技術協力「西部州における廃棄物マスタープラン策定支援プロジェクト」 において実施されたパイロット活動の引渡式への出席

令和6年7月4日

7月4日、甲木臨時代理大使は、バッタラムッラの西部州事務所で開催された、技術協力「西部州における廃棄物マスタープラン策定支援プロジェクト」において実施されたパイロット活動の引渡式に出席しました。
 
甲木臨時代理大使は、日本政府はスリランカに対して様々な支援を行っている中で、IMFの債務再編といったマクロ的な支援だけではなく、本事業のようにスリランカ国民が安全で幸福に暮らすことが出来るようなベーシックニーズに応えられる支援についても、スリランカ政府や地方自治体と協力しながら取り組んでいる旨を説明するとともに、経済活動を行う上で不可避な廃棄物処理の問題に関して、本支援を通じて解決策が見い出れたことを歓迎しました。


この技術協力は、西部州における廃棄物管理計画の策定体制・調整機能を整備すること等を目的としています。その中では、カラディヤナ最終処分場において、埋立地の環境負荷を低減するパイロット活動が行われ、コンポストのふるい分けを行うトロンメルや廃棄物の運搬に用いるトラクター等が供与されました。
 
スリランカは経済成長や人口増加により一般廃棄物の排出量が年々増加し、不法投棄やオープンダンピング等の不適切な処理による環境汚染等の課題を抱えています。これに対し、日本政府はJICAによる技術協力等を通じて、2002年より継続的に廃棄物分野の取組を支援しています。特に、2017年4月にコロンボ市内の最終処分場で発生した堆積物の崩落では、32名の死者及び418世帯が被災する甚大な被害が発生しました。日本政府はこれに対して緊急援助物資の供与、国際緊急援助隊及び廃棄物管理専門家チームの派遣を実施しました。


この技術協力は、2017年の事故後に派遣された専門家チームの提言とスリランカ政府からの要請を受けて実施されることになりました。今後、スリランカ政府によるマスタープランの実施を通じて、スリランカ最大の人口を抱える西部州の衛生環境が改善されることを期待するとともに、日本政府はJICAと協力し、スリランカにおいて市民や地球に優しい廃棄物対策の推進を継続して支援してまいります。