当国情勢

平成30年2月2日

2018年1月1日 - 1月31日

1 内政
  • 地方議会選挙を巡る動き
ア UNPの動き
(ア)1月2日,ウィクラマシンハ首相は地方議会選挙における報道のガイドラインについての官報に署名した。本ガイドラインは自由で公正な選挙実現のためのメディアの行動について明白にしている。(3日付アイランド紙)
(イ)29日,ウィクラマシンハ首相は演説で,統一国民戦線(UNF)のリーダーらはUNFが国会で多数を占めているので,2020年まで政権を維持することを決定した旨述べた。(30日付デイリーニュース紙)
(ウ)ウィクラマシンハ首相はUNPの友党党首との会議の場で,カルナナヤケ前外相がUNP副総裁を辞任するのが望ましいと述べた由。(30日付デイリーミラー紙)
(エ)30日,ウィクラマシンハ首相は閣議で,マーラパナ委員会によるカルナナヤケ前外相のUNP副総裁の辞任及び党のための政治活動の停止の提案を実施すべきと述べた。しかしながら「カ」前外相はこの要求を拒んでいる由。(31日付デイリーミラー紙)
 
イ SLFP/UPFAの動き
(ア)ディサナヤケSLFP幹事長は,ラージャパクサ前大統領はSLFPを分裂させることで党を危険に晒し,憲法修正の試みを妨害している,SLFP党員に自らの党に反する活用を行う権利はない旨述べた。(15日付デイリーニュース紙)
(イ)14日,シリセーナ大統領は選挙集会で,新党の党員登録もしていない者が,人々にその党に投票するよう呼びかけるのは滑稽である,新党結成を望む者はSLFPを去るべきである旨述べた。(16日付デイリーニュース紙)
(ウ)20日,シリセーナ大統領は選挙演説で,国の経済の管理は過去3年UNPが担ってきたが,今年からは自分が掌握する,3ヶ月前に国家経済評議会を任命し経済を管理することで人々に救済を提供している旨述べた。(21日付サンデータイムズ紙)
(エ)22日,プレマジャヤンタ科学・技術・研究大臣は,「国家と国民,より強化された自由に向けて」と題した地方議会選挙用のUPFAのマニフェストを発表した。(23日デイリーニュース紙)
(オ)26日,シリセーナ大統領は記者団に対し,これまでの大統領の中で,首相職を経ることなく閣僚から直接大統領になったのは自分が初めてであり,2期目について考える前にやるべきことが多くあるとして,2019年の次期大統領選挙に立候補するかどうか,何らの決定もしていない旨述べた。(27日付デイリーニュース紙)
(カ)26日,シリセーナ大統領は記者団に対し,前政権下の犯罪者の訴追が遅れていることについて,ウィクラマシンハ首相及び法務長官を非難した。(28日付アイランド紙)
(キ)26日,シリセーナ大統領は,過去3年の国の歳入は政治家とつながりのある民間会社に流れ出たことで大きな損失を被った旨述べた。また同大統領は,2014年までの10年間で外国からの借款や贈与で得た計9兆ルピーが使途不明となっていると述べた。(27日付デイリーミラー紙,アイランド紙)
(ク)28日,シリセーナ大統領はラトナプラでの演説で,自分は賄賂や汚職に反対する,罪を犯したものはその立場に関わらず法的措置をとる,賄賂や汚職のない政権を作る必要がある,UPFAの96議員が全員自分を支持してくれるのならSLFP政権を樹立すると述べた。(29日付デイリーニュース紙)
(ケ)29日,プレマジャヤンタ科学・技術大臣は記者会見で,大統領には報じられているような,UPFAの96議員の支持があれば新政権を樹立するという意図はない旨述べた。(30日付デイリーニュース紙)
(コ)セネウィラトネ労働・労働組合関係大臣(SLFP)は演説で,SLFP内の反対グループはシリセーナ大統領によるSLFP政権の樹立の提案を受け入れるべきと呼びかけると共に,G.L.ピーリス氏やバシル・ラージャパクサ前SLFPナショナル・オーガナイザーは統一野党及びSLPPの力を過剰評価していると述べた。(2月1日付アイランド紙)
 
