当国情勢
平成29年3月1日
2017年2月1日 - 2月28日
1 内政
(1)ウィクラマシンハ首相が中央高速の第2フェーズ着工式に出席
1日,ウィクラマシンハ首相は,中央高速の第2フェーズ着工式に出席し,開発は青少年に雇用も提供するため,最優先されなければならない,政治闘争は後回しにされるべきだと述べた。第2フェーズは2019年半ばに完成する見通し。
(2)コロンボ港従業員による抗議活動
1日,コロンボ港従業員が,政府が同港を外国に売却しようとしているとして抗議活動を行い,警察が催涙ガスを用いて同抗議活動の鎮圧を図る事態に陥った。コロンボ港に関しては,人民解放戦線(JVP)が,スリランカ政府が秘密裏に,同港の東ターミナルを,米と印の合同事業に売却しようとしているとして批判していた。
(3)情報公開法の施行
3日,情報公開法が施行された。これは,現政権が,「良い統治」促進への取組として行い,昨年6月に可決されていたもの。また,施行を受け,M・G・ジャヤティッサ・メディア・広報局局長が,政府情報部門(Department of Government Information)の情報担当官(information officer)として任命された。また,ランガ・カランスーリヤ政府情報局長(Government Information Director General)が,上訴担当官(appeals officer)として任命された。
(4)第69回独立記念式典
4日,第69回独立記念式典が開催され,シリセーナ大統領は,我々には民主的自由を強化し,全てのコミュニティーが威厳を持って共存できるようにする責任がある,すでに,暗黒の時代(dark era)を乗り越え,民主主義,自由及び人間の尊厳を再度,啓蒙することができたが,真の自由及び独立は,我々が貧困や病気,そして民族・宗教・カースト間の対立から身を解き放ち,全国民の平等及び価値を認める社会を作り出すことだ,知識を用いて無知に,真実を用いて嘘(untruth)に,慈悲(compassionate)を用いて憎しみに,そして,非暴力を用いて暴力に打ち勝ち,「慈悲のある国家」(compassionate nation)に向けて前進していくことを強く望んでいるとの祝賀メッセージを発表。
(5)経済政策
シリセーナ大統領は,ウィクラマシンハ首相の主宰で毎週開催される経済サブコミティーに,今後隔週で参加することを決定した。
(5)私立南アジア技術・医学学院(SAITM)CEOの暗殺未遂事件の発生
6日,私立南アジア技術・医学学院(SAITM)のCEO,サミーラ・セナラトナ氏が乗っていた車が発砲を受けた。セナラトネ氏は無事であった。SAITMを巡っては,同学院の医学部を国有化することで医学教育の水準を落とすことのないよう要求するデモが,政府医療機関職員協会(GMOA)及びJVP等により繰り広げられていた。
(6)バティカロア・トリンコマリー地区の土地改革委員会地区会長銃撃事件
22日,東部州バティカロア・トリンコマリー地区の土地改革委員会地区会長(District director of the Land Reforms Commission)が何者かに銃撃され,負傷した。犯人は逃走。
(7)シリセーナ大統領とSLFP地区責任者の協議
22日,大統領公邸で,シリセーナ大統領とスリランカ自由党(SLFP)地区責任者の協議が行われ,シリセーナ大統領は,現在の政治情勢に鑑み,党の責任を果たすため,団結することが重要であると述べた。
(8)与野党の動き
ア 統一野党が,主要野党として認められるよう国会議長に要請
22日,統一野党は,ジャヤスーリヤ国会議長に対し,統一野党には51名の議員が所属しており,同数は現在,正式に主要野党として認められているタミル国民連合(TNA)とJVPの議席数22席を上回るのに,統一野党には野党代表等の地位が与えられていないとして,統一野党を主要野党として認めるよう要請した。また,24日,国家自由戦線(NFF)が統一人民自由連合(UPFA)に対し,国会でUPFAから独立して活動を行う希望を伝えた
イ 「タミル統一独立戦線」の立ち上げ
11日,ムラリタラン(通称カルナ)元再定住副大臣・元LTTE東部司令官はバティカロアで政党「タミル統一独立戦線」を立ち上げた。結党の理由としてムラリタラン氏は旧LTTE兵士の生計向上機会の提供,LTTE兵士の夫を失った寡婦支援を挙げた。
ウ SLMCの内紛
スリランカ・ムスリム会議(SLMC)はバシール・セグダウード党会長を解任すると共に,12日,マンスール・カーダー氏を新たな党幹事長に任命した。
エ UNPの党内再編に向けた動き
24日,ウィクラマシンハ首相は首相官邸で,統一国民党(UNP)幹部に対し党再編案の作成を指示した。
2 国民和解
(1)国民和解を巡るクマーラトゥンガ元大統領・国民和解局(ONUR)会長の発言
クマーラトゥンガ会長は2日付当地紙のインタビュー記事で,「喫緊の課題は新憲法制定,次に失踪者局(OMP)設置であり,これらができれば内戦中の戦争犯罪疑惑を裁く特別法廷の設置の必要性は全くなくなる」,また和解メカニズム・タスクフォースの最終報告書が内戦中の戦争犯罪疑惑を裁く特別法廷に外国人判事を含めるべきとの提案をしていることについて,「タスクフォースにそのようなコメントをする権利はない。国民の意見を聞いて政府に報告するのが任務であるのにも関わらず,同委員会自身の意見が含まれている」と述べた。
