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海外安全対策情報
【令和3年1月~3月】
1 社会・治安情勢
(1)新型コロナウイルスに関し、スリランカでは、令和2年1月25日に初めて感染が確認されて以降、感染者数は徐々に増加していたが、同年10月4日以降複数のクラスターが発生し、感染者は9万2千人を、死者は560人を超えた(3月31日現在)。感染事例は国内各地で確認されているが、西部州が最も感染者数が多い。
なお、クラスター発生以降、西部州を中心に多くの地域で外出禁止令が発令されたが、3月31日現在、状況の沈静化に伴い全て解除されている。
(2)令和2年3月19日、新型コロナウイルス感染の拡大を受け、スリランカ政府は国内の全ての国際空港における全到着便の受入れ業務停止を発表し、これに伴いスリランカ航空を含む航空各社の欠航が相次いだ。その後、商用便の運行は、本年1月21日に再開されたが、入国に際しては一定の手続を踏む必要があり、また、各国における新型コロナウイルス変異種の感染拡大に伴い変更の可能性もあるため、最新情報の入手に努める必要がある。
(3)政治面では、現政権は国会において過半数の議席を有するなど、安定した政権基盤を有している一方、コロンボ港開発事業、新型コロナウイルス感染症死者(特にムスリム)の強制火葬問題、国連人権理事会への対応等が内政・外政の主な課題として浮上した。引き続きワクチン調達を含む新型コロナウイルス感染症への対策が現政権の主要課題である一方、州議会選挙実施の可能性についても検討が進められている。
2 一般犯罪の傾向
(1)一般犯罪
スリランカ警察の犯罪統計部門によれば、コロナ禍において在宅者が多かったために侵入窃盗が減少するなど、犯罪発生件数は減少傾向にあり重罪も目立たない一方、薬物事犯は増加している。また、観光地やホテルでは、目を離した隙に所持品や現金を盗まれる事例が依然として発生しているほか、外国人女性に対する性的ハラスメントや性的暴行が散発しており、これらを含む一般的な犯罪の予防対策は必須である。
新型コロナウイルスとの関連では、経済状況の悪化が犯罪増加につながっている傾向は見られない。なお、スリランカで感染が確認された当初に見られた、いわゆる東洋人に対する差別的な発言やタクシーの乗車拒否といった事例は、現在は見られない。
(2)邦人被害事案
今期における発生の届出は無し。
(3)外国人被害事案の傾向
観光客減少に伴い、外国人に対する犯罪数は減少しているが、観光地におけるレンタルハウス・ゲストハウスへの侵入盗や、ビーチにおける性的被害が発生している。
3 テロ・爆弾事件発生状況
今期における発生は無し。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
今期における発生は無し。
5 日本企業の安全に関わる諸問題
今期における発生は無し。