ウ 統一野党(JO)の動き
(ア)13日,統一野党のディルム・アムヌガマ議員はSLPPの集会で,ジャフナの学生が大学受験のためのAレベル試験で全国2位の成績を収めることができたのは,ラージャパクサ前政権がテロを駆逐し北・東部の開発を進めたからであり,北・東部がテロリストの支配下にあれば達成できなかった,UNPはテロの駆逐に失敗し,現在の大統領は国の資産を外国人に売り渡していると述べた。(15日付アイランド紙)
(イ)17日,アラハッペルマ統一野党(JO)議員は,2月10日の地方議会選挙は現在の「良い統治」政権への国民投票となる旨述べた。(18日付アイランド紙)
(ウ)ラージャパクサ前大統領は声明で,JVPとTNAは政府と内々,緊密に連携している,国民は無能な「良い統治」政府と,同様に無能な「良い統治」野党に牛耳られようとしていることを認識すべきであると述べた。(22日付アイランド紙)
(エ)28日,ラージャパクサ前大統領は,シリセーナ大統領によるSLPPとSLFPを統合して政権を樹立するとの提案は策略に過ぎない,もし我々が同大統領の下にあるSLFPに合流すれば,多くの票を失うであろう,なぜなら人々は同大統領のリーダーシップの下のSLFPに嫌気がさしているからであると述べた。(29日付アイランド紙)
(オ)29日,G.L. ピーリスSLPP党首は,J.R.ジャヤワルダナ大統領は選挙での敗北を心配して当時のシリマヴォ・バンダラナイケ首相の市民権をはく奪した,同様にラージャパクサ前大統領の市民権をはく奪して国民の反応を見てみると良いと述べた。(30日付デイリーミラー紙)
 
(2)中央銀行の国債売却を巡る汚職疑惑
ア 1日,ラージャパクサ前大統領は生活費高騰と中央銀行の国債売却を巡る汚職疑惑は,地方議会選挙においてUNPにとって深刻な痛手となるであろうと述べた。(2日付アイランド紙)
イ 3日,シリセーナ大統領はSPCの報告書は政府がカルナナヤケ前大臣に対し,ペントハウスを巡る汚職容疑,また委員会への虚偽報告の罪で法的措置をとることを促していると述べた。また同大統領は,自分はこれらの委員会を特定の政党を標的にするために任命したことはないと述べた。(4日付デイリーミラー紙)
ウ 2人の最高裁判事と元司法長官による11か月の調査により,前中銀総裁の義理の息子で国債ディーラーのアルジュン・アローシアスが市場で不正な利益をあげたことが判明した。調査により,前中銀総裁を任命したウィクラマシンハ首相と大統領の間に緊張が生じた。今次調査報告書はラージャパクサ前政権時代の2008年以降の時期についても法的会計検査を行うことを提唱している。(4日付デイリーエクスプレス紙)
エ 3日,国債汚職疑惑の大統領委員会のウドゥガンスーリヤ事務局長は報告書の一般公開は大統領の特権であり,委員会が公開することはない旨述べた。(4日付アイランド紙)
オ 3日,シリセーナ大統領は声明で,国債汚職疑惑に関し,失われた111.45億ルピーを回収し,違反者に法的措置をとって罰すると述べた。また大統領は,調査委員会によると損失の内85.29億ルピーはEPF(Employees' Provident Fund;退職金準備基金),マハポラ奨学基金,国家貯蓄銀行,スリランカ保険機関から拠出されたと述べた。報告書は,マヘンドラン前中銀総裁が,虚偽且つ通常の手続きに則らない意思決定システムにより国債発行に介入し,また秘密情報を外部に漏らしたと指摘した。(4日付デイリーニュース紙)
カ 4日,G.L.ピーリス元外相は,大統領は損失額を回収すると述べたが,シンガポール人であるマヘンドラン前中銀総裁は窃取した金は密かに持ち去っているはずであり,また外国人である同氏の訴追は犯罪人引き渡し法を適用する必要があるが,長期且つ複雑な手続きとなるので,資金の回収や前総裁の訴追は現実的には困難であると述べた。また,国債を巡る2回目の汚職はシリセーナ大統領が国会を解散した後に発生しており,同大統領が国会を解散せず国会国営企業監視委員会(COPE)の調査が継続されていれば発生していなかったとして同大統領を非難した。
キ 4日,アマラウィーラUPFA幹事長は統一野党やJVPの要求通り,可能な限り早期に国債汚職疑惑に関する国会審議を行うよう調整すると述べた。
ク 4日,ムスタファ州議会・地方議会大臣は,大統領委員会の調査により,ウィクラマシンハ首相の関与はなかったことが明確になったと述べた。(5日付デイリーミラー紙)
ケ 4日,ラージャパクサ前大統領は,政府が自身が政権を担った2008年から2015年にかけて国債汚職疑惑に関する法的会計検査を行うことを決定したことを歓迎すると述べた。(5日付アイランド紙)
コ 10日,国債発行を巡る汚職疑惑についての国会特別セッションにおいて,ウィクラマシンハ首相は,国債発行を巡る汚職疑惑について,2015年3月にこの問題が浮上して直ちに委員会を任命して調査させる措置をとったとし,2008年から2014年の間の国債発行について調査すべく国会公共金融委員会の委員長と協議する旨述べた。
サ 18日,ウィクラマシンハ首相はメディアを通した演説で,中央銀行の国債売却を巡る汚職疑惑に関し,損失されたとされる92億ルピーは,差し押さえたPerpetual Treasuries社の資産120億ルピーをもって回収できるので,損失は生まれない旨述べた。(19日付デイリーニュース紙)
シ 30日,ジャヤスーリヤ国会議長とウィクラマシンハ首相は同審議を2月6日に開催することで合意した。(31日付デイリーニュース紙)
 