(2)閣議がOMP設置法案への修正を承認
昨年8月に国会で可決・成立したOMP設置法案のパラグラフ(a)11箇条(article 11)の削除を求める提案が可決された。同箇条は,OMPが運営(performing its tasks)にあたり,個人及び団体と,協力関係等の合意に至る権利を持つと記していた。
(3)スリランカ軍が身体障害者に義足を提供
7日,スリランカ軍が,北部州キリノッチ県の貧困家庭に居住する身体障害者,30名に義足を提供した。
(4)ジャーナリストへの暴行事件を巡り,軍少佐他が逮捕される
2008年5月に,ネーション紙の当時副編集者であったケイス・ノヤール氏の誘拐・暴行に関与したとして,警察犯罪捜査局(CID)は軍少佐及び2名の軍兵士を逮捕した。ノヤール氏は,同事件発生後,家族と共に国外に避難している。
(5)新憲法制定を巡る動き
ア 10日,シリセーナ大統領は,50近くの市民社会組織との間で,新憲法案は国民投票にかけられるべきであることに合意した。
イ 16日,憲法制定議会の小委員会に属していた統一野党のメンバーであるバントゥラ・グナワルダナ「財政」小委員会委員長,ケヘリヤ・ランブクウェッラ議員及びターラカ・バラスーリヤ議員が,昨年運営委員会に提出された6つの小委員会の報告書の内容に同意できないとして,委員会を退会した。
(6)外国人判事に対するシリセーナ大統領の発言
25日,シリセーナ大統領は,ポロンナルワの式典で,紛争中の人権侵害疑惑に対する責任追及メカニズムに外国人判事を参加させることはなく,このような議論にも終止符を打っている,この考えは,すでに国連事務総長,国連人権高等弁務官及び,西欧諸国のリーダーに伝達済みであると述べた。また,もし外国人判事を利用する場合は,法律及び憲法を変えなくてはならないと述べた。
(7)北部州キリノッチ県で土地の返還を求めた住民が軍敷地内に潜入
北部州キリノッチ県パレヴィパッチャン村の住民が,軍により占拠されている土地の返還を求め,軍敷地内に侵入する事態が発生した。
3 スリランカ・中国関係
(1)中国海軍の調査船の寄港
1日,中国海軍の海洋調査船がコロンボ港に寄港した。6日に出港した。
(2)中国企業による高速道路建設の権利獲得
ア 中国企業が中部高速第4フェーズを獲得
閣議は,中国Exim銀行からの融資でChina Gezhouba Group Companyが中部高速の第4フェーズ(クルネーガラ・ダンブッラ間,計58.7km)を建設することを承認した。2月第3週にも,合意が締結される見込みであり,必要経費は16,160億ルピー(付加価値税(VAT)を除く)。同事業は,シリセーナ大統領の,ポロンナルワ地区開発事業,「Rajarata Navodaya」の一部となる。
イ 中国企業がルワンプラ高速建設を獲得
7日,キリエッラ大学教育・ハイウェー大臣はインタビューに対し,コロンボ・ラトナプラ間を繋ぐ,ルワンプラ高速道路の建設は,中国企業が請け負うことになった,このような巨大事業に投資を行えるのは中国だけであった,事業は27日にも着工されると述べた。
(3)クマーラトゥンガ元大統領の中国を巡る発言
5日,クマーラトゥンガ元大統領が,以前中国大使が,中国は前政権時代,ラージャパクサ前大統領に150億ルピーの賄賂を支払ったと言っていたと述べたことを受け,ピーリス前外相は,ラージャパクサ前大統領の代理として中国大使館に確認したところ,中国大使館側は,クマーラトゥンガ元大統領とは1年以上,接触が無いとして否定していた,このような疑惑は,「良い統治」を謳う現政権リーダーが,経済的苦境に置かれた圧力から,前政権を貶めようとしているプロパガンダであると述べた。
(4)ハンバントタ港開発を巡るスリランカ・中国関係
ア 易先良駐スリランカ中国大使のハンバントタ港を巡る発言
15日,易中国大使はスピーチの中でハンバントタ港で地域住民らによるプロテストが続いていることを受け,このような事態が継続すると,中国の投資家がスリランカへの投資に尻込みすると苦言を呈した。
イ 中国外交団の来訪
スリランカで中国企業の投資プロジェクトの一部(ハンバントタ港の開発)が地域住民から反対を受けている事態を受け,中国外交部の孔鉉佑部長助理(Assistant Minister of Foreign Affairs)が20日から当地を来訪し,サマラウィーラ外相と協議を行った。
(5)ウィクラマシンハ首相の中国訪問予定
中国との自由貿易協定(FTA)締結に向けた最終調整に向け,ウィクラマシンハ首相が5月に中国訪問を予定している。スリランカ政府は今年中に,インドとのFTA締結も達成させたい心づもり。
4 外交
(1)サマラウィーラ外相のエチオピア訪問
