当国情勢
平成30年11月19日
スリランカ情勢(2018年10月)
1 内政
(1)ラージャパクサ前大統領へのSLPPリーダー就任要請
ア 10月1日,SLPPは党の党首を正式にラージャパクサ前大統領に依頼する旨述べ,ピーリスSLPP議長は,SLPPは全国会議開催の準備をしていると発言した。(10月2日付デイリーミラー紙)
イ 10月2日,ラージャパクサ前大統領は,記者の取材に対しSLPPの党首になることを受け入れる準備はできていると述べた。ピーリスSLPP党首は,11月に開催されるSLPP結党記念式典にて正式に依頼すると発言した。(10月4日デイリーミラー紙)
(2)スリランカ警察副長官による大統領暗殺計画疑惑
(3)暫定政権設置を巡る政党間の駆け引き
(4)州議会選挙
ア シリセーナ大統領は,統一人民自由連合(UPFA)執行委員会と州議会選挙に関する協議を行ったが,州議会選挙をどの選挙制度で実施すべきかについての合意がなされず,州議会選挙が実施されない可能性が高まった。アマラウィーラUPFA幹事長を長とする委員会が本件の更なる検討のために任命された。(7日付サンデータイムズ紙)
イ ウィクラマシンハ首相は,統一国民党(UNP)幹部に対して,スリランカ自由党(SLFP)と州議会選挙実施に関する立場を明確にするために議論するよう助言した。情報によれば,首相は選挙制度にかかわらず早期に州議会選挙を実施すべきとの考え。サマラウィーラ財務・マスメディア大臣はSLFPと既に一連の協議を行っており,「ウィ」首相が外遊から戻り次第再度協議予定。(9日付デイリーミラー紙)
ウ 11日,各党の代表は選挙管理委員長と面談し今後の選挙日程につき協議。アキラ・カーリヤワサムUNP幹事長は与党内で協議を行い,10月31日までに委員長に対し立場を表明する旨述べた。
エ 州議会選挙の実施にあたっては,新たに選挙区の区割りを決定する必要があり,10月28日までに現在国会議長に任命された委員会が報告書を提出予定。なお,ウィクラマシンハ首相はシリセーナ大統領に対し報告書提出期限の延長を要請している。デーシャプリヤ選挙管理委員長によると,報告書提出期限の延長にかかる規定は存在しておらず,更に区割りについては国会の承認を得る必要があり見通しは不明である旨述べた。
(13日,16日,17日付デイリーミラー)
(5)20次憲法修正案
最高裁は,20次憲法修正案の一部は,議会の3分の2による承認に加え,国民投票で可決される必要があるとの判断を下した。ディサナヤケ人民解放戦線(JVP)リーダーは,シリセーナ大統領、ラージャパクシャ前大統領,ウィクラマシンハ首相の全員が実権ある大統領制の廃止に誓約している,国民投票に繋がるよう全議員は同修正案を支持すべきであると発言した。(10日付デイリーミラー紙)
(6)テロ防止法(PTA)・テロ対策法(CTA)
9日,テロ防止法(PTA)に代わるテロ対策法(CTA)が国会に提出された。(10日付デイリーミラー紙)
(7)AAVAメンバーの逮捕
9日,ジャフナ警察は北部州で活動を展開している犯罪組織AAVAや暴力団活動に関与する嫌疑者を逮捕する特別捜査を実施。約300名の警察が配置され,3名を逮捕。(10日付デイリーニュース紙)
(8)閣議における大統領の発言(大統領暗殺計画,コロンボ南港東ターミナル開発)
(9)憲法委員会のメンバー選出
10日,国会において憲法委員会(CC)の市民社会代表メンバー3名が承認されたことを受け,(任期切れとなっていた)憲法委員会の活動が再開した。現メンバーは,ジャヤスーリヤ国会議長,ウィクラマシンハ首相,サンパンタン野党リーダーの他,サマラシンハ港湾大臣,アトゥコラーラ司法大臣,チャマル・ラージャパクサ議員,ビマル・ラトナヤケ議員,ジャヤンタ・ダナパーラ氏(元大統領顧問),アハマド・ユスフ氏(弁護士),ナガナータン・セルバクマーラン氏(コロンボ大学元学部長)の10名。同委員会は今後,最高裁長官の他,警察委員会,公共サービス委員会及び人権委員会の委員の選出も行う予定。(11日,15日付デイリーミラー,16日付けデイリーニュース)
(注)CCは,独立委員会の委員や最高裁長官,検事総長などについて候補者を推薦する委員会(任命は大統領)(憲法41条)
(10)最高裁長官の選出
