当国情勢
平成30年11月19日
2018年8月1日 - 8月31日
1 内政
(1)次期州議会選挙
ア 1日,各党リーダーは次期州議会選挙方法について議論したが,結論に至らなかった。マノー・ガネーサンTPAリーダーは,JVP及びSLFP以外の党は選挙実施のさらなる遅れを回避するためにも旧制度(比例代表制)で実施することに合意していると述べた。(3日付デイリーミラー紙)
イ ジャヤスーリヤ国会議長はウィクラマシンハ首相の下に,州議会選挙に関する選挙区画割見直し委員会を任命した。同委員会は二ヶ月以内に報告書を提出することになっている。(5日付サンデーオブザーバー紙)
ウ 9日,州議会選挙が新選挙制度法案のため遅れていることに関し,スマンティランTNA議員は,選挙制度以上に選挙を実施することの方が重要である,州議会選挙法改正に時間を要するのであれば次の州議会選挙は旧制度で実施すべきであり,UNPもJOも同じ見解である,国会の三分の二の多数で新選挙制度法案を廃止して,以前の比例代表制で選挙を行うことは可能と述べた。(11日付デイリーミラー紙)
エ 10日,各党リーダーは24日に議会で州議会選挙に関して特別討論(special debate)を行うことに合意した。(11日付デイリーニュース紙)
オ ラージャパクサ前大統領が,マノー・ガネーサン国民民主戦線(NDF)(国民共存・和解・公式言語大臣),ハキーム・ムスリム会議党首(都市計画・上水大臣),JOを代表するアルハッペルマ,ガンマンピラ,プレマジャヤンタ各議員等と会合を持った際,同前大統領も州議会選挙を旧制度で実施することを支持したことから,全ての政党が旧制度での実施を支持模様。(12日付サンデーオブザーバー紙)
カ ウィクラマシンハ首相は,2019年1月に州議会選挙を実施するのは,州議会選挙法の改正及び区画割りに関する報告書が承認された場合,もしくは選挙を旧制度で行う場合のみであると述べた。(17日付デイリーミラー紙)
キ サマラシンハ港湾・海運大臣は,24日に区画割りに関する報告書について国会で討論を行うと述べた。(17日付デイリーミラー紙)
ク 16日,デーシャプリヤ選挙管理委員長は,区画割りに関する報告書が今月国会で承認されれば,2019年1月に6つの州議会選挙は実施できると述べた。(17日付デイリーミラー紙)
ケ 23日,UNF,JO,TNAは,区画割に関する報告書(Delimination Report)に対して反対の立場を表明した。UNPは,州議会選挙を旧制度で早急に実施することが望ましいと発言し,少数派政党のリーダーたちも,新制度で州議会選挙を実施することは反対であると述べた。また,サマラシンハ港湾・海運大臣は,SLFPは,州議会選挙を新制度である混合制度で実施することに賛成であると発言した。(24日付デイリーニュース紙)
コ 24日,区画割に関する報告書は反対多数で国会の承認を得ることができなかった。本報告書を提出したムスタファ州議会・地方議会・スポーツ大臣を含む出席していた全議員が反対票を投じた。(25日デイリーミラー紙)
サ 24日,ジャヤスーリヤ国会議長は,近日中に区画割に関する報告書を修正する委員を任命すると述べた。「ジャ」国会議長は,この委員会は二ヶ月以内に提言及び修正案を提出することになっており,期限内に承認されれば1月の州議会選挙は実施可能であると述べた。(25日付デイリーミラー紙,27日付デイリーニュース紙)
シ 27日,ジャヤスーリヤ国会議長は,区画割に関する報告書を修正するためのウィクラマシンハ首相を含む5名の委員から成る委員会を設置した。(28日付デイリーミラー紙)
(2)野党リーダー任命について
ア 2日,ジャヤスーリヤ国会議長は,8名のJO議員より,グナワルダナJOリーダーを野党リーダーへ任命するよう要求したレターを受け取っており,UPFAを含む野党の70議員も支持しているため,本件についてアマラウィーラUPFA幹事長の意見を求めると述べた。(3日付デイリーミラー紙)