ア 1月31日にエチオピアを公式に訪問したサマラウィーラ外相は,スリランカは,エチオピアの産業に技術を持った人材を提供することができると述べた。また,ウォックナー・エチオピア外相とバイ協議を行い,ウォックナー外相は,スリランカとエチオピアは共に内戦を経験するなど,似た背景を持つとして,二国間関係強化の重要性を指摘した。これに対し,サマラウィーラ外相は,エチオピアにスリランカ大使館が新設されたことを受け,二国間の貿易,投資及び観光の分野での関係強化に努めたい旨述べた。両外相は,双方の外務省における外交的協議(diplomatic consultation)に向けた覚書と,二国間の経済及び貿易強化に向けた可能性を模索する合同委員会の設置合意を締結した。
1日,サマラウィーラ外相は,ムラトゥ・エチオピア大統領を表敬し,現政権の功績を強調しつつ,新たな外交政策として,伝統的な友好国との関係の再構築を行っており,アフリカ地域,特に「アフリカにおける外交と政治の首都」(Diplomatic and Political Capital of Africa)であるエチオピアとの関係強化を図りたいと考えており,そのため閣議が,エチオピア大使館を新設することを承認したと述べた。これに対し,ムラトゥ・エチオピア大統領は,発展途上国にとって,平和,安定及び民主主義化の重要性を強調し,スリランカとエチオピアの共通点に鑑みると,さらなる関係強化を図れると考えている,特に,織物・衣服産業での輸出についてのスリランカの経験を知りたいと述べた。
(2)第3回スリランカ・モルディブ合同委員会の開催
8日~9日にかけて,モルディブ外務省で,第3回スリランカ・モルディブ合同委員会が開催され,経済協力,観光,漁業,教育,健康,青少年とスポーツ,雇用及び文化の分野で協議が行われた。スリランカからは,サマラウィーラ外相率いる代表団が参加し,9日には,アシム・モルディブ外相と協議を行った。第2回合同委員会は2014年にコロンボで開催されていたもの。
(3)ウィクラマシンハ首相の豪訪問
ア 13~17日の日程で豪を訪問したウィクラマシンハ首相は14日,ディーキン大学から長期の議員在籍及び経済,教育,人権の分野で国の地位を上げたことを評価して名誉博士号を与えられた。
イ 15日,ウィクラマシンハ首相はショーテン豪野党代表と協議を行い,現政権の取組や成果を説明しつつ,アジア太平洋地域で,全政党の見解を反映した枠組を作る重要性を指摘した。同日,豪州キャンベラで開催されたスリランカ・豪州の二国間会談で,豪州のターンブル首相は,同国はスリランカが始めた,インド洋の金融ハブとなるための新経済改革プログラムを支援し,二国間関係強化のための新たなアプローチを取ると述べた。またターンブル首相は,スリランカが経済発展,国民統一,和解のための道を再び取り始めたことを賞賛し,長き友人であるスリランカを常に支えるつもりであることを強調した。会談では農業,採掘,エネルギー,観光の分野での質と技術向上,また海洋安全保障における協調行動について意見交換がなされた。さらに両首相は共同声明で,違法人身売買への対処継続の重要性を強調した。ウィクラマシンハ首相は,PNGのマナスとナウルにいるスリランカ人の亡命待機者について,彼らはスリランカの法を犯したが,スリランカに戻っても追及したりはしない,帰還を歓迎すると述べた。これに対しディーキン大学の専門家は首相が恩赦の権限を有しているのか不明であると述べた。その後,ウィクラマシンハ首相とターンブル豪首相の立ち会いのもと,ハント豪スポーツ・保健大臣とジャヤセカラ・スポーツ大臣の間がスポーツ振興に関する覚書を,そして,ハチソン駐スリランカ大使とサマラトゥンガ財務次官が経済協力強化に向けた覚書に署名した。
ウ 16日,ウィクラマシンハ首相はアンドリューズ豪ヴィクトリア州知事と協議を行い,同州との関係強化に合意した。
(4)ウィクラマシンハ首相のシンガポール訪問
18日,豪訪問を終えたウィクラマシンハ首相夫妻は,帰路,シンガポールに立ち寄り,リー・シンガポール首相と夕食を共にし,シンガポールとの自由貿易協定の年内締結に向けた協議を行った。同協定締結に向けては,4月にも再度協議が行われる予定。
(5)カーリヤワサム教育大臣の印訪問
カーリヤワサム教育大臣は17~18日にかけてムンバイで開催された「世界・企業の社会責任(CSR)の日」(World CSR Day)サミットに出席するため,印を訪問した。
(6)ジャイシャンカル印外務次官の来訪
18~20日の日程でジャイシャンカル印外務次官が電力,インフラ及びエネルギーの分野での二国間関係強化への可能性を模索するためにスリランカを訪問した。20日,同次官はサンパンタンTNA代表が率いるTNA代表団と協議し,TNA側は,北部州や東部州での土地の解放の促進,失踪者問題及び政治犯の問題の解決が必要である旨説明し,また,新憲法制定に向けた動きが進みつつある旨説明した。これらに対し,ジャイシャンカル印外務次官はTNA側の要望をシリセーナ大統領とウィクラマシンハ首相に伝えると述べた。
(7)米議会超党派グループの来訪