(3)その他の委員会
2日,ラージャパクサ前大統領一族の汚職について調査していた大統領汚職捜査委員会(PRECIFAC)の最終報告書が,同委員会のスラセーナ委員長からシリセーナ大統領に提出された。(3日付デイリーミラー紙)
 
(4)大統領の任期
ア 9日,シリセーナ大統領は自身の任期がいつ終了するのかについて,最高裁に見解を求めた。(10日付デイリーミラー紙)
イ 11日,ジャヤスーリヤ法務長官は,シリセーナ大統領の任期の問題について憲法修正に特別な条項がない限り過去に遡って適用されることはないとして,任期は6年である旨述べた。一方でデシルバ大統領評議員は,19次憲法修正の49項(b)に2015年4月22日の時点で就いている役職は,本憲法修正の内容に従う形で維持される,とあることに言及し,大統領の任期は5年であるとした。
ウ 11日,シリセーナ大統領は,自身の任期が6年であるかどうかについて,様々な意見があり,混乱を避けるために最高裁に見解を求めたと説明した。SLPPのバシル・ラージャパクサ前開発相は,シリセーナ大統領は選挙戦で任期の短縮を公約していたのだから,任期を6年に延長する権利は倫理的にないとして批判した。(12日付デイリーミラー紙)
 
(5)憲法改革
ア 9日,ウィクラマシンハ首相は,地方議会選挙後に憲法制定議会運営委員会が開催されるので,それを踏まえて政府としての憲法改革への今後の対応について決定する旨述べ,「我々は国民のマンデートを必要としている」と述べた。(10日付デイリーミラー紙)
イ 23日,TNAは声明で,サンパンタンTNA代表がEU政務班長との会談で,憲法草案は地方議会選挙直後に国会に提出されるべきと発言したと述べた。(24日付アイランド紙)
 
