当国情勢
平成29年6月1日
2017年5月1日 - 5月31日
1 内政
(1)各政党によるメーデー集会の開催
ア スリランカ自由党(SLFP)
SLFPは中央州キャンディーでメーデー集会を開催。シリセーナ大統領は,過去2年でSLFPを力強く成長する党に変えたところである,SLFPを汚職のない,進歩的且つ民主的政治勢力に変革する,国の資源や土地が外国に売られることを許さない,最大の背信行為はポート・シティーであり,我々は中国と交渉して中国の「所有」を「貸与」に変える等契約を修正したと発言。
イ 統一国民党(UNP)
UNPはコロンボでメーデー集会を開催。ウィクラマシンハ首相は,政府が行っている開発を誰にも止めさせない,今年日本はコロンボ市やコロンボ港の開発,コロンボ北港建設,キャンディー開発事業,農業・経済セクターの支援に合意した,日本はまた,トリンコマリー港への機材の無償供与,同港の開発,テレビのデジタル化,ケラワラピティヤのLNG施設建設も約束してくれた,インド政府も,ケラワラピティヤでの別のLNG施設やトリンコマリーの石油タンクのJVによる開発につき約束した,インド,日本,韓国,中国,他の多くの国の投資家がスリランカに来る,経済が発展すればその利益で借金を返済すると発言。また,ラージャパクサ一族は我々が経済を発展させることはできないだろうと考えていたが,今や選挙に勝てないと分かり我々を恐れているとも述べた。
ウ 統一野党(JO)
JOはコロンボでメーデー集会を開催。ラージャパクサ前大統領は,集会への多数の参加は新たな政権への道を切り開くものである,政府はこの群衆を見て震え上がっている,人々が苦しんでいるのは自分の政権下で得た借款によってではなく,現政権が得た借款と中銀の債権疑惑によってである,地方議会選挙を直ちに行うことを求める,国を二分することを目的とした憲法案を決して認めないと発言。
エ 人民解放戦線(JVP)
JVPはコロンボでメーデー集会を開催。ディサナヤケ党首は,3つの主要な政治集団により形成された政治的空白に対し,JVPが力を獲得する好機が到来した,スリランカは借金危機に直面しており,生産活動を行うことができていない,こうした状況下で2大政党が政権を担う権利があると言えるだろうか,過去70年の政権運営は人々のためではなく支配者とその仲間のために行われてきたと発言。
エ タミル国民連合(TNA)
TNAは東部州アンパーラ県でメーデー集会を開催。サンパンタン代表は,国の将来の社会・経済成長のために民族問題への恒久的解決が不可欠,2大主要政党による統一政権の樹立という機会を逸してはならない,恒久的解決のためタミル人が団結する必要があり,重要な決定を行う際には北部州の政治家と東部州の政治家が互いに協力すべきと発言。
(2)クマラシンハ議員の資格問題
3日,上訴審はギータ・クマラシンハ議員(注:SLFP,ゴール選出)が2015年の総選挙時にスリランカとスイスの両方の市民権を有していたとして,国会議員の資格を有しないとの判断を下した。9日,同議員はこれを不服として上訴した。
(3)北中部州議会内の動き
ア 10日,統一野党のメーデー集会に出席したナンダセーナ北中部州議会保健大臣が解任された。また,同決定に抗議するため,ランジット北中部州議会交通・スポーツ・青少年・組合・産業開発大臣が辞任した。
イ 15日,北中部州議会で統一野党側の17名の議員がジャヤラトネ北中部州議会首席大臣の退任及びランジット統一野党議員の首席大臣としての任命を求めた書簡を北中部州知事に提出したが,同日ディサナヤケ北中部州知事はこれを拒否。
ウ 17日,統一野党のメーデー集会に出席したとして,新たに2名の北中部州議会大臣(SLFP)が解任された。これにより,北中部州議会の大臣全4名が交代することになった。
