ学校建設計画」として、北部州ジャフナ県の教育環境改善のために計2600万ルピーを供与することを決定し、2日、ジャフナにて署名式が開かれた。
ウ JICAのバンダラナヤケ国際空港拡張事業
 スリランカ政府がJICAからの円借款により、バンダラナヤケ国際空港拡張事業を開始することが決定され、同署名式が28日に行われた。

(15)印による支援
ア ジャフナ空港のアップグレードへの印関与
 5名の印チェンナイ空港局(Airport Authority)の技術職員がスリランカを訪問し、ジャフナ空港を視察。新たな土地の獲得を行わずに同空港を国際空港にアップグレードさせることが可能であると結論づけた。
イ 印・スリランカ覚書の締結
 30日、印が北部州ムライティブ県の漁師らに漁船150隻を提供するとの内容の覚書が結ばれた。

(16)独が北部州ジャフナ県の職業訓練所設置を支援
 7日、サマラシンハ技術開発・職業訓練大臣は、北部州ジャフナ県に新たに設置された職業訓練施設のオープンを宣言した。同訓練施設は独政府の支援を受けて設置されたものであり、同記念式典にはクーレイ北部州知事及びドーマン独公使が出席した。

(17)クウェートによる支援
 アラブ経済開発クウェート財団(Kuwait Fund for Arab Economic Development KFAED)は3400万米ドル相当の資金を東部大学の衛生学部の建物建設のために提供することを決定した。

(18)ゼイド国連人権高等弁務官の発言
 ゼイド国連人権高等弁務官は10日、人権理事会でスリランカについて発言。スリランカにとって、国民協議を行い、包括的な移行期の正義プロセスを形作る、次の数ヶ月が重要になると述べた。また、被害者の声を汲み取るためにも、同プロセスには被害者や関係者への監視や威圧が無いなかで、行わなければならないと指摘。国歌をタミル語でも斉唱するなど、政府は和解に向けて強力で象徴的な対応(powerful and symbolic gesture)をとっているが、軍が占拠している土地の解放、勾留者問題の見直し、失踪者問題の解決といった課題にはもっと進展が見られなければならないと述べ、スリランカの進展に関しては6月の人権理事会で詳しく述べるとした。

(19)各国大使の北中部州ポロンナルワ県の視察
 シリセーナ大統領の招待で、14日、当地の各国大使がポロンナルワ県の内戦影響地域及び生活環境の視察を行った。また、1992年にLTTEにより243名が虐殺されたパリヤゴデラ・モスクを訪問した。同視察には、独、仏、豪、印、日本、ノルウェー、クウェート、蘭、スイス、イラン、伊、インドネシア、カタール、パキスタン、ブラジル、キューバ、トルコ、エジプト、モルディブ、ナイジェリア、セーシェル、ルーマニア、ベトナム、南アフリカ、パレスティナ、UAE、オマーン、加、リビア、ミャンマー、アフガニスタン、韓国の大使が参加した。

(20)スリランカ投資サミット2016の開催
 民間企業の主催によるスリランカ投資サミット2016が15日からシンガポールで開始された。同サミットでは、カルナナヤケ財務大臣、マヘンドラ中央銀行総裁、デシルバ外務副大臣、ウィクラマラトネ国営企業開発副大臣が講演した。

(21)スリランカ政府が豪州に対し移民・難民の人権尊重を要請
 豪州が第31回国連人権理事会の普遍的・定期的レビュー(Universal Periodic Review outcome)を承認したことを受けて、スリランカ政府代表は豪州が移民・難民の人権を尊重するように呼びかけた。

(22)キューバ・スリランカ友好議員連盟の発足
 29日、キューバ・スリランカ友好議員連盟(Sri Lanka - Cuba Parliamentary Friendship Assosication)が発足した。

(23)露の飛行機墜落を受けた弔辞
 スリランカ外務省は23日、19日にフライ・ドバイ便FZ981が露で墜落したことを受け、弔意を表明。

(24)ブリュッセル・テロを受けた弔辞
 シリセーナ大統領は22日、ブリュッセルでのテロ発生を受け、弔辞を発表。同じくテロにより30年近く苦しんだスリランカは、テロ撲滅に向けて最大限協力する心づもりであると表明した。

(25パキスタンでのテロを受けた弔辞の発出
 シリセーナ大統領は28日、パキスタン、ラホールにおけるテロ事件を受けて、弔意を表明。市民をターゲットとした全てのテロ行為を強く非難した。