20日から3日間の日程で,2党から成る米議会の超党派グループである,議会民主パートナーシップの一行が,スリランカを訪問し,昨年9月に米下院とスリランカ国会で締結された協力合意(Collaboration Agreement)の継続とスリランカへの支援を表明した。20日,サンパンタンTNA代表を表敬し,中国やインドのスリランカへの関心につき問うたところ,サンパンタンTNA代表は,中国はスリランカの内政に干渉していないが,インドは継続してスリランカの新憲法制定の取組に関心を示していると述べた。また,サンパンタンTNA代表がタミル問題解決に向けた支援を要請したのに対し,米議会グループはこれを米本国及びシリセーナ大統領に伝えると述べた。
22日,一行はシリセーナ大統領を表敬し,米は,スリランカの経済開発をこれからも支持すると述べ,また,シリセーナ大統領の功績を称えた。これに対し,シリセーナ大統領は,強力な二国間の関係に満足しており,経済・投資の分野でのさらなる関係強化にコミットしていると述べた。
24日,一行は,大統領公邸でシリセーナ大統領を表敬した。シリセーナ大統領は一行に対し,現政権の民主主義強化及び和解促進への取組につき説明し,また,二国間の特に経済や投資分野での関係を強化したい旨述べた。同日,一行は,サマラウィーラ外相と協議を行った。
(8)サマラウィーラ外相のジュネーブ訪問
26日,サマラウィーラ外相が第34回国連人権理事会に出席するために,ジュネーブに向けて出発。
27日,外相はグテレス国連事務総長と協議を行い,現政権の和解に向けた取組を説明した。これに対し,グテレス国連事務総長(元国連難民高等弁務官)は,過去へのスリランカの訪問を振り返りつつ,スリランカのことはよく覚えている,再度訪問したい旨述べた。
28日,サマラウィーラ外相は,人権理事会で,15ヶ月前にスリランカ政府は人権理決議30/1の共同提案国となった,この姿勢を国の裏切りとして批判する声もあるものの,1948年に独立を勝ち得た際,宗教,性別,カーストそして信念に関係なく,全国民が独立に向け協力した,これを忘れたことにより,過去69年間,暴力や痛みを経験し,経済成長のチャンスを失った,現政権の2年間の成果を,両サイドの過激派が短期的な政治的利権のために批判し,国の前進を阻害しようとしているが,これらに負けずに,すでに数多くの和解促進政策に取り組んできている,これから先の道にも多くのチャレンジが我々を待ち受けるが,我々は,スリランカを,繁栄,多様性を考慮した団結,人権・正義・「法の統治」の尊重を達成した「輝く国」に導くことが可能であると信じている,との内容のスピーチを行った。
(9)ファヒル・インドネシア外務副大臣の来訪
ファヒル・インドネシア外務副大臣がスリランカへの協力方針についての協議を行うために当地に来訪し,23日,デシルバ交通・民間航空大臣と協議を行い,スリランカの鉄道の分野で特別な関心を払う旨約束した。同日,ファヒル・インドネシア外務副大臣は,ジョコ・インドネシア大統領発シリセーナ大統領宛の同国への招待状を大統領に手交した。シリセーナ大統領はインドネシアのスリランカ干ばつにたいする米5000トンの支援に謝意を示した。
(10)フォール・セーシェル共和国大統領の来訪
26~27日の日程でフォール・セーシェル共和国大統領が来訪し,27日,シリセーナ大統領を表敬。観光,漁業及び農業の分野で協力関係を強化すべく協議を行った。フォール大統領は,シリセーナ大統領の麻薬撲滅の取組を評価し,二国は諜報機関の情報を共有することで,麻薬密売に対し,協力して取り組む可能性につき言及した。また,シリセーナ大統領を,2018年10月の二国間の国交樹立30年の記念式典に主賓として招待した。同協議には,ベンストロング・セーシェル共和国漁業・農業大臣、ラバレイン・セーシェル共和国大統領府次官及びウィーラコーン大統領府次官が同席した。
(11)ムスタファ州議会・地方議会大臣のインド訪問
ムスタファ州議会・地方議会大臣がインドを訪問し,27日に,ガンディー印女性・児童育成大臣と協議を行った。
(12)インドネシア海軍艦船の寄港
ア 2日,インドネシア海軍艦船,「Kri Sultan Iskandar Muda - 367号」がコロンボ港に補給のために寄港し,5日に出港した。
イ 19日,インドネシア海軍艦がコロンボ港に親善寄港し,22日に出港した。
(13)モディ印首相の当地来訪船予定
新華社通信によると17日,モディ印首相は,5月12日にスリランカで開催予定である国連ウェサック・デー祝典への出席を確約した。ラージャパクサ司法相も同主旨を述べた。同式典には仏教が信仰されている印・中・日・タイ等の国々の代表千人以上が出席する見込み。
(14)スリランカ・インド間の覚書の締結
インドとスリランカは,ポロンナルワ県に多民族・三言語中等学校(multi-ethnic tri-lingual secondary school)を建設する覚書を締結した。同学校建設に向け,インドから3億ルピーが無償資金として提供される。
(15)スリランカ警察特殊部隊(STF)の国連平和維持活動に従事を閣議承認
2月第1週,閣議は,外貨収入となり,かつ国際社会の評価を高めるべく,警察特殊部隊(STF)を国連平和維持軍に派遣することを承認した。スリランカは,140~200名を文民警察部門(Formed Police Unit)に,140名を警察警護部門(Police Guard Unit)に,そして40名をSWATに派遣する考え。