(4)内閣改造
ア 22日,内閣改造が行われ,同日新大臣が就任。シリセーナ大統領は内閣改造はスリランカの開発への新たな起動力になるとツイート。
イ 31日,シリセーナ大統領は新たに国務大臣と副大臣をそれぞれ4名任命した。
(5)新スリランカ自由党(SLFP)地区責任者の任命
22日,シリセーナ大統領は大統領府で,北中部州議会大臣に就任した2名の州議会大臣を新たなSLFP地区責任者として任命。
(6)大規模洪水・地滑りによる被害
南西モンスーンの降雨により,26日から南部・西部・サバラガムワ州を中心に大規模な洪水及び地滑りが発生。約300名の死者・行方不明者が発生した。
(7)グナワルダナ准将の逮捕
25日,警察犯罪捜査局(CID)がグナワルダナ准将を逮捕した。同准将は2013年8月1日にラトナプラ県で発生した地域住民の抗議運動に発砲した軍のユニットを指揮していた。同発砲により,死者が3名,負傷者が26名発生しており,本年5月24日には同事案に関与したとしてスリランカ軍兵士3名が別途逮捕されていた。
(8)新政府スポークスパーソンの任命
30日,シリセーナ大統領はジャヤセカラ・スポーツ大臣(SLFP)を,新合同政府スポークスパーソンとして任命した。既に,セナラトネ保健・栄養・伝統医療大臣(UNP)及びカルナティラカ土地・国会改革大臣(UNP)が合同政府スポークスパーソンとして任命されている。
2 国民和解
(1)閣議が「和解に向けた国家政策」を承認
2日の閣議で,シリセーナ大統領が提出した「和解に向けた国家政策」が承認された。同政策は国民和解局が2015年9月から作成に取り組んでいたもの。
(2)スリランカ人難民のインドからの帰還
9日,16名のスリランカ人難民がインドから帰還。
(3)シリセーナ大統領と北部州議会代表の協議
18日,大統領府でシリセーナ大統領はウィグネーシュワラン北部州首席大臣を含む北部州議会代表者と同州の開発の進捗につき協議を行った。
(4)ムッリヴァーイッカール戦没者を忍ぶ式典
18日,北部州で,ムッリヴァーイッカールの戦闘で死亡した者を忍ぶ式典が開かれ,サンパンタンTNA代表及びウィグネーシュワラン北部州首席大臣他多数のタミル人が出席。
(5)「戦争英雄の日」記念式典
19日,「戦争英雄」を忍ぶ記念式典がスリ・ジャヤワルダナプラ・コッテで開催され,シリセーナ大統領,ウィジェワルダナ国防担当国務大臣及びヘッティアーラッチ国防次官他が出席。
3 外交
(1)中国農業副大臣の来訪
2~5日,中国のChen農業副大臣が来訪し,ディサナヤケ・プランテーション産業大臣,アマラウィーラ漁業・水産資源開発大臣,アルウィハーレ農業担当国務大臣と会談した他,タラワカレーの紅茶研究機関を訪問した。
(2)国際ウェサック・デー記念式典出席のための要人訪問
ア モディ印首相
11日,モディ印首相が国際ウェサック記念式典に出席するため来訪。同日夜,シリセーナ大統領は大統領公邸で特別夕食会を開催し,モディ印首相を歓迎した。12日朝,モディ印首相は国際ウェサック・デー記念式典で,貿易,投資,技術,及びアイディアの二国間の自由な動きは両国に利益をもたらす,印のスリランカへの開発協力は26億ドルに及ぶ,我々はスリランカの経済的繁栄にコミットしており,経済成長のさらなる促進に向け開発協力を深めるつもり等述べた。また,キャンディーを訪れ,マルワッタ及びアスギリヤの大僧上を表敬し,インドへ招待。その後,印資金で建設されたディクオヤ病院の開所式に出席。また,同日,ラージャパクサ前大統領の要請で,インド高等弁務官公邸にて前大統領とも協議した。
イ バンダリ・ネパール大統領