イ 6日,アマラウィーラUPFA幹事長は野党リーダーについては引き続きサンパンタンTNAリーダーであるべきとUPFAの立場を表明し,ジャヤスーリヤ国会議長にその旨記載したレターを発出した。(7日付デイリーミラー紙)
ウ 10日,ジャヤスーリヤ国会議長は,憲法及び議会の伝統上,野党リーダーを変更することはできないと述べ,このことによりサンパンタンTNA代表が野党リーダーのポストに就いていることの正当性が強化された。(11日付デイリーニュース紙)
(3)憲法改正
ア 6日,ピーリスSLPP会長は,内々に新憲法案ドラフトを入手し確認したところ,ラージャパクサ派に対する憎悪に満ちており,国家の安全を脅かす内容も含まれていると批判した。(7日付デイリーミラー紙)
イ 8日,専門家パネルは,運営委員会に憲法案ドラフトを再提出した。専門家パネルとしての1つの報告書を提出したものであるが,一部の委員のみの見解を記載した資料等も含まれている。(9日付デイリーニュース紙)
ウ 8月31日,スマンティランTNA議員は,全国民に平等な人権を与えるためにも,新憲法は必須であり,シンハラ人は不平等を認識すべき,連邦統治制度を要しているわけではなくタミル人は州議会制度に軽微な変更が加えられれば受け入れると述べた。(9月1日付デイリーニュース紙)
(4)ラージャパクサ前国防次官のメディア・スポークスマン
6日,ゴタバヤ・ラージャパクサ前国防次官は,自身のメディア・スポークスマンとして,コロンボ市議会のミリンダ・ラージャパクサSLPP議員を任命した。(7日付デイリーミラー紙)
(5)スリランカ・シンガポール間のFTA
シリセーナ大統領は,スリランカ・シンガポール間のFTAに関する専門家委員会を設置し,同FTAについて分析し報告書を提出するよう指示した。同委員会は2ヶ月以内に最終報告書を提出することが求められている。(13日付デイリーニュース紙)
(6)JOの議会での独立
15日,アマラウィーラUPFA幹事長は,JOが国会において独立グループとして活動することについて,JOが書簡にて,右を希望する旨表明した場合には検討すると述べた。(16日付デイリーニュース紙)
(7)ラージャパクサ前大統領の次期大統領選挙参加資格
ア 19日,ラージャパクサ高等教育・文化大臣は,ラージャパクサ前大統領は次期大統領選挙の候補者となる資格はない,第19次憲法修正は過去に大統領を二期務めた者は大統領選挙に候補者として参加する資格はないものとしていると述べた。(20日付デイリーニュース紙)
イ 20日,ピーリスSLPP党首は,ラージャパクサ前大統領が次期大統領選挙の候補者となりうる可能性について,近日中に地方裁判所の見解を求めると述べた。(21日付アイランド紙)
2 平和構築
(1)OMPによる人骨収拾作業支援
4日,ピーリスOMP委員長は,マナーで行われている人骨収拾作業への支援の一環として,法医学専門家の交通費や食費等の必要経費をOMPが負担すると述べた。(5日付サンデーオブザーバー紙)
(2)赤磐市長及びAMDA一行のスリランカ訪問
7日,赤磐市長及び日本の中高生を含むAMDA一行は,ONURを訪問し,教育に関する和解プログラムについて会談した。ジャヤシンハONUR局長は長年の日本の支援に対して感謝の意を表明した。(9日付デイリーニュース紙)
(3)インドにいる難民のスリランカ帰還予定
ア 8日,ウィクラマシンハ首相は国会にて,紛争中にインドに渡り同地に滞在する3,851名のスリランカ難民が帰還に同意し,インド政府が移送することに合意した旨,インド政府から連絡があったと報告した。(9日付デイリーニュース紙)
イ 16日,モウラナ国民共存・和解・公式言語副大臣は,南インドのタミル・ナードゥ州で行われた集会にて,スリランカは平穏を取り戻したため,インドにいるスリランカ難民は母国に帰還するよう述べた。公式統計によると,タミル・ナードゥ州の110のキャンプに6万5千人,キャンプ外に3万5千人のスリランカ難民が存在。(17日付デイリーニュース紙)
