海外安全対策情報

令和2年12月28日

 

海外安全対策情報
【令和2年7月~10月12日現在】

 

1 社会・治安情勢
(1)新型コロナウイルスに関し、スリランカでは、1月25日に初めて感染が確認されて以降感染者は徐々に増加し、9月30日時点の発表によれば、感染者は3,380人、死者は13人となっていたところ、10月4日、ガンパハ県を中心とした感染者1,300人を超えるクラスターが発生した(10月11日現在)。コロンボ市内を含む他県でも感染事例が確認されるようになっている。
(2)新型コロナウイルス感染の拡大に伴い、スリランカ政府は国内の全ての国際空港における全到着便の受入れ業務停止(3月19日午前4時から)を発表し、これに伴いスリランカ航空を含む航空各社の欠航が相次いだ。その後、海外に居住するスリランカ人を帰国させる臨時便が運行されたほか、定期便が徐々に再開されていたところ、今次クラスター発生に伴い、10月12日時点において運行がキャンセルされるケースが多発しており、いまだ再開のめどは立っていない。
ガンパハ県内では、18警察管区において外出禁止令が発令され、当該地域においては違反者が警察に逮捕されるケースが相次いでおり、他地域においても今度の動向には留意が必要である。
(3)政治面では、8月5日に総選挙が特段の混乱も無く、平和裡に実施され、政権与党のスリランカ人民戦線(SLPP)が過半数を大きく上回る議席を獲得して勝利し、政権は安定している。
 
2 一般犯罪の傾向
(1)一般犯罪
 スリランカ警察の犯罪統計部門によれば、犯罪発生件数は減少傾向にあり、重罪も目立っていない。しかし、以下のとおり観光地やホテルでは、目を離した隙に所持品や現金を盗まれる事例が依然多く見られる。
新型コロナウィルスの関連では、スリランカで感染が確認された当初に見られた、いわゆる東洋人に対する差別的な発言やタクシーの乗車拒否といった事例は見られない。
(2)邦人被害事案
今期における発生は無し。
(3)邦人以外の外国人被害事案
ア 7月初旬、東部州アルガムベイで、中国人女性がビーチで寝ていたところ、ホテルウェイトレスに陰部を触られた。
イ 7月初旬、西部州コロンボで、ロシア人女性が緑地を歩いていたところ、地元の男性数名に性的嫌がらせを受けた。
ウ 7月中旬、東部州パシクダで、ベルギー人男性が海水浴中に、ホテルウェイトレスにノートパソコンを盗まれた。
エ 7月中旬、南部州ウェリガマで、ウクライナ人夫婦が外出中、借家に何者かが侵入し、現金(300米ドル)とノートパッドを盗まれた。
オ 7月下旬、南部州バラピティヤで、中国人が海水浴中に溺死した。
カ 8月初旬、東部州アルガムベイで、ロシア人女性が自宅にいたところ、侵入してきたタクシー運転手にキスされそうになった。
キ 8月初旬、西部州ウェリウィタで、フィリピン人女性が自宅にいたところ、侵入した男性に暴行されそうになった。
ク 8月中旬、南部州ヒッカドゥワで、ウクライナ人男性が外出中、ホテルの部屋に何者かが侵入し、現金(650米ドル)を盗まれた。
ケ 8月下旬、南部州マータラで、英国人女性が自宅にいたところ、侵入した男性に暴行を受けそうになり、更に現金を盗まれた。
コ 9月初旬、南部州ハンバントタで、中国人女性が外出中、自宅に何者かが侵入し、現金(35,000スリランカルピー)及び携帯電話を盗まれた。
サ 9月中旬、西部州コロンボで、鬱病を患ったインド人が自殺した。
シ 9月中旬、北部州ジャフナの海岸で、インド人の死体が発見された。
ス 9月下旬、南部州マガル・マハ・ビハーラヤで、ロシア人女性が地元男性に性的嫌がらせを受けた。
 
3 テロ・爆弾事件発生状況
今期における発生は無し。
 
4 誘拐・脅迫事件発生状況
今期における発生は無し。
 
5 日本企業の安全に関わる諸問題
  今期における発生は無し。