13日から4日間にかけ,バンダリ・ネパール大統領が来訪。13日,コロンボのネルン・ポクナ劇場で文化ショーを鑑賞し,14日には国際ウェサック・デー記念式典の閉会式に出席するためキャンディーを訪問。15日にコロンボでシリセーナ大統領及びクマーラトゥンガ元大統領を表敬した。
(3)ウィクラマシンハ首相の訪中
ア ウィクラマシンハ首相が「一帯一路フォーラム」出席のため,13~16日に中国を訪問。14日,スーチー・ミャンマー国家最高顧問と会談し,同顧問はミャンマーの議会強化と民主主義確立に向けたスリランカの支援を求め,ウィクラマシンハ首相はこれを承諾した。
イ 同日,ウィクラマシンハ首相はラザク・マレーシア首相と会談し,ラザク・マレーシア首相は,マレーシア技術協力プログラムを通して,より多くのスリランカのパブリック・セクター職員の訓練を支援すると述べた。両首脳は二国間の貿易関係強化やマレーシアからのスリランカへの投資促進に向けた意見交換も行い,自由貿易協定締結に向け近く準備作業を開始することで合意した。
ウ 15日,ウィクラマシンハ首相は「一帯一路」フォーラムの円卓会議で,「一帯一路」事業は世界の経済大国及び発展途上国をまとめ,国際貿易及び開発促進への新たな手段となるため,各国は同事業の成功に向け一致団結すべき,南アジアの経済はインド洋の航海の自由の下に成り立っており,インド洋の平和と安定も同事業の成功に寄与する,そのため,平和裏で非軍事的な関係の促進が重要である,スリランカはインド洋のハブとなり,立地的利益を最大限引き出したいと考えている,コロンボ金融ハブ構想は「一帯一路」事業の一部である旨述べた。
エ 16日,ウィクラマシンハ首相は習近平国家主席と会談し,習主席はスリランカに対し,今年すでに支援している4億人民元相当の開発事業に加え,2018~2020年の間,20億人民元相当の開発事業を行うと約束した。また,二国間の国交樹立60年を機にさらに二国間関係強化の重要性に言及した。これに対し,ウィクラマシンハ首相は,「一帯一路」フォーラムの開催及び習国家主席の世界経済サミットへの出席は,世界各国の協力関係を強化し,共通の勝利に向けての前進に寄与すると述べた。
オ 16日,スリランカ・中国間の経済・技術協力関係強化に向け,中国が新たに4億人民元を支援するとの内容の合意書を,スリランカ側を代表してサマラウィクラマ開発戦略・国際貿易大臣が,そして中国側を代表して傅自応・商務省副大臣が署名した。
カ 中国滞在中,ウィクラマシンハ首相は北京市内で開催されたアニメ映画「ランカ・クマール(スリランカの王子)」の制作発表会及び中国の書籍出版社協会との特別会合にも主席した。
(4)中国共産党一行の来訪
中国共産党の一行が当地に来訪し,セネウィトネ労働・労働組合関係大臣(SLFP)と協議を行った。同大臣は,歴代のスリランカ自由党(SLFP)は中国と近い関係を保っていたが,今や統一国民党(UNP)が自身の中国政府及び中国投資家への否定的な見解を変えたと述べた。
(5)劉洪才・中国共産党対外連絡部副部長の来訪
劉洪才・中国共産党対外連絡部副部長が二国間関係強化のために当地に来訪。ジャヤスーリヤ国会議長,ディサナヤケ農業大臣兼スリランカ自由党(SLFP)幹事長及びスマティパーラ国会副議長との協議を予定。同部長は,北京第二外国語大学の学者であり,駐日本中国大使館一等書記官,駐北朝鮮中国大使を務めた経験を持つ。
(6)シリセーナ大統領の豪訪問
ア 23日から3日間の予定でシリセーナ大統領が豪州を公式に訪問。24日,駐豪スリランカ高等弁務官事務所で豪に居住するスリランカ人に対し,国の安全と平和の維持に尽力する,これを乱すものは何人たらず司法を用いて対処するよう関係組織に指示したと述べた。また,シリセーナ大統領はキャンベラのソーラー電力施設を視察した。