10日,シリセーナ大統領はナリン・ペレーラ最高裁判事を次期最高裁長官とすることで憲法委員会の判断を仰いだ。11日,憲法委員会が同判事を長官とする決定を行い,12日に大統領によって正式に任命された。(13日付デイリーミラー等)
(11)警察庁長官の辞任の可能性
ア プージット・ジャヤスンドラ警察庁長官は,シリセーナ大統領に辞任を要請され,来週にも辞任する予定で,後任にはS.M.ウィクラマシンハ警察庁上級副長官ないしはウィクラマトナ同副長官が就任する予定。(13日付デイリーミラー)
イ 26日深夜,同警察庁長官がラージャパクサ新首相の自宅を訪問し,今後の施策につき意見交換を実施。その後,警察庁長官により全ての警察官に対し休暇の停止命令が出された。
(12)タミル政党の動向
ア 13日,ウィグネーシュワラン北部州知事は北部州議会関係者及び市民社会との会合において,タミル国民連合(TNA)は次期予算審議に際し,予算に賛成する代わりにテロ防止法(PTA)に基づき拘束されている囚人の釈放を条件付けるべきとの見解を表明。スマンティランTNA議員は,TNAの多くの議員は予算案に反対であるものの,17日に行われるシリセーナ大統領との会談を踏まえ対応を検討することになる旨述べた。(15日,17日付デイリーミラー)
イ アーナンディ・サシダラン北部州女性問題・リハビリ担当大臣は,TNAから離脱し,タミル・イーラム自治機関(Self-Governance Organisation)という政党を立ち上げ,次期州議会選挙に臨む旨述べた。(17日付,アイランド紙)
(13)マヒンダ・ラージャパクサ前大統領の首相就任
2 平和構築
補償局設置法案の成立
3 軍事
(1)4日,中国海軍艦船「Hai Yangdao」が4日間の日程で親善のためコロンボ港に寄港した。
(2)11日,インド海軍艦船「Rajiput」が親善のためコロンボ港に寄港した。同艦の艦長は西部管区司令官に表敬を行った。同艦は12日にコロンボ港を出港した。(12日付デイリーニュース紙)
4 外交
(1)フィールド英外務・英連邦省閣外大臣の訪問
ア 5~6日,マーク・フィールド英外務・英連邦省閣外大臣がスリランカを訪問。訪問中,シリセーナ大統領,マーラパナ外務大臣,ジャヤスーリヤ国会議長,マドゥマバンダーラ行政・管理・治安大臣,ムスタファ・スポーツ州議会・地方議会・スポーツ大臣,サンパンタン・タミル前進連合(TNA)代表,市民社会のメンバーや失踪局委員と面会予定。同大臣は,幅広い二国間問題についての協議したい,3月の人権理事会に向けて人権や和解での進捗を支援したい旨発言。(4日付在スリランカ英高等弁務団プレスリリース,5日付デイリーニュース紙)
イ フィールド閣外大臣は,スリランカ訪問に先立ち,シリセーナ大統領の国連総会でのスピーチについて,国連人権理事会決議が国際社会からの干渉とみなされているのは残念(unfortunate)かつ不当(unfair)であると発言した。(5日付デイリーミラー紙)
ウ 6日,スリランカ訪問中のフィールド閣外大臣はサンパンタンTNA代表と面会。同TNA代表は,スリランカの国連人権理決議の履行は遅延している,憲法改革を通してタミル人への権限委譲が行われるべき旨発言。(6日付デイリーニュース紙)
(2)ウィクラマシンハ首相のノルウェー及び英国訪問
(3)シリセーナ大統領のセーシェル訪問
(4)ソーリフ・モルディブ次期大統領との面談
10日,セーシェルより帰国したシリセーナ大統領は,バンダラナイケ国際空港にて,シンガポールに向かうソーリフ・モルディブ次期大統領と面談した。(11日付デイリーミラー紙)
(5)スリランカ・バングラデシュFTA
11日,トファイル・アハマド・バングラデシュ商業大臣は,ダッカにおけるマリク・サマラウィクラマ開発戦略・国際貿易担当大臣との会談後,スリランカ・バングラデシュFTAは10月中に共同フィージビリティ―調査を終え,(12月か1月のバングラデシュ総選挙を前に)現政権下で署名が行われるとの見通しを発表。(13日付デイリーミラー)
(6)インド洋に関するトラック1.5会議
(7)スリランカ・中国FTA
15日,サマラウィクラマ開発戦略・国際貿易担当大臣は,来月上海で開催される国際会議に出席する際に中国側のカウンターパートと面談し,スリランカ・中国FTA交渉の再開について協議する旨述べた。(16日付デイリーミラー)
