海外安全対策情報【令和7(2025)年下半期】
海外安全対策情報
【令和7(2025)年下半期】
1 社会・治安情勢
令和4(2022)年中は、経済状況の悪化に対する抗議行動の暴徒化が全国で多発し、道路の封鎖や治安機関との衝突が頻発したほか、スリランカ各地で国会議員等の家屋や車両が襲撃・略奪・放火されたり、大統領官邸、大統領府をはじめとする政府中枢施設が暴徒に襲撃されたりする事態に陥り、多数の死傷者が発生したが、経済状況に改善の兆しが出てからは、市民の不満は沈静化傾向にあり、令和5(2023)年以降は、暴動に発展するような大規模な抗議行動は発生していない。
令和7(2025)年5月には、前年に実施された大統領選挙及び国会議員選挙に続いて地方議会議員選挙が実施されたが、軽微な暴力事案が一部で確認された程度で大きな混乱は見られず、民主的・平和的に選挙は実施された。
しかし、スリランカでは過去に邦人も含む多数の人が死傷する連続爆破テロが発生していることから、政府関係機関や現地報道機関の発表等から常に最新の情報を確認することが推奨される。
また、治安機関は、抗議行動等の鎮圧に催涙弾や放水銃を使用することがあるため、抗議行動等が実施されている場所及びその周辺には近づかないよう注意が必要である。
2 一般犯罪の傾向
(1)一般犯罪
スリランカ警察によれば、経済危機に伴う物価高騰以降、生活に困窮した市民や薬物中毒者による犯罪が増加し、令和5(2023)年に犯罪件数はピークとなったが、令和7(2025)年においても犯罪件数は高止まりの状況にある。特に、ソーシャルメディアを介した詐欺・脅迫や女性・未成年を狙った性犯罪等の犯罪総件数に占める割合が増加しており、スリランカ警察は国民に注意を促している。
薬物事犯では、従来主流であった大麻・ヘロインのほか、覚醒剤の押収量が増加しており、令和7(2025)年10月、大統領自ら薬物撲滅対策キャンペーンを立ち上げ、スリランカ警察を中心とした治安機関による薬物関連事犯の取締りを推進するとともに、国民にも薬物の無い社会作りへの協力を求めている。
(2)邦人以外の外国人被害事案
経済状況が改善に向かう中、外国人観光客が増加し、令和7(2025)年中には230万人以上の外国人がスリランカを訪問した。これに伴い、外国人観光客を標的とする犯罪件数も増加している。今期においては、窃盗、強盗、詐欺、性的嫌がらせ事案の発生が多く確認された。
性犯罪及び性的嫌がらせは、被害者の国籍や時間・場所に関係無く発生しているので、常に注意が必要である。
(3)邦人に対する被害事案
今期における邦人の犯罪被害は把握されなかったが、三輪タクシーの運転手による詐欺、宿泊施設・飲食店における過剰請求、窃盗事案等に関する相談が寄せられている。
3 交通事情
スリランカにおけるドライバーの交通マナーは悪く、規制・規則が守られないことも多い。車両通行量は多く、市中の主要道路においては慢性的な交通渋滞が発生している。これらの混雑の中を少しでも早く進もうとする乗り合いバスや三輪タクシーによる無謀な運転が、交通事情を悪化させている。
交通死亡事故も多発しており、徒歩および車両利用のいずれの場合においても、通行には細心の注意が必要である。
また、令和7(2025)年11月末にスリランカを縦断したサイクロンの影響により国内各地で洪水や地滑りが発生し、幹線道路でも交通規制が敷かれた。洪水の影響で、複数の邦人から宿泊施設や国立公園周辺に取り残され、移動が困難になったとの相談が当館に寄せられる事態も発生した。令和8(2026)年2月現在、幹線道路の通行止めは解除されているが、天候次第では一時的に道路が封鎖されることもあるため、政府関係機関や報道機関の発表等から最新の交通情報の確認が推奨される。
4 テロ・爆弾事件発生状況
今期における発生はない。
5 邦人に対する誘拐・脅迫事件発生状況
今期における発生はない。
6 日本企業の安全に関わる諸問題
今期における発生はない。