(6)シリセーナ大統領とUNPの関係
ア 16日,シリセーナ大統領は閣議で,確かに大統領選挙で自分に投票してくれたUNP支持者には恩義を感じているが,UNP議員の自分に対する攻撃は脅迫なのだろうか,としてUNPのフェルナンド通信・デジタルインフラ大臣,セーナシンハ議員,S.M.マリッカー議員らを非難した。また同大統領は,自分の任期についての最高裁への見解伺いを問題視する向きもあるが,それは右についての2つの意見があるからであり,自分は今日にも大統領を辞任する覚悟は出来ている,自分は最高裁の判断に従うのであり,もはや誰も心配する必要はない,カルナナヤケ氏が財務大臣に,マヘンドラン氏が中銀総裁に任命された時自分は反対した,それが聞き入れられていたら今回のようなことは起きなかったであろう,自分は汚職に対する戦いを続ける,現政権を維持するのかどうか決めるが良い,と述べ閣議から退場した。その後ウィクラマシンハ首相,デシルバ交通・民間航空大臣らが大統領を宥め,大統領は閣議に戻った。(17日付デイリーミラー紙)
イ 17日,ウィクラマシンハ首相はUNPの作業部会で如何なる理由であろうとも公衆の面前でシリセーナ大統領を非難してはならないと述べた。(18日付デイリーニュース紙)
 
(7)大統領の任期
ア 14日,最高裁は5人の裁判官から成るパネルが全会一致で大統領の任期は5年との裁定を下し,最高裁は右結果を大統領府に伝達した。(15日付デイリーミラー紙)
イ 14日,セーナシンハ国際貿易担当国務大臣は,シリセーナ大統領の当選を実現したUNPに相談もなく,6年の任期を追求している,ウィクラマシンハ首相は国の発展に注力しているが,大統領の関心は別のところにあるようだ,誰が何と言っても2020年にはウィクラマシンハ首相が大統領になる旨述べた。(15日付デイリーミラー紙)
 
(8)憲法改革:ウィクラマシンハ首相及びサンパンタン野党リーダーの発言
 15日,ウィクラマシンハ首相は,タイ・ポンガルの式典で,憲法制定議会運営委員会が中間報告書を発表し,各政党はほとんどの部分で合意している,地方議会選挙後に各政党により政治的解決への動きが出てくるだろうと述べた。サンパンタン野党リーダーは,スリランカは,インドと異なり,全ての民族に平等な地位を与えることに失敗した,来年のタイ・ポンガルまでには全てのコミュニティの平等な地位が実現することを期待していると述べた。(16日付デイリーミラー紙)
 
(9)UNP議員の辞職
 23日,ジャヤスーリヤ国会議長は1月18日の国会事務総長宛書簡をもってM.H.M.サルマンUNP議員が辞職したことで1議席が空席となったと表明した。(24日付アイランド紙)
 
(10)北・東部支援
ア 豪州によるガバナンス強化支援
30日,豪州はスリランカ政府との間で,スリランカの経済成長の増加及びそれによる貧困や不平等の削減を目的としたガバナンス強化のための4年間のプログラムのための総額38.5億ルピーの無償資金協力を行う覚書に署名した。(31日付デイリーニュース紙)
イ 政府による寡婦支援
31日,ウィクラマシンハ首相は強制失踪条約の国内実施のための担保法は既に承認されており間もなく実施に移される,また支援を必要としている北部の寡婦へのエンパワメントを行う用意ができている,北部の若者は職を求めており政府としてその期待に応える計画がある旨述べた。(2月1日付デイリーミラー紙)
 
2 国民和解:トリンコマリーでのタミル人学生殺害事件の裁判
4日,ラトナヤケ治安・南部開発大臣は,警察特別タスクフォースの関与が疑われている2006年のトリンコマリーでの5人のタミル人学生の殺害事件の裁判が,スカイプによる意見陳述を証拠として認める新たな改革により進展を見せていると述べた。(5日付デイリーミラー紙)
 
3 軍事
(1)12日,スリランカ海軍及び沿岸警備庁はカーンケーサントゥライにおいて合同油防除訓練を行った。(15日付デイリーニュース紙)
 
(2)15日,バジュワ・パキスタン陸軍参謀長がスリランカに到着した。本訪問はセナナヤケ・スリランカ陸軍司令官の招待を受けたもので,3日間の滞在中シリセーナ大統領,ウィクラマシンハ首相,国防担当国務大臣等への表敬が予定されている。(16日付デイリーミラー紙)
 
