【平成30年10月~12月】

平成31年4月15日

【平成30年10月~12月】
 

1 社会・治安情勢
  2018年10月26日,シリセーナ大統領は,ウィクラマシンハ首相を解任し,新たにラージャパクサ前大統領を首相に任命した。
シリセーナ大統領は,国会も一旦閉会し,その後11月14日に開会する旨公示していたが,11月9日,国会を解散し,2019年1月5日に総選挙を行う旨公示した。
  11月13日,大統領による国会解散決定に対する基本的人権異議申し立ての提訴を受けた最高裁は,国会解散に関する大統領布告について,12月7日まで一時停止する仮判決を下した。これに伴い,国会は11月14日に開会した。
  12月13日,最高裁は,国会解散に関する大統領布告は違憲・無効であると判示した。同15日,ラージャパクサ首相は,首相職を辞任する旨発表,翌16日,シリセーナ大統領は,ウィクラマシンハ前首相を再び首相に任命したことで,政局の混乱はとりあえず収束した。
  シリセーナ大統領がウィクラマシンハ首相を解任した前日の10月25日,スリランカ警察副長官が大統領暗殺企図容疑で逮捕された。
 
2 一般犯罪の傾向
(1)一般犯罪
  ア シリセーナ大統領によるウィクラマシンハ首相解任に伴い,大統領派とウィクラマシンハ首相派の間に緊張があった10月28日,コロンボ市内のセイロン石油公社本社で,アルジュナ・ラナトゥンガ前石油資源開発大臣(UNP)の警護官が同企業従業員に発砲し,1人が死亡,2人が重傷を負った。
  イ 12月上旬,スリランカ西部州ベルワラ近海で,スリランカに密輸されようとしていたヘロイン231.5キログラムが押収され,2人が逮捕された。本押収は,スリランカで史上2番目のヘロイン押収量(当時)。
  更に,12月末,コロンボ郊外デヒワラのアジトで,ヘロイン278キログラムが発見され,押収された。本押収は,スリランカで史上最高のヘロイン押収量となり,今期,ヘロインの押収が目立った。
  ウ 11月上旬,スリランカ南部州ハクマナ町議がギャングからの発砲を受け,即死した。
  また,12月下旬には,同州タンゴールの漁港で2人組がけん銃を発砲し,死者4人,負傷者8人が出た。
(2)邦人被害事案
  無し。
(3)邦人以外の外国人被害事案
  ア 10月下旬,ドイツ人男性がスリランカ南部州タンゴールの海岸で遊泳中,溺死した。
  イ 11月中旬,ドイツ人女性がスリランカ中部州ヌワラエリヤの名所「世界の果て」の崖で自分の写真を撮ろうとした際,転落死した。
 
3 テロ・爆弾事件発生状況
  今期における発生はなし。
 
4 誘拐・脅迫事件発生状況
  今期における発生はなし。
 
5 日本企業の安全に関わる諸問題
  進出日本企業の安全に直接影響を及ぼす事案は発生していない。