(4)北・東部への英国の支援
北・東部において,新たに解放された土地に約600世帯が再定住したことに関し,英国は彼らを対象に道路,井戸,衛生サービス等の百万ポンド相当の支援を実施する。(15日付アイランド紙)
(5)土地の返還
22日,スリランカ軍は,カンカサントゥレイ地域でこれまで軍隊によって使用されていた4.2エーカー相当の土地を元々の所有者に返還した。(23日付デイリーミラー紙)
(6)失踪者局(OMP)の中間報告書
30日,失踪者局は,失踪者に関する勧告内容を含んだ中間報告書を完成させた。同報告書は,9月5日にシリセーナ大統領に提出される予定。(30日付デイリーニュース紙)
(7)戦争犯罪や人権侵害に関する特別裁判所設置
8月30日,シヴァジリンガムTNA議員が国連人権理事会に以前提案した,国際刑事裁判所または国際的な監督下でスリランカで起きた戦争犯罪や人権侵害について審理をする特別裁判所設置について,北部州議会は満場一致で承認した。(8月31日付デイリーミラー紙)
3 軍事
(1)海自P-3Cのマッタラ・ラージャパクサ空港寄港
5日,マッタラ・ラージャパクサ空港に寄港中の海上自衛隊P-3Cが,スリランカ軍と対潜水艦戦及び対航空機の訓練を行った(ママ)。同機は4日~6日の予定でマッタラ空港に寄航している。(7日付デイリーニュース紙)
(2)米軍による人道支援活動の実施
7日,アヌラーダプラ近辺において,米軍とスリランカ軍の共同人道支援活動「Pacific Angel 2018」が開始された。本活動には米軍とスリランカ軍の他にスリランカのNGO等が参加し,アヌラーダプラやコロンボ,ワウニヤといった地域で医療活動や学校建設支援活動等が実施される。(7日付デイリーニュース紙)
(3)ニュージーランド空軍機のマッタラ・ラージャパクサ空港寄港
10日,ニュージーランド空軍のC-130輸送機がマッタラ・ラージャパクサ空港に寄港した。同機はインドネシアからドバイに向かう途中,同空港において給油等を実施した。(10日付デイリーミラー紙)
(4)スリランカ海兵隊のRIMPAC参加
7日,ハワイ及び南カリフォルニアで実施されていた多国籍訓練RIMPACに参加していたスリランカ海軍海兵隊が帰還した。今年のRIMPACには25ヶ国から約25,000人の将兵,47隻の船及び5隻の潜水艦が参加した。(11日付デイリーニュース紙)
(5)ロシアとスリランカの防衛協力
14日,ロシアとスリランカの軍事協力に関する協定案が閣議に提出された。スリランカ国防省高官によれば,ロシアはスリランカ軍に対して訓練を提供する他,スリランカ軍主催の演習に参加する。シリセーナ政権下では米国との軍事協力が進展している他,中国やインドもスリランカ軍に対して訓練や教育の機会を提供している。(12日付サンデータイムス)
(6)米スリランカ両軍の医療交流
17日,コロンボ市内の陸軍病院において,戦場での外傷に関する軍事医療の意見交換が行われた。米軍はウォルターリード軍医療センターから,スリランカ軍は軍医療部隊から参加者があった。(20日付デイリーミラー紙)
(7)海自護衛艦のトリンコマリー港寄港
20日,海自護衛艦「いかづち」がトリンコマリー港に寄港した。22日に出港する予定。(20日付国防省ニュースサイト)
(8)スリランカ海軍艦船が豪主催演習に参加
20日,スリランカ海軍哨戒艦「Sindurala」が豪で実施される多国間海軍演習「KAKADU2018」に参加するためトリンコマリー港を出港した。同演習は豪ダーウィン地域において実施され,26ヶ国が参加して捜索救難活動や災害対処活動等が行われる予定。(21日付国防省ニュースサイト)
(9)米沿岸警備隊艦船のスリランカ海軍への引き渡し
27日,米ハワイにおいて米沿岸警備隊艦船「Sherman」のスリランカ海軍への引渡式が実施された。115m級の同艦は2019年4月にスリランカに到着し,スリランカ周辺海域の監視や調査任務等に使用される予定。(28日付国防省ニュースサイト)
