当国情勢

平成28年2月1日

2016年1月1日 - 1月31日

1 内政

(1)年始にあたり仏歯寺を訪問した大統領のコメント
1日,仏歯寺を訪問した後,シリセーナ大統領は記者団に対し,2016年の自身の抱負は,貧困撲滅に向けた各種事業の実施及び全関係者に受け入れられる新憲法の起草であると述べた。また昨年の実績として,就任100日計画を通じて人々の生活苦を緩和し,また前政権による恐怖政治を終わらせ,さらに第19次憲法を可決させて大統領の権限を縮小するとともに,独立委員会の独立性を確保したことなどを挙げた。

(2)シリセーナ大統領就任1周年記念式典
8日,コロンボのバンダラナイケ記念国際会議場(BMICH)で,「一つの国・偉大な力」と題し,大統領の就任1周年記念式典が開催されたところ,概要以下のとおり。
ア シリセーナ大統領の演説
憲法改革に関して,野党は,国が二分され,仏教が破壊され,軍が弱体化されると根拠のない噂を流しているが,本件改革は,むしろ,国の一体性を確保し,仏教の地位を強化し,国民和解,民族調和及び経済発展を前進させるためのものである。
今後4年の任期は,開発,和解,補償及び全民族にとって安全で,強く安定した国づくりに捧げたい。各国要人などから,憲法改革の結果,5年の任期終了後,大統領の権限が弱められる見通しだが,自身の立場についてどう考えているのかと聞かれる。しかし,自らのことは心配していない。5年後のスリランカのことだけを考えている。
野党政治家は,政府はこの1年間,何もしていないと言うが,我々が達成した最大の成果は民主主義,良い統治及び法による統治の回復である。政府は,第19次憲法修正を可決させ,司法委員会,警察委員会,人権委員会,選挙管理委員会など9つの独立委員会の独立性を確保した。こうした成果をバン国連事務総長や各国首脳は絶賛してくれた。政府は汚職や縁故主義を終わらせ,スリランカの今後の発展の土台を築いた。
政権発足1年目は選挙の年であった。今後4年間は,発展,幸福及び満足の年になる。政府は,民族や出身地にかかわらず全ての国民が,発展と平和の恩恵をこうむることができるようにする。残念ながら,紛争終了から5年たった今も,国民は,平和の利益を完全には享受できておらず,新政権はこの状況を是正したい。
イ ウィクラマシンハ首相の演説
明日,国会で,新憲法を起草するための憲法制定議会設置動議が審議される。新憲法は,スリランカを発展した,技術力のある,高収入の,環境に配慮した「スマート・ネーション」に変貌させるために必要なのである。異論もあるだろうが,前に踏み出して他国とともに繁栄するか,取り残されて枯れ果てるか,決断しなければならない。
統一国民党(UNP)とスリランカ自由党(SLFP)という二大政党による国家統一政府は,きわめてユニークな政治現象である。先週,当地を訪問した シャリフ・パキスタン首相やジョージ・ソロといったビジネス関係者らもこの政権が続けば,スリランカは5年間で大きく発展すると述べていた。まさにシリセーナ大統領こそが,この国家統一政府を実現したのである。

(3)憲法改正を巡る動き
9日,ウィクラマシンハ首相は,憲法制定議会設置動議を国会本会議に提出。また,この機会に,シリセーナ大統領が特別演説を実施し,新憲法起草は,経済発展,国民和解及び国の一体性確保のためのものであり,幅広い層の国民の支持を求めたい旨述べた。また,新憲法起草は,一部の反政府勢力が主張するような,西側諸国の命令によるものではなく,また,スリランカにおける仏教の地位を下げたり,軍を弱体化させるものではないとした。さらに,内戦が再発した際に大統領の強権が必要となるとの意見に対して,内戦の再発に対処するより,内戦が再発しないようにすることの方が大事であると述べた。
ウィクラマシンハ首相は17日、新憲法が国を二分化することは無いと述べ、憲法改正への理解を求めた。また、新憲法に関し、国民の意見を聞くための委員会を設置すべきとの提言を昨年12月19日に閣議に提出したとも発言。24名で構成される同委員会は国内を回り、国民の意見を求めると説明し、新憲法の起草を孤立した議院内(isolated chamber)で行うのでは無く、国民の参加を促したいとした。同委員会の第一回公聴会は先週、コロンボで開催された。