(3)16日,ネパール陸軍参謀長がシリセーナ大統領を表敬し,国家建設の課題,災害への迅速な対処及び両国軍の訓練等に関して意見交換を行った。(20日付デイリーニュース紙)
 
4 外交
(1)パスファインダー財団によるインド洋行動規範の草案発表
 2日,パスファインダー財団はペリヤゴダに「海洋法センター」を開設した。モラゴダ代表は同財団の本部で,インド洋行動規範の草案を発表した。(同草案はwww.pathfinderfoundation.orgにて閲覧可能。)(3日付アイランド紙)
 
(2)英国議員団の訪問
 4日,英国保守党所属で先祖がスリランカ出身のラニル・ジャヤワルダナ議員が率いる全政党国会グループの4議員がシリセーナ大統領を表敬し,スリランカ政府が民主主義強化のためのプログラム及び経済発展のためのステップにおいて,大きな進展が見られると述べた。(5日付デイリーミラー紙)
 
(3)フランスによる2025年世界博覧会招致活動
 フランス・パリの2025年世界博覧会開催準備を担当する元WTO事務局長のパスカル・ラミー氏がスリランカを訪問し,観光,財務,政策計画,経済開発の各省員と会談して自国への投票を求めた。同氏はパリが開催地に選ばれれば,大パリ圏を35億ユーロをかけて開発する旨述べた。フランスは自国への誘致活動のため70か国から100人の「大使」を任命しており,スリランカからも2名が選ばれている。(6日付デイリーミラー紙)
 
(4)エドワード英王子夫妻の来訪
 英国高等弁務官事務所は,同国のエドワード王子夫妻が,女王の代理で2月4日の独立70周年記念式典に出席するため1月31日から2月4日の日程でスリランカを訪問する旨発表した。同王子は女王とエディンバラ公の末っ子である。(12日付デイリーニュース紙)
 
(5)ロシアによるスリランカ産紅茶の輸入禁止措置
 9日,マテリウ駐スリランカ・ロシア大使はバディゥディーン商業大臣と会談し,ロシアによるスリランカ産紅茶の輸入禁止措置はロシアによるスリランカへのアスベスト輸出とは関係がなく,ロシアが輸出するクリソティルは人畜無害である旨述べた上で,両国間の貿易は未だ低調であって,これを拡大したく,今年モスクワで開催されるロシア・スリランカの政府間会合に代表団を送るよう要請した。スリランカは2015年の世界のアスベスト輸入の6%を占めており,スリランカのロシアからの輸入は,鉄,麦,アスベストが3大主要品目となっている。(11日付デイリーエクスプレス紙)
 
(6)国防省幹部の訪印
 ワイディヤラトネ国防次官,陸軍司令官らが最近,インド・ゴアの造船所を訪問し,ミタル会長らと会談した上で,現在建造中の2隻目の海上警備艇を視察した。(13日付デイリーミラー紙)
 
(7)サマラウィーラ財務大臣の訪印
 13日,インドを訪問中のサマラウィーラ財務大臣はスワラージ外相及びジャイトリー財務大臣と個別に会談し,開発協力について協議を行った。(15日付デイリーエクスプレス紙,デイリーニュース紙)
 
(8)プラサード印法務・電子・IT大臣のスリランカ訪問
 15日,スリランカを訪問中のラヴィ・シャンカル・プラサード印法務・電子・IT大臣がシリセーナ大統領を表敬した。大統領は両国間の技術面での連携を深化させるべきと述べたのに対し,プラサード大臣はスリランカへの最大限の支援を行うことを約束した。(17付デイリーニュース紙)
 同日,プラサード大臣はウィクラマシンハ首相を表敬し,インドはスリランカのIT分野の発展を支援する用意がある旨述べた。(16日付デイリーニュース紙)
 