4 外交
(1)スコットランド・コモンウェルス事務局長のスリランカ訪問
ア 1日~4日にスリランカを訪問したスコットランド・コモンウェルス事務局長は,ウィクラマシンハ首相を表敬し,スリランカの健康管理分野に関する貢献を賞賛し,海洋,気候変動,貿易等に関して議論した。マーラパナ外務大臣との会談においては,スリランカの世界のマングローブ育成における役割を含む2018年のコモンウェルス首脳会議で委託された事項の実行につき議論した。サマラウィクラマ開発戦略・国際貿易大臣との会談において同大臣はスリランカの起業家戦略をもってコモンウェルスのイノベーション,ハブ構想に貢献すると述べた。(3日付デイリーミラー紙)
イ 3日,「ス」事務局長は,サンパンタンTNAリーダーと会談し,同リーダーは憲法改革や他の和解に関する事項について政府は公約したものの実施が遅く不十分であると説明し,同事務局長は民主主義の推進,法の支配,ガバナンス向上,環境問題の分野や憲法改革に関して引き続きコモンウェルスはスリランカを支援すると述べた。(6日付デイリーミラー紙)
ウ ウダガマ・スリランカ人権委員委員長は,「ス」事務局長に対し,より一層の人権保護のために技術協力支援が必要であると述べた。(6日付アイランド紙)
(2)シモネッタ・スイス連邦参議会司法・警察担当長のスリランカ訪問
6日,スリランカ訪問中のシモネッタ・ソマルーガ・スイス連邦参事会員(司法相)はナーウィンナ出入国管理大臣との間で,移住パートナーシップ構築に関するMOUに署名した。(7日付デイリーミラー紙)
(3)米国平和部隊の契約調印
米国の対スリランカ開発支援プログラムである平和部隊は,9日,教育省との間での活動を促進させるためのMOUに署名した米国平和部隊は1998年にプログラムを終了していたが,今年始め,外務大臣との間で英語学習に特化した活動再開について合意していた。(10日付デイリーニュース紙)
(4)イラン原油輸入支払いにおけるスリランカルピー使用
14日,米国の下した制裁によって米国ドルでの国際取引が難航しているイランは,スリランカが引き続き原油を輸入できるようにするために支払いにスリランカルピーを使用することに合意した。(15日付デイリーミラー紙)
(5)キリエッラ大臣のインド訪問
キリエッラ国営企業開発・キャンディ都市開発大臣は(バシパイ元首相葬儀に出席する政府特使),インドを訪問し,スワラージ印外相と二国間協力について議論した。(21日付デイリーミラー紙)
(6)小野寺防衛大臣のスリランカ訪問
20~22日,小野寺防衛大臣はスリランカを訪問し,コロンボ港,トリンコマリー港やハンバントタ港の視察をした。訪問中,同大臣はシリセーナ大統領及びウィクラマシンハ首相を表敬した。(22日付デイリーミラー紙,23日付デイリーニュース紙,23日付アイランド紙)
(7)ウィクラマシンハ首相のベトナム訪問
(8)マーラパナ外務大臣のマレーシア訪問
27日,マレーシアを訪問中のマーラパナ外務大臣は,アブドゥッラー・マレーシア外務大臣とスリランカとマレーシア間の正式な二国間協議設立に関して意見交換をし,今後の二国間関係の可能性について議論した。(28日付デイリーミラー紙)
(9)中根外務副大臣のスリランカ訪問
29日,スリランカを訪問中の中根外務副大臣は,ウィクラマシンハ首相を表敬した。「ウィ」首相は,日本のキャンディ・メガポリス開発計画や高速道路建設について感謝を表し,同外務副大臣は今後も二国間関係を強化していきたい旨述べた。(30日付デイリーニュース紙)
(10)シリセーナ大統領のネパール訪問
(11)ジャヤスーリヤ国会議長の韓国訪問
8月27~30日,ジャヤスーリヤ国会議長は韓国国会議長の招きで韓国を訪問し,ナクヨン首相,ヒサン国会議長,スンホ韓国スリランカ友好協会会長等を表敬し,今後二国間でハイレベルによる訪問を増やし,議会間協力を強化することに関して議論した。(9月3日付デイリーニュース紙)