(1)ウィクラマシンハ首相が中央高速の第2フェーズ着工式に出席
1日,ウィクラマシンハ首相は,中央高速の第2フェーズ着工式に出席し,開発は青少年に雇用も提供するため,最優先されなければならない,政治闘争は後回しにされるべきだと述べた。第2フェーズは2019年半ばに完成する見通し。
(2)コロンボ港従業員による抗議活動
1日,コロンボ港従業員が,政府が同港を外国に売却しようとしているとして抗議活動を行い,警察が催涙ガスを用いて同抗議活動の鎮圧を図る事態に陥った。コロンボ港に関しては,人民解放戦線(JVP)が,スリランカ政府が秘密裏に,同港の東ターミナルを,米と印の合同事業に売却しようとしているとして批判していた。
(3)情報公開法の施行
3日,情報公開法が施行された。これは,現政権が,「良い統治」促進への取組として行い,昨年6月に可決されていたもの。また,施行を受け,M・G・ジャヤティッサ・メディア・広報局局長が,政府情報部門(Department of Government Information)の情報担当官(information officer)として任命された。また,ランガ・カランスーリヤ政府情報局長(Government Information Director General)が,上訴担当官(appeals officer)として任命された。
(4)第69回独立記念式典
4日,第69回独立記念式典が開催され,シリセーナ大統領は,我々には民主的自由を強化し,全てのコミュニティーが威厳を持って共存できるようにする責任がある,すでに,暗黒の時代(dark era)を乗り越え,民主主義,自由及び人間の尊厳を再度,啓蒙することができたが,真の自由及び独立は,我々が貧困や病気,そして民族・宗教・カースト間の対立から身を解き放ち,全国民の平等及び価値を認める社会を作り出すことだ,知識を用いて無知に,真実を用いて嘘(untruth)に,慈悲(compassionate)を用いて憎しみに,そして,非暴力を用いて暴力に打ち勝ち,「慈悲のある国家」(compassionate nation)に向けて前進していくことを強く望んでいるとの祝賀メッセージを発表。
(5)経済政策
シリセーナ大統領は,ウィクラマシンハ首相の主宰で毎週開催される経済サブコミティーに,今後隔週で参加することを決定した。
(5)私立南アジア技術・医学学院(SAITM)CEOの暗殺未遂事件の発生
6日,私立南アジア技術・医学学院(SAITM)のCEO,サミーラ・セナラトナ氏が乗っていた車が発砲を受けた。セナラトネ氏は無事であった。SAITMを巡っては,同学院の医学部を国有化することで医学教育の水準を落とすことのないよう要求するデモが,政府医療機関職員協会(GMOA)及びJVP等により繰り広げられていた。
(6)バティカロア・トリンコマリー地区の土地改革委員会地区会長銃撃事件
22日,東部州バティカロア・トリンコマリー地区の土地改革委員会地区会長(District director of the Land Reforms Commission)が何者かに銃撃され,負傷した。犯人は逃走。
(7)シリセーナ大統領とSLFP地区責任者の協議
22日,大統領公邸で,シリセーナ大統領とスリランカ自由党(SLFP)地区責任者の協議が行われ,シリセーナ大統領は,現在の政治情勢に鑑み,党の責任を果たすため,団結することが重要であると述べた。
(8)与野党の動き
ア 統一野党が,主要野党として認められるよう国会議長に要請
22日,統一野党は,ジャヤスーリヤ国会議長に対し,統一野党には51名の議員が所属しており,同数は現在,正式に主要野党として認められているタミル国民連合(TNA)とJVPの議席数22席を上回るのに,統一野党には野党代表等の地位が与えられていないとして,統一野党を主要野党として認めるよう要請した。また,24日,国家自由戦線(NFF)が統一人民自由連合(UPFA)に対し,国会でUPFAから独立して活動を行う希望を伝えた
イ 「タミル統一独立戦線」の立ち上げ
11日,ムラリタラン(通称カルナ)元再定住副大臣・元LTTE東部司令官はバティカロアで政党「タミル統一独立戦線」を立ち上げた。結党の理由としてムラリタラン氏は旧LTTE兵士の生計向上機会の提供,LTTE兵士の夫を失った寡婦支援を挙げた。
ウ SLMCの内紛
スリランカ・ムスリム会議(SLMC)はバシール・セグダウード党会長を解任すると共に,12日,マンスール・カーダー氏を新たな党幹事長に任命した。
エ UNPの党内再編に向けた動き
24日,ウィクラマシンハ首相は首相官邸で,統一国民党(UNP)幹部に対し党再編案の作成を指示した。
2 国民和解
(1)国民和解を巡るクマーラトゥンガ元大統領・国民和解局(ONUR)会長の発言
クマーラトゥンガ会長は2日付当地紙のインタビュー記事で,「喫緊の課題は新憲法制定,次に失踪者局(OMP)設置であり,これらができれば内戦中の戦争犯罪疑惑を裁く特別法廷の設置の必要性は全くなくなる」,また和解メカニズム・タスクフォースの最終報告書が内戦中の戦争犯罪疑惑を裁く特別法廷に外国人判事を含めるべきとの提案をしていることについて,「タスクフォースにそのようなコメントをする権利はない。国民の意見を聞いて政府に報告するのが任務であるのにも関わらず,同委員会自身の意見が含まれている」と述べた。
