経済危機下の医療対応能力強化のための無償資金協力 (スリジャヤワルダナプラ総合病院)
令和4年8月19日

8月18日、水越大使は、経済危機下において悪化が懸念される非感染性疾患への対応能力及び社会的・人道的発展を強化するために、スリジャヤワルダナプラ総合病院に対して、総額5億円相当の日本の最先端医療機材を供与する無償資金協力に関する交換公文に署名しました。
スリジャヤワルダナプラ総合病院は、サンフランシスコ講和会議において日本の国際社会の復帰を後押しした元ジャヤワルダナ大統領への謝意を込めて、1983年に日本政府が無償資金協力により建設したものです。

今回の新たな支援を通じて、CTアンギオ装置、カテーテル手術機器、移植装置、眼科機器などを供与し、さらに歯科病棟を新設することで、ガン、脳卒中、糖尿病などの非感染性疾患への治療・手術能力を強化するとともに、失明率・う蝕有病率を低減することが期待されています。
非感染性疾患患者はスリランカの全死亡要因の80%以上を占め、既往患者は新型コロナウイルスに感染した場合に重症化・死亡リスクが高い傾向にあります。さらに、現在の経済危機下で、多くの国民において健康や栄養状態の悪化に伴う生活習慣病の増加が懸念されるなか、同病院の医療体制の強化を図ることで、西部州を中心にスリランカ国内の非感染性疾患の死亡率及び罹患率が低下することを期待しています。
日本とスリランカの外交関係樹立70周年を迎える歴史的な転機において、同病院が両国の緊密な二国間関係を象徴するランドマークになると期待しています。また、長年の開発パートナーとして、日本政府はスリランカの経済危機を共に乗り越えるために引き続き取り組んでまいります。