(1)次期州議会選挙
ア 1日,各党リーダーは次期州議会選挙方法について議論したが,結論に至らなかった。マノー・ガネーサンTPAリーダーは,JVP及びSLFP以外の党は選挙実施のさらなる遅れを回避するためにも旧制度(比例代表制)で実施することに合意していると述べた。(3日付デイリーミラー紙)
イ ジャヤスーリヤ国会議長はウィクラマシンハ首相の下に,州議会選挙に関する選挙区画割見直し委員会を任命した。同委員会は二ヶ月以内に報告書を提出することになっている。(5日付サンデーオブザーバー紙)
ウ 9日,州議会選挙が新選挙制度法案のため遅れていることに関し,スマンティランTNA議員は,選挙制度以上に選挙を実施することの方が重要である,州議会選挙法改正に時間を要するのであれば次の州議会選挙は旧制度で実施すべきであり,UNPもJOも同じ見解である,国会の三分の二の多数で新選挙制度法案を廃止して,以前の比例代表制で選挙を行うことは可能と述べた。(11日付デイリーミラー紙)
エ 10日,各党リーダーは24日に議会で州議会選挙に関して特別討論(special debate)を行うことに合意した。(11日付デイリーニュース紙)
オ ラージャパクサ前大統領が,マノー・ガネーサン国民民主戦線(NDF)(国民共存・和解・公式言語大臣),ハキーム・ムスリム会議党首(都市計画・上水大臣),JOを代表するアルハッペルマ,ガンマンピラ,プレマジャヤンタ各議員等と会合を持った際,同前大統領も州議会選挙を旧制度で実施することを支持したことから,全ての政党が旧制度での実施を支持模様。(12日付サンデーオブザーバー紙)
カ ウィクラマシンハ首相は,2019年1月に州議会選挙を実施するのは,州議会選挙法の改正及び区画割りに関する報告書が承認された場合,もしくは選挙を旧制度で行う場合のみであると述べた。(17日付デイリーミラー紙)
キ サマラシンハ港湾・海運大臣は,24日に区画割りに関する報告書について国会で討論を行うと述べた。(17日付デイリーミラー紙)
ク 16日,デーシャプリヤ選挙管理委員長は,区画割りに関する報告書が今月国会で承認されれば,2019年1月に6つの州議会選挙は実施できると述べた。(17日付デイリーミラー紙)
ケ 23日,UNF,JO,TNAは,区画割に関する報告書(Delimination Report)に対して反対の立場を表明した。UNPは,州議会選挙を旧制度で早急に実施することが望ましいと発言し,少数派政党のリーダーたちも,新制度で州議会選挙を実施することは反対であると述べた。また,サマラシンハ港湾・海運大臣は,SLFPは,州議会選挙を新制度である混合制度で実施することに賛成であると発言した。(24日付デイリーニュース紙)
コ 24日,区画割に関する報告書は反対多数で国会の承認を得ることができなかった。本報告書を提出したムスタファ州議会・地方議会・スポーツ大臣を含む出席していた全議員が反対票を投じた。(25日デイリーミラー紙)
サ 24日,ジャヤスーリヤ国会議長は,近日中に区画割に関する報告書を修正する委員を任命すると述べた。「ジャ」国会議長は,この委員会は二ヶ月以内に提言及び修正案を提出することになっており,期限内に承認されれば1月の州議会選挙は実施可能であると述べた。(25日付デイリーミラー紙,27日付デイリーニュース紙)
シ 27日,ジャヤスーリヤ国会議長は,区画割に関する報告書を修正するためのウィクラマシンハ首相を含む5名の委員から成る委員会を設置した。(28日付デイリーミラー紙)
(2)野党リーダー任命について
ア 2日,ジャヤスーリヤ国会議長は,8名のJO議員より,グナワルダナJOリーダーを野党リーダーへ任命するよう要求したレターを受け取っており,UPFAを含む野党の70議員も支持しているため,本件についてアマラウィーラUPFA幹事長の意見を求めると述べた。(3日付デイリーミラー紙)