(2)閣議がOMP設置法案への修正を承認
昨年8月に国会で可決・成立したOMP設置法案のパラグラフ(a)11箇条(article 11)の削除を求める提案が可決された。同箇条は,OMPが運営(performing its tasks)にあたり,個人及び団体と,協力関係等の合意に至る権利を持つと記していた。
(3)スリランカ軍が身体障害者に義足を提供
7日,スリランカ軍が,北部州キリノッチ県の貧困家庭に居住する身体障害者,30名に義足を提供した。
(4)ジャーナリストへの暴行事件を巡り,軍少佐他が逮捕される
2008年5月に,ネーション紙の当時副編集者であったケイス・ノヤール氏の誘拐・暴行に関与したとして,警察犯罪捜査局(CID)は軍少佐及び2名の軍兵士を逮捕した。ノヤール氏は,同事件発生後,家族と共に国外に避難している。
(5)新憲法制定を巡る動き
ア 10日,シリセーナ大統領は,50近くの市民社会組織との間で,新憲法案は国民投票にかけられるべきであることに合意した。
イ 16日,憲法制定議会の小委員会に属していた統一野党のメンバーであるバントゥラ・グナワルダナ「財政」小委員会委員長,ケヘリヤ・ランブクウェッラ議員及びターラカ・バラスーリヤ議員が,昨年運営委員会に提出された6つの小委員会の報告書の内容に同意できないとして,委員会を退会した。
(6)外国人判事に対するシリセーナ大統領の発言
25日,シリセーナ大統領は,ポロンナルワの式典で,紛争中の人権侵害疑惑に対する責任追及メカニズムに外国人判事を参加させることはなく,このような議論にも終止符を打っている,この考えは,すでに国連事務総長,国連人権高等弁務官及び,西欧諸国のリーダーに伝達済みであると述べた。また,もし外国人判事を利用する場合は,法律及び憲法を変えなくてはならないと述べた。
(7)北部州キリノッチ県で土地の返還を求めた住民が軍敷地内に潜入
北部州キリノッチ県パレヴィパッチャン村の住民が,軍により占拠されている土地の返還を求め,軍敷地内に侵入する事態が発生した。
3 スリランカ・中国関係
(1)中国海軍の調査船の寄港
1日,中国海軍の海洋調査船がコロンボ港に寄港した。6日に出港した。
(2)中国企業による高速道路建設の権利獲得
ア 中国企業が中部高速第4フェーズを獲得
閣議は,中国Exim銀行からの融資でChina Gezhouba Group Companyが中部高速の第4フェーズ(クルネーガラ・ダンブッラ間,計58.7km)を建設することを承認した。2月第3週にも,合意が締結される見込みであり,必要経費は16,160億ルピー(付加価値税(VAT)を除く)。同事業は,シリセーナ大統領の,ポロンナルワ地区開発事業,「Rajarata Navodaya」の一部となる。
イ 中国企業がルワンプラ高速建設を獲得
7日,キリエッラ大学教育・ハイウェー大臣はインタビューに対し,コロンボ・ラトナプラ間を繋ぐ,ルワンプラ高速道路の建設は,中国企業が請け負うことになった,このような巨大事業に投資を行えるのは中国だけであった,事業は27日にも着工されると述べた。
(3)クマーラトゥンガ元大統領の中国を巡る発言
5日,クマーラトゥンガ元大統領が,以前中国大使が,中国は前政権時代,ラージャパクサ前大統領に150億ルピーの賄賂を支払ったと言っていたと述べたことを受け,ピーリス前外相は,ラージャパクサ前大統領の代理として中国大使館に確認したところ,中国大使館側は,クマーラトゥンガ元大統領とは1年以上,接触が無いとして否定していた,このような疑惑は,「良い統治」を謳う現政権リーダーが,経済的苦境に置かれた圧力から,前政権を貶めようとしているプロパガンダであると述べた。
(4)ハンバントタ港開発を巡るスリランカ・中国関係
ア 易先良駐スリランカ中国大使のハンバントタ港を巡る発言
15日,易中国大使はスピーチの中でハンバントタ港で地域住民らによるプロテストが続いていることを受け,このような事態が継続すると,中国の投資家がスリランカへの投資に尻込みすると苦言を呈した。
イ 中国外交団の来訪
スリランカで中国企業の投資プロジェクトの一部(ハンバントタ港の開発)が地域住民から反対を受けている事態を受け,中国外交部の孔鉉佑部長助理(Assistant Minister of Foreign Affairs)が20日から当地を来訪し,サマラウィーラ外相と協議を行った。
(5)ウィクラマシンハ首相の中国訪問予定
中国との自由貿易協定(FTA)締結に向けた最終調整に向け,ウィクラマシンハ首相が5月に中国訪問を予定している。スリランカ政府は今年中に,インドとのFTA締結も達成させたい心づもり。
4 外交
(1)サマラウィーラ外相のエチオピア訪問
