【平成29年7月~9月】

平成30年1月15日
【平成29年7月~9月】

1 社会・治安情勢
  7月下旬,スリランカ北部ジャフナ市で警察官に対する射殺事件や凶器による襲撃が連続発生したが,翌月上旬,本件容疑でリーダーを含むギャンググループAVAのメンバーが次々と逮捕され,事態は収束した。
  
2 一般犯罪・交通事故の傾向
(1)一般犯罪
   一般犯罪は,概して減少傾向にある。
犯罪の中でも蔓延が懸念される薬物犯罪については,取り分け大麻及びヘロインが主な摘発対象になっている。大麻は,比較的安価である上,スリランカ国内で違法栽培されていることも手伝い,最も身近な違法薬物である。若年層の間では,合成麻薬のエクスタシーが拡がりつつあるとされる。
(2)交通事故
   スリランカの運転マナーは日本に比べ荒っぽく,注意力に欠ける。昨年の交通事故死者数は,過去最高の3,003人を記録したが,今年1~6月時点ですでに1,510人に達しており,昨年の死者数に並ぶ勢い。
スリランカ国内の1日当たり交通事故死は,過去の7~8人から現在の10~12人にまで増加したと報じられ,全交通事故のうち,90%以上はオートバイが関与しているとされる。
(3)邦人被害事案
ア 7月上旬,コロンボ市内で乗り合いバスに乗車していたところ,ポケットに入れていた財布をすられた。
イ 7月中旬,バンダラナイケ空港近くのゲストハウスに宿泊していたところ,従業員のスリランカ人男性から性的嫌がらせを受けた。
ウ 8月中旬,コロンボから長距離バスでキャンディーに向かっていたところ,何者かに財布をすられた。
エ 9月下旬,コロンボ市内で流しの三輪タクシーに乗車したところ,不当な料金を請求された。
(4)邦人以外の被害事案
ア 7月上旬,コロンボ近郊コフワラ地区でミャンマー人女性を強姦したとして警察官が逮捕される。
イ 7月上旬,深夜カジノから帰宅した中国人女性が自宅の玄関で何者かに多額の現金を強奪される(この事件ではガンパハ警察の警官が犯人として逮捕された)。
ウ 8月中旬,南部州の幹線道路で交通事故が発生し,バスに乗車していたロシア人観光客2名が死亡。
エ 9月上旬,南部州のリゾート地ディクウェラで海岸のテトラポットに座って海を見ていた中国人男性が高波にさらわれ溺死。
オ 9月中旬,東部州アンパーラの海岸で英国人男性が水辺でワニに襲われて死亡。

3 テロ・爆弾事件発生状況
 今期における発生はなし。
 9月中旬,スリランカ北部ワウニヤ県の民家の庭先で手榴弾3個が埋められているのが発見され,警察に回収された。

4 誘拐・脅迫事件発生状況
  今期における発生はなし。

5 日本企業の安全に関わる諸問題
  直接的に進出日本企業の安全に影響を及ぼす事案は発生していない。