イ 6日,アマラウィーラUPFA幹事長は野党リーダーについては引き続きサンパンタンTNAリーダーであるべきとUPFAの立場を表明し,ジャヤスーリヤ国会議長にその旨記載したレターを発出した。(7日付デイリーミラー紙)
ウ 10日,ジャヤスーリヤ国会議長は,憲法及び議会の伝統上,野党リーダーを変更することはできないと述べ,このことによりサンパンタンTNA代表が野党リーダーのポストに就いていることの正当性が強化された。(11日付デイリーニュース紙)
(3)憲法改正
ア 6日,ピーリスSLPP会長は,内々に新憲法案ドラフトを入手し確認したところ,ラージャパクサ派に対する憎悪に満ちており,国家の安全を脅かす内容も含まれていると批判した。(7日付デイリーミラー紙)
イ 8日,専門家パネルは,運営委員会に憲法案ドラフトを再提出した。専門家パネルとしての1つの報告書を提出したものであるが,一部の委員のみの見解を記載した資料等も含まれている。(9日付デイリーニュース紙)
ウ 8月31日,スマンティランTNA議員は,全国民に平等な人権を与えるためにも,新憲法は必須であり,シンハラ人は不平等を認識すべき,連邦統治制度を要しているわけではなくタミル人は州議会制度に軽微な変更が加えられれば受け入れると述べた。(9月1日付デイリーニュース紙)
(4)ラージャパクサ前国防次官のメディア・スポークスマン
6日,ゴタバヤ・ラージャパクサ前国防次官は,自身のメディア・スポークスマンとして,コロンボ市議会のミリンダ・ラージャパクサSLPP議員を任命した。(7日付デイリーミラー紙)
(5)スリランカ・シンガポール間のFTA
シリセーナ大統領は,スリランカ・シンガポール間のFTAに関する専門家委員会を設置し,同FTAについて分析し報告書を提出するよう指示した。同委員会は2ヶ月以内に最終報告書を提出することが求められている。(13日付デイリーニュース紙)
(6)JOの議会での独立
15日,アマラウィーラUPFA幹事長は,JOが国会において独立グループとして活動することについて,JOが書簡にて,右を希望する旨表明した場合には検討すると述べた。(16日付デイリーニュース紙)
(7)ラージャパクサ前大統領の次期大統領選挙参加資格
ア 19日,ラージャパクサ高等教育・文化大臣は,ラージャパクサ前大統領は次期大統領選挙の候補者となる資格はない,第19次憲法修正は過去に大統領を二期務めた者は大統領選挙に候補者として参加する資格はないものとしていると述べた。(20日付デイリーニュース紙)
イ 20日,ピーリスSLPP党首は,ラージャパクサ前大統領が次期大統領選挙の候補者となりうる可能性について,近日中に地方裁判所の見解を求めると述べた。(21日付アイランド紙)
2 平和構築
(1)OMPによる人骨収拾作業支援
4日,ピーリスOMP委員長は,マナーで行われている人骨収拾作業への支援の一環として,法医学専門家の交通費や食費等の必要経費をOMPが負担すると述べた。(5日付サンデーオブザーバー紙)
(2)赤磐市長及びAMDA一行のスリランカ訪問
7日,赤磐市長及び日本の中高生を含むAMDA一行は,ONURを訪問し,教育に関する和解プログラムについて会談した。ジャヤシンハONUR局長は長年の日本の支援に対して感謝の意を表明した。(9日付デイリーニュース紙)
(3)インドにいる難民のスリランカ帰還予定
ア 8日,ウィクラマシンハ首相は国会にて,紛争中にインドに渡り同地に滞在する3,851名のスリランカ難民が帰還に同意し,インド政府が移送することに合意した旨,インド政府から連絡があったと報告した。(9日付デイリーニュース紙)
イ 16日,モウラナ国民共存・和解・公式言語副大臣は,南インドのタミル・ナードゥ州で行われた集会にて,スリランカは平穏を取り戻したため,インドにいるスリランカ難民は母国に帰還するよう述べた。公式統計によると,タミル・ナードゥ州の110のキャンプに6万5千人,キャンプ外に3万5千人のスリランカ難民が存在。(17日付デイリーニュース紙)