ア 1月31日にエチオピアを公式に訪問したサマラウィーラ外相は,スリランカは,エチオピアの産業に技術を持った人材を提供することができると述べた。また,ウォックナー・エチオピア外相とバイ協議を行い,ウォックナー外相は,スリランカとエチオピアは共に内戦を経験するなど,似た背景を持つとして,二国間関係強化の重要性を指摘した。これに対し,サマラウィーラ外相は,エチオピアにスリランカ大使館が新設されたことを受け,二国間の貿易,投資及び観光の分野での関係強化に努めたい旨述べた。両外相は,双方の外務省における外交的協議(diplomatic consultation)に向けた覚書と,二国間の経済及び貿易強化に向けた可能性を模索する合同委員会の設置合意を締結した。
1日,サマラウィーラ外相は,ムラトゥ・エチオピア大統領を表敬し,現政権の功績を強調しつつ,新たな外交政策として,伝統的な友好国との関係の再構築を行っており,アフリカ地域,特に「アフリカにおける外交と政治の首都」(Diplomatic and Political Capital of Africa)であるエチオピアとの関係強化を図りたいと考えており,そのため閣議が,エチオピア大使館を新設することを承認したと述べた。これに対し,ムラトゥ・エチオピア大統領は,発展途上国にとって,平和,安定及び民主主義化の重要性を強調し,スリランカとエチオピアの共通点に鑑みると,さらなる関係強化を図れると考えている,特に,織物・衣服産業での輸出についてのスリランカの経験を知りたいと述べた。
(2)第3回スリランカ・モルディブ合同委員会の開催
8日~9日にかけて,モルディブ外務省で,第3回スリランカ・モルディブ合同委員会が開催され,経済協力,観光,漁業,教育,健康,青少年とスポーツ,雇用及び文化の分野で協議が行われた。スリランカからは,サマラウィーラ外相率いる代表団が参加し,9日には,アシム・モルディブ外相と協議を行った。第2回合同委員会は2014年にコロンボで開催されていたもの。
(3)ウィクラマシンハ首相の豪訪問
ア 13~17日の日程で豪を訪問したウィクラマシンハ首相は14日,ディーキン大学から長期の議員在籍及び経済,教育,人権の分野で国の地位を上げたことを評価して名誉博士号を与えられた。
イ 15日,ウィクラマシンハ首相はショーテン豪野党代表と協議を行い,現政権の取組や成果を説明しつつ,アジア太平洋地域で,全政党の見解を反映した枠組を作る重要性を指摘した。同日,豪州キャンベラで開催されたスリランカ・豪州の二国間会談で,豪州のターンブル首相は,同国はスリランカが始めた,インド洋の金融ハブとなるための新経済改革プログラムを支援し,二国間関係強化のための新たなアプローチを取ると述べた。またターンブル首相は,スリランカが経済発展,国民統一,和解のための道を再び取り始めたことを賞賛し,長き友人であるスリランカを常に支えるつもりであることを強調した。会談では農業,採掘,エネルギー,観光の分野での質と技術向上,また海洋安全保障における協調行動について意見交換がなされた。さらに両首相は共同声明で,違法人身売買への対処継続の重要性を強調した。ウィクラマシンハ首相は,PNGのマナスとナウルにいるスリランカ人の亡命待機者について,彼らはスリランカの法を犯したが,スリランカに戻っても追及したりはしない,帰還を歓迎すると述べた。これに対しディーキン大学の専門家は首相が恩赦の権限を有しているのか不明であると述べた。その後,ウィクラマシンハ首相とターンブル豪首相の立ち会いのもと,ハント豪スポーツ・保健大臣とジャヤセカラ・スポーツ大臣の間がスポーツ振興に関する覚書を,そして,ハチソン駐スリランカ大使とサマラトゥンガ財務次官が経済協力強化に向けた覚書に署名した。
ウ 16日,ウィクラマシンハ首相はアンドリューズ豪ヴィクトリア州知事と協議を行い,同州との関係強化に合意した。
(4)ウィクラマシンハ首相のシンガポール訪問
18日,豪訪問を終えたウィクラマシンハ首相夫妻は,帰路,シンガポールに立ち寄り,リー・シンガポール首相と夕食を共にし,シンガポールとの自由貿易協定の年内締結に向けた協議を行った。同協定締結に向けては,4月にも再度協議が行われる予定。
(5)カーリヤワサム教育大臣の印訪問
カーリヤワサム教育大臣は17~18日にかけてムンバイで開催された「世界・企業の社会責任(CSR)の日」(World CSR Day)サミットに出席するため,印を訪問した。
(6)ジャイシャンカル印外務次官の来訪
18~20日の日程でジャイシャンカル印外務次官が電力,インフラ及びエネルギーの分野での二国間関係強化への可能性を模索するためにスリランカを訪問した。20日,同次官はサンパンタンTNA代表が率いるTNA代表団と協議し,TNA側は,北部州や東部州での土地の解放の促進,失踪者問題及び政治犯の問題の解決が必要である旨説明し,また,新憲法制定に向けた動きが進みつつある旨説明した。これらに対し,ジャイシャンカル印外務次官はTNA側の要望をシリセーナ大統領とウィクラマシンハ首相に伝えると述べた。
(7)米議会超党派グループの来訪