(4)スリランカ・経済フォーラム2016の開会
7日,コロンボ市内のホテルで,「スリランカの持続可能で万民が参加する開発」をテーマにした本件フォーラムが開会された。本件フォーラムはウィクラマシンハ首相のイニシアティブによるもので,米投資家のジョージ・ソロ氏やノーベル経済賞受賞者であるスティグリッツ教授など,国際的な著名人が参加している。同フォーラムにおいてウィクラマシンハ首相は,我々の目的は,スリランカをインド洋で最も競争力のある国,シンガポールやドバイに匹敵する地域のメガシティとすることであり,そのためにどうすべきか考えるときが来た旨述べた。

(5)M.K.A.D.S.グナワルダナ土地大臣の病死
M.K.A.D.S.グナワルダナ土地大臣が19日に死去した。同議員はUNPのナショナル・リスト選出議員の一人である。

(6)コロンボ・ポートシティーの建設計画継続の決定
20日、ウィクラマシンハ首相が、スイス・ダボスで開かれている世界経済会議にて、コロンボ・ポートシティーの建設計画の続行を表明した。同時に、中国からのさらなる投資を呼びかけ、コロンボ・ポートシティーが完成した暁には、独立した金融・ビジネス地区となると説明し、ポートシティー内では英国企業法(UK Company Law)が適用されることになるとも述べた。

(7)SLFPの内紛
SLFPは、ディサナヤケ社会進出促進・福祉大臣を、SLFP内の情勢を調査し、分裂を防ぐための委員会の委員長に任命した。
一方、クルネーガラ県の50名以上のSLFP地方議員が25日、次期地方選挙はラージャパクサ前大統領が率いる新たな政党連合から出馬する意向を表明。

(8)国際問題委員会(Global Affairs Committee)の設置
外務省を監督し、外交政策について指示を出す国際問題委員会が首相府の下に設置された。チャリタ・ラトナヤケ元財務次官・現首相顧問が委員長を務める。これは、ウィクラマシンハ首相が先月サマラウィーラ外相、デシルバ外務副大臣、サマラウィクラマ開発戦略・国際貿易大臣、サガラ・ラトナヤケ南部開発・治安大臣、ラリット・エカナヤケ氏、エカナヤケ首相府次官、ワギシュワラ外務次官及び外務省役人らと行った協議で決めたもので,外務省を再活性化するための措置の一つ。

(9)メガポリス計画の発表
スリランカ政府は29日、所得の格差を減らし、教育、健康、生活のスタンダードを上げることを目的とした、西部地域メガポリス計画(WRMPP)を発表。

(10)汚職・暴力事件関係
ア アベイグナワルダナ元大臣の起訴
7日,独立委員会の一つである収賄・汚職捜査委員会(CIABOC)は,04~06年に4120万ルピーに上る賄賂を受け取っていた容疑で,ローヒタ・アベイグナワルダナ元ハイウェー・港湾・船舶閣外相を高裁に起訴した。CIABOCは新政権発足以来,汚職容疑で,ランブクウェラ元報道相,ジョンストン・フェルナンド元協同組合相,サジン・グナワルダナ外務省監督議員などの大物を訴追してきている。
イ ヨシータ・ラージャパクサ海軍大尉の逮捕
ラージャパクサ大統領の次男であるヨシータ・ラージャパクサ海軍大尉が30日、警察財務犯罪捜査局(FCID)により汚職の疑いで逮捕され、11日まで拘留されることが決定した。同氏にはTVチャンネルのカールトン・スポーツ・ネットワーク(CSN)の汚職への関与が疑われている。同時にロハン・ウェィヴィタ元CSN会長及びニシャンタ・ラナトゥンガ元CSN最高取締役も逮捕された。
ウ アヴァンギャルド社所有洋上武器庫を巡る動き
2015年11月に海軍がゴール港に停泊していた洋上武器庫を押収したのは違法であるとして、アヴァンギャルド社が海軍に対し、20億ルピーの損害賠償を求める訴訟を起こした。同洋上武器庫に関しては、前政権時代、契約に際し不正な手続きがあったとして、国防省とアバンギャルド社との全ての契約を無効とし、これまで同社を通して行われていた業務を全て、スリランカ海軍が引き継ぐことが決定されていた。
エ ヒルニカ・プレマチャンドラ与党統一国民党(UNP)議員の逮捕
7日夜,ウィジェティラケ検事総長は,12月21日にコロンボ市デマタゴダで発生した,34歳の男性誘拐事案に関与した容疑で,プレマチャンドラUNP議員の逮捕命令を発出。被害者の男性は議員本人が誘拐に関与していたと主張する一方,プレマチャンドラ議員はそれを否定し,男性が自身の支持者の妻と不倫関係にあったことについて男性と話をしただけだと反論していた。しかし,議員が誘拐現場にいたという目撃証言や,議員と誘拐に関与した支持者らとの通話記録から,議員の関与が明白となり,今次逮捕命令に至った。なお,8日,ウィジェティラケ検事総長は,定年退職した。
そして9日,警察は,本件誘拐を教唆,支援した容疑でプレマチャンドラ議員を逮捕した。同議員は,コロンボ治安裁判所の判断により,同日,保釈された。
 