(4)北・東部への英国の支援
北・東部において,新たに解放された土地に約600世帯が再定住したことに関し,英国は彼らを対象に道路,井戸,衛生サービス等の百万ポンド相当の支援を実施する。(15日付アイランド紙)
(5)土地の返還
22日,スリランカ軍は,カンカサントゥレイ地域でこれまで軍隊によって使用されていた4.2エーカー相当の土地を元々の所有者に返還した。(23日付デイリーミラー紙)
(6)失踪者局(OMP)の中間報告書
30日,失踪者局は,失踪者に関する勧告内容を含んだ中間報告書を完成させた。同報告書は,9月5日にシリセーナ大統領に提出される予定。(30日付デイリーニュース紙)
(7)戦争犯罪や人権侵害に関する特別裁判所設置
8月30日,シヴァジリンガムTNA議員が国連人権理事会に以前提案した,国際刑事裁判所または国際的な監督下でスリランカで起きた戦争犯罪や人権侵害について審理をする特別裁判所設置について,北部州議会は満場一致で承認した。(8月31日付デイリーミラー紙)
3 軍事
(1)海自P-3Cのマッタラ・ラージャパクサ空港寄港
5日,マッタラ・ラージャパクサ空港に寄港中の海上自衛隊P-3Cが,スリランカ軍と対潜水艦戦及び対航空機の訓練を行った(ママ)。同機は4日~6日の予定でマッタラ空港に寄航している。(7日付デイリーニュース紙)
(2)米軍による人道支援活動の実施
7日,アヌラーダプラ近辺において,米軍とスリランカ軍の共同人道支援活動「Pacific Angel 2018」が開始された。本活動には米軍とスリランカ軍の他にスリランカのNGO等が参加し,アヌラーダプラやコロンボ,ワウニヤといった地域で医療活動や学校建設支援活動等が実施される。(7日付デイリーニュース紙)
(3)ニュージーランド空軍機のマッタラ・ラージャパクサ空港寄港
10日,ニュージーランド空軍のC-130輸送機がマッタラ・ラージャパクサ空港に寄港した。同機はインドネシアからドバイに向かう途中,同空港において給油等を実施した。(10日付デイリーミラー紙)
(4)スリランカ海兵隊のRIMPAC参加
7日,ハワイ及び南カリフォルニアで実施されていた多国籍訓練RIMPACに参加していたスリランカ海軍海兵隊が帰還した。今年のRIMPACには25ヶ国から約25,000人の将兵,47隻の船及び5隻の潜水艦が参加した。(11日付デイリーニュース紙)
(5)ロシアとスリランカの防衛協力
14日,ロシアとスリランカの軍事協力に関する協定案が閣議に提出された。スリランカ国防省高官によれば,ロシアはスリランカ軍に対して訓練を提供する他,スリランカ軍主催の演習に参加する。シリセーナ政権下では米国との軍事協力が進展している他,中国やインドもスリランカ軍に対して訓練や教育の機会を提供している。(12日付サンデータイムス)
(6)米スリランカ両軍の医療交流
17日,コロンボ市内の陸軍病院において,戦場での外傷に関する軍事医療の意見交換が行われた。米軍はウォルターリード軍医療センターから,スリランカ軍は軍医療部隊から参加者があった。(20日付デイリーミラー紙)
(7)海自護衛艦のトリンコマリー港寄港
20日,海自護衛艦「いかづち」がトリンコマリー港に寄港した。22日に出港する予定。(20日付国防省ニュースサイト)
(8)スリランカ海軍艦船が豪主催演習に参加
20日,スリランカ海軍哨戒艦「Sindurala」が豪で実施される多国間海軍演習「KAKADU2018」に参加するためトリンコマリー港を出港した。同演習は豪ダーウィン地域において実施され,26ヶ国が参加して捜索救難活動や災害対処活動等が行われる予定。(21日付国防省ニュースサイト)
(9)米沿岸警備隊艦船のスリランカ海軍への引き渡し
27日,米ハワイにおいて米沿岸警備隊艦船「Sherman」のスリランカ海軍への引渡式が実施された。115m級の同艦は2019年4月にスリランカに到着し,スリランカ周辺海域の監視や調査任務等に使用される予定。(28日付国防省ニュースサイト)