(9)スリランカの軍縮会議議長職就任
 23日,ジュネーブで開催された軍縮会議で今年の議長職に就任したアーリヤシンハ・スリランカ軍縮大使は,軍縮会議は,法の統治に基づいた国際秩序に関し主要な責任を有している,軍縮会議の継続的な不作為は,適切な国際的手段の採用を通した新たな安全保障上の脅威の効果的な防止において,否定的な前例となっている,スリランカはこの軍縮会議が重要な課題といくつかの可能性のある機会に議長職に就任した,課題とは核兵器に対する世界的な不安の中での非国家主体による増大する脅威を含む,国際安全保障を推進するために,多国間の軍縮・不拡散が加速されなくてはならない旨述べた。(25日付デイリーミラー紙)
 
(10)スリランカ・シンガポールFTA署名
ア 23日,スリランカを3日間の日程で訪問中のリー・シンガポール首相とシリセーナ大統領の立ち会いの下,イスワラン・シンガポール貿易・工業大臣とサマラウィクラマ開発戦略・国際貿易大臣の間でFTAの合意書の署名式が行われた。
 今次FTAはサービス,投資,衛生,衛生植物検疫措置と貿易の技術的障害,貿易救済措置と紛争解決,税関協力と貿易円滑化,経済・技術協力,政府調達,eコマースと知的財産権の分野を対象としている。これはスリランカにとって東南アジア諸国としては初のFTAであり,開発戦略・国際貿易省によればルック・イースト政策の一環である。シンガポールはスリランカにとって大きな貿易相手国ではないが,他のASEAN諸国へのゲートウェーとなると考えられている。2016年のスリランカ・シンガポール間の貿易額は11.5億ドルであり,FTAにより更に拡大することが期待されている。(24日付デイリーニュース紙)
イ 24日,スリランカを訪問したリー・シェンロン・シンガポール首相はシリセーナ大統領と会談し,二国間合意は両国の貿易・投資分野に裨益する,シンガポールからの支援により,スリランカでの職業訓練の拡大,新たな就業機会の提供,インフラ開発が進むことを期待していると述べた。(25日付デイリーミラー紙)
 
(11)ライシナ対話2018
 2月16~18日にデリーで開催されたライシナ対話2018の「ベンガル湾コミュニティーに向けて~開発,成長,安全保障」と題するパネル・ディスカッションのパネリストとしてセナナヤケ外務担当国務大臣が出席した。パンダ印国会議員がセッション冒頭でBIMSTEC諸国の成長率は6%で,世界貿易の2.6%を構成すると述べた。パネル・ディスカッションにて「セ」国務大臣は,BIMSTECは南アジア,東南アジアに力強さをもたらすことができる,同地域には安全保障上及び非安全保障上の脅威があり,これへの対応にインドが役割を果たすことができる,航行の自由及び法に基づく秩序がこの地域の長期的利益となる旨述べた。ネパール外務次官は連結性がBIMSTECの中心概念であり,投資,貿易,インフラ,人と人の連結性が優先事項であるが,BIMSTECの協力のペースは残念ながら満足のいく速さではない旨述べた。(27日付デイリーニュース紙)
 
(12)ジョコ・ウィドド・インドネシア大統領のスリランカ訪問
 25日,大統領府は声明で,24日,シリセーナ大統領とジョコ・ウィドド・インドネシア大統領が会談した際,両者は両国間のFTAの可能性につき言及した,シリセーナ大統領はインドネシア大統領に対し同国の起業家からのスリランカへの投資を促した,また両指導者はアパレル分野での協力強化,軍の間での交流プログラム等の協力につき議論し,「シ」大統領はトリンコマリーで開催される軍の研修コースにインドネシアの海軍特別部隊の参加の機会提供の可能性につき言及した,インドネシア大統領は,シリセーナ大統領からの海洋資源の経済発展のための活用についての支援要請に留意した旨述べた。
 会談後両首脳は違法薬物密輸,高等教育,研究・技術協力と捜索・救助の3つの合意文書に署名した。インドネシア大統領は,同国として医療用器具製造,鉄道産業,教育の分野への技術支援の用意がある,スリランカに鉄道関連機材製造会社を設立する可能性を追求すると述べた。また,両首脳は経済協力の強化,個人や機構のキャパビル,インド太平洋島嶼部についての協力という3つの分野について議論した。(26日付デイリーミラー紙)