2 国民和解

(1)      司法メカニズム設置を巡る動き
ア シリセーナ大統領のBBCインタビューでの発言
スリランカ政府は内戦時の人権侵害疑惑捜査に国際判事の支援を求める人権理決議に一度は賛成したものの、シリセーナ大統領は21日、BBCのインタビューに対し、同捜査には国際社会の関与を一切認めない考えを示した。また、当地には、同捜査に必要な専門家が十分存在しているとも述べた。OISL報告書はスリランカ軍が戦争犯罪を犯したとしたが、そのような戦争犯罪が実際にあったのかの調査が必要であるとも述べた。
イ ウィクラマシンハ首相のチャネル4インタビューでの発言
ウィクラマシンハ首相は27日、チャネル4のインタビューに対し、スリランカ政府は内戦中の人権侵害疑惑に対応するにあたり、人権理事会でなされた約束を守る意向を示した。また、シリセーナ大統領のBBCインタビューでの発言に対し、内戦中の人権侵害疑惑捜査に対する国際社会からの関与等については、まだ決定されていないと釈明した。

(2)失踪者問題
ア トリンコマリーでの捜査
コロンボ・フォート裁判所は13日、CIDに対し、11名の失踪者についての調査及び報告書の提出を3月9日までに行うように指示した。CIDは裁判所に対し、トリンコマリーでCIDにより押収された海軍のワゴンを調査したところ、同ワゴンはワッタラ地区で8年前に失踪したカップルが所持していたことが判明したと述べた。CIDは28日、コロンボ治安判事に対し、2008年にコロンボ近郊で拉致された11名の失踪者が、トリンコマリーの海軍基地内の地下留置所で拘留されていたと述べた。また、同留置所で発見された人骨が検死に回されているとも述べた。
イ 風刺画家エクネリゴダ氏の失踪事案捜査
 2010年の大統領選挙直前に発生したエクネリゴダ氏失踪事案の捜査において,ホマガマ治安判事は25日、ボドゥ・バラ・セーナ(BBS)幹事長であるガラゴダ・アッテ・グナナサラ師が捜査・司法プロセスを妨害したとして逮捕を指示し、同日、同高層が逮捕され、これに反発した僧らによる大規模な抗議行動が裁判所前で行われた。27日、ホマガマ治安判事は、これらの暴力的な抗議行動を行った関係者らの逮捕も指示。そして、28日、ホマガマ治安判事はグナナサラ師の保釈要請を却下した。

(3)ラヴィラージュ・タミル国民連合(TNA)議員殺害事件に係る裁判
06年にコロンボ郊外で発生したラヴィラージュTNA議員殺害事件に係る裁判で,4日,警察側の証人であるプリトヴィラージュ氏は,本件事件には海軍の諜報員が関与していたと証言した。同氏は東部州バティカロア県の警察官兼バイク運転手であり,命令を受けて殺害犯による海軍諜報事務所までの逃走を支援したが,事前にLTTE要員を殺害すると聞かされており,TNA議員を殺害するためであったとは知らなかったと述べた。CIDは本件事件に関して,4人の海軍人,2人のLTTEカルナ派要員を含む7人を訴追。