1 内政
(1)ラージャパクサ前大統領へのSLPPリーダー就任要請
ア 10月1日,SLPPは党の党首を正式にラージャパクサ前大統領に依頼する旨述べ,ピーリスSLPP議長は,SLPPは全国会議開催の準備をしていると発言した。(10月2日付デイリーミラー紙)
イ 10月2日,ラージャパクサ前大統領は,記者の取材に対しSLPPの党首になることを受け入れる準備はできていると述べた。ピーリスSLPP党首は,11月に開催されるSLPP結党記念式典にて正式に依頼すると発言した。(10月4日デイリーミラー紙)
(2)スリランカ警察副長官による大統領暗殺計画疑惑
(3)暫定政権設置を巡る政党間の駆け引き
(4)州議会選挙
ア シリセーナ大統領は,統一人民自由連合(UPFA)執行委員会と州議会選挙に関する協議を行ったが,州議会選挙をどの選挙制度で実施すべきかについての合意がなされず,州議会選挙が実施されない可能性が高まった。アマラウィーラUPFA幹事長を長とする委員会が本件の更なる検討のために任命された。(7日付サンデータイムズ紙)
イ ウィクラマシンハ首相は,統一国民党(UNP)幹部に対して,スリランカ自由党(SLFP)と州議会選挙実施に関する立場を明確にするために議論するよう助言した。情報によれば,首相は選挙制度にかかわらず早期に州議会選挙を実施すべきとの考え。サマラウィーラ財務・マスメディア大臣はSLFPと既に一連の協議を行っており,「ウィ」首相が外遊から戻り次第再度協議予定。(9日付デイリーミラー紙)
ウ 11日,各党の代表は選挙管理委員長と面談し今後の選挙日程につき協議。アキラ・カーリヤワサムUNP幹事長は与党内で協議を行い,10月31日までに委員長に対し立場を表明する旨述べた。
エ 州議会選挙の実施にあたっては,新たに選挙区の区割りを決定する必要があり,10月28日までに現在国会議長に任命された委員会が報告書を提出予定。なお,ウィクラマシンハ首相はシリセーナ大統領に対し報告書提出期限の延長を要請している。デーシャプリヤ選挙管理委員長によると,報告書提出期限の延長にかかる規定は存在しておらず,更に区割りについては国会の承認を得る必要があり見通しは不明である旨述べた。
(13日,16日,17日付デイリーミラー)
(5)20次憲法修正案
最高裁は,20次憲法修正案の一部は,議会の3分の2による承認に加え,国民投票で可決される必要があるとの判断を下した。ディサナヤケ人民解放戦線(JVP)リーダーは,シリセーナ大統領、ラージャパクシャ前大統領,ウィクラマシンハ首相の全員が実権ある大統領制の廃止に誓約している,国民投票に繋がるよう全議員は同修正案を支持すべきであると発言した。(10日付デイリーミラー紙)
(6)テロ防止法(PTA)・テロ対策法(CTA)
9日,テロ防止法(PTA)に代わるテロ対策法(CTA)が国会に提出された。(10日付デイリーミラー紙)
(7)AAVAメンバーの逮捕
9日,ジャフナ警察は北部州で活動を展開している犯罪組織AAVAや暴力団活動に関与する嫌疑者を逮捕する特別捜査を実施。約300名の警察が配置され,3名を逮捕。(10日付デイリーニュース紙)
(8)閣議における大統領の発言(大統領暗殺計画,コロンボ南港東ターミナル開発)
(9)憲法委員会のメンバー選出
10日,国会において憲法委員会(CC)の市民社会代表メンバー3名が承認されたことを受け,(任期切れとなっていた)憲法委員会の活動が再開した。現メンバーは,ジャヤスーリヤ国会議長,ウィクラマシンハ首相,サンパンタン野党リーダーの他,サマラシンハ港湾大臣,アトゥコラーラ司法大臣,チャマル・ラージャパクサ議員,ビマル・ラトナヤケ議員,ジャヤンタ・ダナパーラ氏(元大統領顧問),アハマド・ユスフ氏(弁護士),ナガナータン・セルバクマーラン氏(コロンボ大学元学部長)の10名。同委員会は今後,最高裁長官の他,警察委員会,公共サービス委員会及び人権委員会の委員の選出も行う予定。(11日,15日付デイリーミラー,16日付けデイリーニュース)
(注)CCは,独立委員会の委員や最高裁長官,検事総長などについて候補者を推薦する委員会(任命は大統領)(憲法41条)
(10)最高裁長官の選出