20日から3日間の日程で,2党から成る米議会の超党派グループである,議会民主パートナーシップの一行が,スリランカを訪問し,昨年9月に米下院とスリランカ国会で締結された協力合意(Collaboration Agreement)の継続とスリランカへの支援を表明した。20日,サンパンタンTNA代表を表敬し,中国やインドのスリランカへの関心につき問うたところ,サンパンタンTNA代表は,中国はスリランカの内政に干渉していないが,インドは継続してスリランカの新憲法制定の取組に関心を示していると述べた。また,サンパンタンTNA代表がタミル問題解決に向けた支援を要請したのに対し,米議会グループはこれを米本国及びシリセーナ大統領に伝えると述べた。
22日,一行はシリセーナ大統領を表敬し,米は,スリランカの経済開発をこれからも支持すると述べ,また,シリセーナ大統領の功績を称えた。これに対し,シリセーナ大統領は,強力な二国間の関係に満足しており,経済・投資の分野でのさらなる関係強化にコミットしていると述べた。
24日,一行は,大統領公邸でシリセーナ大統領を表敬した。シリセーナ大統領は一行に対し,現政権の民主主義強化及び和解促進への取組につき説明し,また,二国間の特に経済や投資分野での関係を強化したい旨述べた。同日,一行は,サマラウィーラ外相と協議を行った。
(8)サマラウィーラ外相のジュネーブ訪問
26日,サマラウィーラ外相が第34回国連人権理事会に出席するために,ジュネーブに向けて出発。
27日,外相はグテレス国連事務総長と協議を行い,現政権の和解に向けた取組を説明した。これに対し,グテレス国連事務総長(元国連難民高等弁務官)は,過去へのスリランカの訪問を振り返りつつ,スリランカのことはよく覚えている,再度訪問したい旨述べた。
28日,サマラウィーラ外相は,人権理事会で,15ヶ月前にスリランカ政府は人権理決議30/1の共同提案国となった,この姿勢を国の裏切りとして批判する声もあるものの,1948年に独立を勝ち得た際,宗教,性別,カーストそして信念に関係なく,全国民が独立に向け協力した,これを忘れたことにより,過去69年間,暴力や痛みを経験し,経済成長のチャンスを失った,現政権の2年間の成果を,両サイドの過激派が短期的な政治的利権のために批判し,国の前進を阻害しようとしているが,これらに負けずに,すでに数多くの和解促進政策に取り組んできている,これから先の道にも多くのチャレンジが我々を待ち受けるが,我々は,スリランカを,繁栄,多様性を考慮した団結,人権・正義・「法の統治」の尊重を達成した「輝く国」に導くことが可能であると信じている,との内容のスピーチを行った。
(9)ファヒル・インドネシア外務副大臣の来訪
ファヒル・インドネシア外務副大臣がスリランカへの協力方針についての協議を行うために当地に来訪し,23日,デシルバ交通・民間航空大臣と協議を行い,スリランカの鉄道の分野で特別な関心を払う旨約束した。同日,ファヒル・インドネシア外務副大臣は,ジョコ・インドネシア大統領発シリセーナ大統領宛の同国への招待状を大統領に手交した。シリセーナ大統領はインドネシアのスリランカ干ばつにたいする米5000トンの支援に謝意を示した。
(10)フォール・セーシェル共和国大統領の来訪
26~27日の日程でフォール・セーシェル共和国大統領が来訪し,27日,シリセーナ大統領を表敬。観光,漁業及び農業の分野で協力関係を強化すべく協議を行った。フォール大統領は,シリセーナ大統領の麻薬撲滅の取組を評価し,二国は諜報機関の情報を共有することで,麻薬密売に対し,協力して取り組む可能性につき言及した。また,シリセーナ大統領を,2018年10月の二国間の国交樹立30年の記念式典に主賓として招待した。同協議には,ベンストロング・セーシェル共和国漁業・農業大臣、ラバレイン・セーシェル共和国大統領府次官及びウィーラコーン大統領府次官が同席した。
(11)ムスタファ州議会・地方議会大臣のインド訪問
ムスタファ州議会・地方議会大臣がインドを訪問し,27日に,ガンディー印女性・児童育成大臣と協議を行った。
(12)インドネシア海軍艦船の寄港
ア 2日,インドネシア海軍艦船,「Kri Sultan Iskandar Muda - 367号」がコロンボ港に補給のために寄港し,5日に出港した。
イ 19日,インドネシア海軍艦がコロンボ港に親善寄港し,22日に出港した。
(13)モディ印首相の当地来訪船予定
新華社通信によると17日,モディ印首相は,5月12日にスリランカで開催予定である国連ウェサック・デー祝典への出席を確約した。ラージャパクサ司法相も同主旨を述べた。同式典には仏教が信仰されている印・中・日・タイ等の国々の代表千人以上が出席する見込み。
(14)スリランカ・インド間の覚書の締結
インドとスリランカは,ポロンナルワ県に多民族・三言語中等学校(multi-ethnic tri-lingual secondary school)を建設する覚書を締結した。同学校建設に向け,インドから3億ルピーが無償資金として提供される。
(15)スリランカ警察特殊部隊(STF)の国連平和維持活動に従事を閣議承認
2月第1週,閣議は,外貨収入となり,かつ国際社会の評価を高めるべく,警察特殊部隊(STF)を国連平和維持軍に派遣することを承認した。スリランカは,140~200名を文民警察部門(Formed Police Unit)に,140名を警察警護部門(Police Guard Unit)に,そして40名をSWATに派遣する考え。