(4)大統領による自身を暗殺しようとした元LTTE兵士に対する恩赦
8日,大統領は,2006年にマハウェリ河開発相であった自身を暗殺しようとした容疑で逮捕され,2015年7月にポロンナルワ高裁で10年の懲役刑を言い渡された元LTTE兵士と面会し,同氏を恩赦した。

(5)ヘイトスピーチ規制に向けた動き
スマティパーラ国会副議長は12日、ヘイトスピーチを刑法犯罪と規定するための刑法修正案が撤回された旨を国会で発表。

(6)紛争中の性暴力の使用防止宣言の承認
12日、スリランカ政府は、紛争中の性暴力の使用防止宣言(Declaration of Commitment to End Sexual Violence in Conflict)を承認(endorse)することを決定した。

(7)北部州議会、新決議を可決
北部州議会は13日、海軍に占拠されているムライティブ県ムラヴァイカル地区の671エーカーの土地を再定住のために解放するように求める決議を可決した。同地区は最後の激戦地となった地域である。

(8)スリランカ人難民の帰還
19日、印チェンナイ及びマドゥライに避難していた41名の難民がジャフナ、マナー、キリノッチ、ムライティブ及びトリンコマリーに再定住するため、帰還した。同帰還はUNHCRが支援したもの。

(9)      優遇カードの配布開始
25日、首相府官邸で戦没者の家族への優遇カード(Virusara privilege card)の配布及び北部・東部の内戦の影響を受けた子供への奨学金(各5万ルピー)の支給が行われた。
 
3 外交

(1)トニー・ブレア元英首相の来訪
3日,ブレア元英首相がスリランカに到着し,1月7~8日にコロンボで開催される経済フォーラム「ウィクラマシンハ首相の2023年の経済的繁栄に向けたアジェンダ」に出席。

(2)シャリフ・パキスタン首相の来訪
4~6日,シャリフ・パキスタン首相が当地を訪問。5日,大統領府においてシリセーナ大統領の主催による公式歓迎行事が執り行われ、その後,シリセーナ大統領とシャリフ首相の立ち会いの下,両国間で8つの覚書が署名された。その中には,両国科学技術省間の覚書,保健分野での協力に係る覚書,両国当局間のマネーロンダリング等に係る情報共有のための覚書,輸出振興当局間の協力覚書などが含まれる。
同日午後,首相官邸にてパキスタン製品展示会の開会式が行われ,ウィクラマシンハ首相は,両国間の経済関係は,政治関係に匹敵するほど強化される必要があると挨拶した。
同日夕刻,シャリフ首相は,コロンボ市内のシンクタンクで演説し,パキスタンの経済開発事業に投資するスリランカの投資家には無税措置などの便宜を図る用意がある,また,スリランカとの合弁投資会社の設置や通貨スワップ協定の可能性も模索している,最近,立ち上げられた中国・パキスタン経済コリドー計画の下,3年間で大規模インフラが整備され,パキスタンは経済ハブに変貌する,両国間の自由貿易協定にサービスと投資を含めれば両国間の経済関係は更に強化される,などと述べた。

(3)中国商業省幹部の当地訪問
6日,当地を訪問したYang Weiqun中国商業省アジア部顧問は,ウィクラマシンハ首相及びニローシャン・ペレーラ国家政策・経済担当国務相と会談した。中国が推進しようとしているコロンボ・ポートシティー建設計画,コロンボ港周辺での投資促進ゾーン設置,ラトナプラ及びトリンコマリー高速道路建設などについて話しあわれたと見られるが,詳細は明らかになっていない。