10日,シリセーナ大統領はナリン・ペレーラ最高裁判事を次期最高裁長官とすることで憲法委員会の判断を仰いだ。11日,憲法委員会が同判事を長官とする決定を行い,12日に大統領によって正式に任命された。(13日付デイリーミラー等)
(11)警察庁長官の辞任の可能性
ア プージット・ジャヤスンドラ警察庁長官は,シリセーナ大統領に辞任を要請され,来週にも辞任する予定で,後任にはS.M.ウィクラマシンハ警察庁上級副長官ないしはウィクラマトナ同副長官が就任する予定。(13日付デイリーミラー)
イ 26日深夜,同警察庁長官がラージャパクサ新首相の自宅を訪問し,今後の施策につき意見交換を実施。その後,警察庁長官により全ての警察官に対し休暇の停止命令が出された。
(12)タミル政党の動向
ア 13日,ウィグネーシュワラン北部州知事は北部州議会関係者及び市民社会との会合において,タミル国民連合(TNA)は次期予算審議に際し,予算に賛成する代わりにテロ防止法(PTA)に基づき拘束されている囚人の釈放を条件付けるべきとの見解を表明。スマンティランTNA議員は,TNAの多くの議員は予算案に反対であるものの,17日に行われるシリセーナ大統領との会談を踏まえ対応を検討することになる旨述べた。(15日,17日付デイリーミラー)
イ アーナンディ・サシダラン北部州女性問題・リハビリ担当大臣は,TNAから離脱し,タミル・イーラム自治機関(Self-Governance Organisation)という政党を立ち上げ,次期州議会選挙に臨む旨述べた。(17日付,アイランド紙)
(13)マヒンダ・ラージャパクサ前大統領の首相就任
2 平和構築
補償局設置法案の成立
3 軍事
(1)4日,中国海軍艦船「Hai Yangdao」が4日間の日程で親善のためコロンボ港に寄港した。
(2)11日,インド海軍艦船「Rajiput」が親善のためコロンボ港に寄港した。同艦の艦長は西部管区司令官に表敬を行った。同艦は12日にコロンボ港を出港した。(12日付デイリーニュース紙)
4 外交
(1)フィールド英外務・英連邦省閣外大臣の訪問
ア 5~6日,マーク・フィールド英外務・英連邦省閣外大臣がスリランカを訪問。訪問中,シリセーナ大統領,マーラパナ外務大臣,ジャヤスーリヤ国会議長,マドゥマバンダーラ行政・管理・治安大臣,ムスタファ・スポーツ州議会・地方議会・スポーツ大臣,サンパンタン・タミル前進連合(TNA)代表,市民社会のメンバーや失踪局委員と面会予定。同大臣は,幅広い二国間問題についての協議したい,3月の人権理事会に向けて人権や和解での進捗を支援したい旨発言。(4日付在スリランカ英高等弁務団プレスリリース,5日付デイリーニュース紙)
イ フィールド閣外大臣は,スリランカ訪問に先立ち,シリセーナ大統領の国連総会でのスピーチについて,国連人権理事会決議が国際社会からの干渉とみなされているのは残念(unfortunate)かつ不当(unfair)であると発言した。(5日付デイリーミラー紙)
ウ 6日,スリランカ訪問中のフィールド閣外大臣はサンパンタンTNA代表と面会。同TNA代表は,スリランカの国連人権理決議の履行は遅延している,憲法改革を通してタミル人への権限委譲が行われるべき旨発言。(6日付デイリーニュース紙)
(2)ウィクラマシンハ首相のノルウェー及び英国訪問
(3)シリセーナ大統領のセーシェル訪問
(4)ソーリフ・モルディブ次期大統領との面談
10日,セーシェルより帰国したシリセーナ大統領は,バンダラナイケ国際空港にて,シンガポールに向かうソーリフ・モルディブ次期大統領と面談した。(11日付デイリーミラー紙)
(5)スリランカ・バングラデシュFTA
11日,トファイル・アハマド・バングラデシュ商業大臣は,ダッカにおけるマリク・サマラウィクラマ開発戦略・国際貿易担当大臣との会談後,スリランカ・バングラデシュFTAは10月中に共同フィージビリティ―調査を終え,(12月か1月のバングラデシュ総選挙を前に)現政権下で署名が行われるとの見通しを発表。(13日付デイリーミラー)
(6)インド洋に関するトラック1.5会議
(7)スリランカ・中国FTA
15日,サマラウィクラマ開発戦略・国際貿易担当大臣は,来月上海で開催される国際会議に出席する際に中国側のカウンターパートと面談し,スリランカ・中国FTA交渉の再開について協議する旨述べた。(16日付デイリーミラー)