4 外交
(1)スコットランド・コモンウェルス事務局長のスリランカ訪問
ア 1日~4日にスリランカを訪問したスコットランド・コモンウェルス事務局長は,ウィクラマシンハ首相を表敬し,スリランカの健康管理分野に関する貢献を賞賛し,海洋,気候変動,貿易等に関して議論した。マーラパナ外務大臣との会談においては,スリランカの世界のマングローブ育成における役割を含む2018年のコモンウェルス首脳会議で委託された事項の実行につき議論した。サマラウィクラマ開発戦略・国際貿易大臣との会談において同大臣はスリランカの起業家戦略をもってコモンウェルスのイノベーション,ハブ構想に貢献すると述べた。(3日付デイリーミラー紙)
イ 3日,「ス」事務局長は,サンパンタンTNAリーダーと会談し,同リーダーは憲法改革や他の和解に関する事項について政府は公約したものの実施が遅く不十分であると説明し,同事務局長は民主主義の推進,法の支配,ガバナンス向上,環境問題の分野や憲法改革に関して引き続きコモンウェルスはスリランカを支援すると述べた。(6日付デイリーミラー紙)
ウ ウダガマ・スリランカ人権委員委員長は,「ス」事務局長に対し,より一層の人権保護のために技術協力支援が必要であると述べた。(6日付アイランド紙)
(2)シモネッタ・スイス連邦参議会司法・警察担当長のスリランカ訪問
6日,スリランカ訪問中のシモネッタ・ソマルーガ・スイス連邦参事会員(司法相)はナーウィンナ出入国管理大臣との間で,移住パートナーシップ構築に関するMOUに署名した。(7日付デイリーミラー紙)
(3)米国平和部隊の契約調印
米国の対スリランカ開発支援プログラムである平和部隊は,9日,教育省との間での活動を促進させるためのMOUに署名した米国平和部隊は1998年にプログラムを終了していたが,今年始め,外務大臣との間で英語学習に特化した活動再開について合意していた。(10日付デイリーニュース紙)
(4)イラン原油輸入支払いにおけるスリランカルピー使用
14日,米国の下した制裁によって米国ドルでの国際取引が難航しているイランは,スリランカが引き続き原油を輸入できるようにするために支払いにスリランカルピーを使用することに合意した。(15日付デイリーミラー紙)
(5)キリエッラ大臣のインド訪問
キリエッラ国営企業開発・キャンディ都市開発大臣は(バシパイ元首相葬儀に出席する政府特使),インドを訪問し,スワラージ印外相と二国間協力について議論した。(21日付デイリーミラー紙)
(6)小野寺防衛大臣のスリランカ訪問
20~22日,小野寺防衛大臣はスリランカを訪問し,コロンボ港,トリンコマリー港やハンバントタ港の視察をした。訪問中,同大臣はシリセーナ大統領及びウィクラマシンハ首相を表敬した。(22日付デイリーミラー紙,23日付デイリーニュース紙,23日付アイランド紙)
(7)ウィクラマシンハ首相のベトナム訪問
(8)マーラパナ外務大臣のマレーシア訪問
27日,マレーシアを訪問中のマーラパナ外務大臣は,アブドゥッラー・マレーシア外務大臣とスリランカとマレーシア間の正式な二国間協議設立に関して意見交換をし,今後の二国間関係の可能性について議論した。(28日付デイリーミラー紙)
(9)中根外務副大臣のスリランカ訪問
29日,スリランカを訪問中の中根外務副大臣は,ウィクラマシンハ首相を表敬した。「ウィ」首相は,日本のキャンディ・メガポリス開発計画や高速道路建設について感謝を表し,同外務副大臣は今後も二国間関係を強化していきたい旨述べた。(30日付デイリーニュース紙)
(10)シリセーナ大統領のネパール訪問
(11)ジャヤスーリヤ国会議長の韓国訪問
8月27~30日,ジャヤスーリヤ国会議長は韓国国会議長の招きで韓国を訪問し,ナクヨン首相,ヒサン国会議長,スンホ韓国スリランカ友好協会会長等を表敬し,今後二国間でハイレベルによる訪問を増やし,議会間協力を強化することに関して議論した。(9月3日付デイリーニュース紙)