(4)ボルゲ・ブレンデ・ノルウェー外相の来訪
7日,ブレンデ・ノルウェー外相が当地を訪問し,サマラウィーラ外相と外相会談を実施。同会談後,サマラウィーラ外相は「ノルウェー外相による公式訪問は約11年ぶりとなる。ブレンデ外相との会談はたいへん生産的なものであった。我々は,1年前にシリセーナ政権が発足し,政策を変更して以来の国際社会からの支持に勇気づけられている。我々は,過去に向き合うべく国内メカニズムを設置しようとしており,そのあり方に関する国民協議プロセスを来週から開始する。また9日には,国会の特別審議で,憲法制定議会設置が可決される見通しであり,この全国会議員が参加する枠組みが,国民の希望を反映した新憲法を起草することになる。ブレンデ外相とは,漁業セクターへの技術支援などノルウェーによる開発支援の拡大についても話し合った。また,ノルウェーからの投資の拡大についても協議した。ブレンデ外相は,本日この後,シリセーナ大統領とウィクラマシンハ首相にも表敬する」旨述べた。これに対してブレンデ外相は,ノルウェーはスリランカの漁業セクターと太陽光発電を支援する用意がある,最近のスリランカの政権交代が,両国関係強化への道を開いた,ノルウェーはスリランカの真のパートナーとなるだろう,スリランカ政府による和解に向けた取組を支持している、などと述べた。
同日,ブレンデ外相は,サンパンタン・タミル国民連合(TNA)議員団長とも会談した。

(5)日・スリランカ政策協議
12日、日・スリランカ政策協議がスリランカ外務省で行われ、二国間の経済関係強化に向けた枠組みについての協議が行われた。また、13日には日・スリランカ海洋協議が行われ、海洋安全保障に向けた協力について協議が行われた。

(6)印外務次官の来訪
     ジャイシャンカー印外務次官が12日、スリランカに到着した。同次官はクマーラトゥンガ元大統領、ウィクラマシンハ首相、サンパンタン野党代表やサマラウィーラ外相と協議を行い、主な目的は来月コロンボで開催されるインド・スリランカ合同委員会(Indo-Sri Lanka Joint Commission)に向けた調整。13日、同外務次官はシリセーナ大統領を表敬した。

(7)カルナナヤケ財務相の中国訪問
カルナナヤケ財務相が12日夜、新たに中国が設置したアジア・インフラ投資銀行(Asia Infrastructure and Investment Bank: AIBB)との協議のため、中国に向けて出発した。同銀行は16日に正式にオープンした。

(8)ヒューゴ・スワイア英国国務大臣の来訪
スリランカに来訪したスワイア英国国務大臣は、14日、クマーラトゥンガ元大統領を表敬し、国民和解局や「移行期の正義」について協議を行った。その後、スワイア英国国務大臣はジャフナを訪れ、ウィクラマシンハ首相と共にタイ・ポンガルの式典に出席。16日はゴールで開催されていたゴール文学フェスティバルに出席し、3日間の訪問を終了した。同国務大臣はスリランカ訪問中、シリセーナ大統領、サマラウィーラ外相、ラトナヤケ南部開発・治安大臣、サンパンタン野党代表及びウィグネシューワラン北部州首席大臣、スマンティランTNA報道官とも協議を行った。
16日、スワイア英国国務大臣は、英国が諸外国に対し、どのような憲法が向いているかなどといったアドバイスを行う事は無いと説明。ただし、スリランカからの要請があれば、テロ防止法の修正等を支援する用意はあるとも述べた。また、スリランカの経済発展には和解が重要であるとし、スリランカの人権理事会で和解に向けたコミットメントを表明したことを高く評価しつつも、6月の人権理事会までに、何らかのメカニズムが設置されていることを望むと述べた。また、英国がスリランカと防衛関係強化に向けた協定を結ぶことを考えている旨を表明。現在すでに行われているスリランカ軍への人権訓練につき言及しつつ、スリランカ軍へのさらなる支援を模索していると述べた。

(9)ウィクラマシンハ首相の世界経済会議出席
ウィクラマシンハ首相は19日、スイスで開催される世界経済会議に出席するために、スリランカを出発。首相にはカルナナヤケ財務大臣とサマラウィクラマ開発戦略・貿易大臣ほかが同行。同会議でウィクラマシンハ首相はルッテ蘭首相と協議を行い、ルッテ蘭首相はスリランカに対し、水管理及び腎臓病の分野での支援を申し出た。また、22日、中尾アジア開発銀行総裁と協議を行い、中尾総裁は、スリランカが民主主義、人権及び国民の自由の分野で大きな進展を見せたため、アジア開発銀行からの資金・技術的支援を増やす考えを示した。
シュネイダーアマン・スイス大統領はウィクラマシンハ首相との会談で、二国間関係の強化に向けた期待を述べた、EUが直面している問題やスリランカにおけるスイスの投資について協議を行った。

(10)EU・スリランカ統治・司法・人権委員会(EU-Sri Lanka Working Group on Governance, Rule of Law and Human Rights)の来訪
パオラ・パンパローニEUアジア太平洋局長が率いるEU代表団がスリランカを来訪し、21日にEU・スリランカ統治・司法・人権ワーキンググループとして初の協議を当地外務省で行った。次回協議はブリュッセルで開催される。

(11)    日本海上保安庁一行のスリランカ要人表敬
日本から訪れた海上保安庁の一行が26日、国防省次官を表敬し、二国間関係における重要事項につき協議を行った。一行は27日、ウィジェワルダナ国防担当国務大臣を表敬した。

(12)外務副大臣のベトナム訪問
 デシルバ外務副大臣がベトナム・ハノイを訪れ、レ・ホアイ・トルング・ベトナム外務副大臣とベトナムの経済開発戦略や二国間関係強化に関し協議を行った。

(13)TNA議員らのスコットランド訪問
29~31日,サンパンタンTNA議員団長とスマンティランTNA報道官がスコットランドの首都であるエジンバラを訪れ、権限移譲や憲法改正に向けてのワークショップに参加した。

(14)中国軍艦船の寄港
17日、中国軍艦船3隻がコロンボに寄港し、スリランカ海軍により出迎えられた。中国軍艦船は21日までコロンボに滞在し、スリランカ海軍司令官の表敬などを行った。また、18日に行われた艦上レセプションにはヘッティアラッチ国防省次官が参加した。

(15)印軍艦船のコロンボ寄港
印海軍が所持する空母が21日にコロンボに親善寄港した。同寄港はスリランカと印の二国間の海洋協力強化に貢献するとされている。

(16)英国王立海軍艦船の寄港
30日、英国王立海軍艦船がコロンボに親善寄港した。

(17)スリランカ新政権一周年に際するバン・ギムン国連事務総長の声明
7日,国連事務総長は,新政権発足(political transition)一周年に際して,シリセーナ大統領,スリランカ政府及び国民に祝意を表する。事務総長は,スリランカ政府が,良い統治を強化し,国民和解を進め,人権決議を実施しようと措置を取り始めていることを認識している。事務総長は,引き続いての取組を強く促すとともに,「移行期の正義」問題に取組む際は幅広い層の国民と協議することが必要である旨強調する。また,国連事務総長は,政府が,民族問題など国家的問題の解決に向けて,憲法改革を実施すると発表したことを歓迎する。事務総長は,平和構築基金からの財政支援や,技術支援を通じてスリランカの改革努力を今後とも支援する意向である。

(18)韓国輸出入銀行(The Export-Import Bank of Korea)がコロンボ事務所を設置
韓国輸出入銀行がコロンボ事務所を設置した。同設置は貿易、投資、開発支援及び文化交流等におけるスリランカ・韓国の2国間関係が強化されつつあることに応えたもの。

(19)JICAによるバンダラナヤケ国際空港拡張事業
スリランカ政府がJICAからローン支援を受け、バンダラナヤケ国際空港拡張事業を開始することが決定された。

(20)弔辞
ア ジャカルタ・テロを受けた弔辞・声明
外務省は15日、ジャカルタで起こったテロに対し、弔辞を発出した。また、テロ撲滅に向け、国際社会と協力していきたい旨表明した。
イ 北朝鮮の核実験を受けての声明
外務省は18日、北朝鮮が核実験を行ったことに対し、スリランカは北朝鮮が地域の平和を乱すような行動を慎めるよう求める国際社会の姿勢に賛同する旨の声明を発表した。
ウ パキスタン・バチャカン大学テロ事件への弔辞
外務省は20日、パキスタン・バチャカン大学で起こったテロ事件への弔辞を発表。スリランカはテロ撲滅にコミットしている旨を表明した。

(21)今後の外交予定
ア シリセーナ大統領の独訪問予定
シリセーナ大統領が2月13日から4日間、独を訪問予定であることが判明。
イ スワラジ印外相の来訪予定
2月5日にスワラジ印外相が2日間の予定でスリランカを来訪予定であることが判明。シリセーナ大統領、ウィクラマシンハ首相及びサンパンタン野党代表との協議が予定されている。