イ 25日,シリセーナ大統領はターンブル豪首相とバイ会談に臨んだ。会談後,ビショップ豪外相とデシルバ外務副大臣が,安全保障,経済,開発,人的交流を通して二国間のさらなる関係強化に努めるとの内容の共同声明に署名。また,豪州原子科学・技術組織(ANSTO)とスリランカ慢性腎臓病予防に向けた大統領タスクフォースが,スリランカの慢性腎臓病への対策に協力するとの内容の覚書及び豪州地球科学組織とスリランカ地質学調査・鉱山局の協力関係を求めるとの内容の書簡が署名された。
(7)セナウィラトナ伝統医療・保健大臣の第70回世界保健総会出席
22~31日にかけ,スイス・ジュネーブで開催される第70回世界保健総会(World Health Assembly)に出席するため,セナウィラトナ伝統医療・保健大臣がスイスを訪問。
(8)ウィクラマシンハ首相の私的訪米
5月27日~6月10日,ウィクラマシンハ首相が医療目的で米国を2週間訪問。
(9)新SAARC事務局長の来訪
29~31日にかけ,シアル新SAARC事務局長がスリランカを就任挨拶のため訪問し,29日にはシリセーナ大統領及びカルナナヤケ外務大臣を表敬した。
(10)ラージャパクサ前大統領の私的訪日
31日からラージャパクサ前大統領が日本を私的訪問。
(11)パキスタン海軍艦船のコロンボ寄港
3日,パキスタン海軍艦船「ズルフィカー」がコロンボ港に寄港し,7日に出港した。
(12)豪州国境警備隊の艦船寄港
15日,豪国境警備隊艦船「Ocean shield」が東部州トリンコマリーに寄港した。豪国境警備隊の艦船がスリランカに寄港するのは初めて。
(13)加海軍艦船のコロンボ寄港
20日,加海軍フリゲート艦「ウィニペグ」が親善と訓練の為,コロンボ港に寄港し,25日に出港した。
(14)印海軍艦船のコロンボ寄港
21日,印海軍外洋哨戒艦「スメダ」がコロンボ港に寄港。
(15)印・スリランカ共同海洋調査
12日,印とスリランカ両海軍の海洋調査部門が共同で実施していたコロンボ・サンガマンカンダ間及びウェリガマ湾の海洋調査が終了し,海図2枚がスリランカ海軍司令官に手渡された。
(16)第2回米・スリランカ海軍スタッフ協議
16~17日にかけ,コロンボで第2回米・スリランカ海軍スタッフ協議が開催された。スリランカ側代表は海軍作戦部長のデシルバ少将,米側は第7艦隊所属のアンダーソン大佐。会議では,両海軍の関係を強化するためにはこの種の会談が重要であることが強調された。
(17)EUによる対スリランカ一般特恵制度(GSP)プラス付与
18日,スリランカへのGSPプラス復活を記した文書が印刷され,19日からGSPプラスが付与された。これにより,スリランカの輸出業者は同19日から対EU輸出で関税免税を受けることができる。
(18)中国との逃亡犯罪人引き渡し条約
30日,閣議は中国と逃亡犯罪人引き渡し条約を締結することを承認した。これは昨年のウィクラマシンハ首相の中国訪問の際に協議されていたもの。スリランカはすでに露,香港,伊,モルディブ,UAE,米,ベトナム,トルコ及びウクライナと逃亡犯罪人引き渡し条約を締結している。
(19)英マンチェスター・テロ事件を受けた弔意
22日に英マンチェスターで発生したテロ事件を受け,24日,ウィクラマシンハ首相が,スリランカはこのような暴力を強く非難するとの内容の弔辞を発表。
(1)各政党によるメーデー集会の開催
ア スリランカ自由党(SLFP)
SLFPは中央州キャンディーでメーデー集会を開催。シリセーナ大統領は,過去2年でSLFPを力強く成長する党に変えたところである,SLFPを汚職のない,進歩的且つ民主的政治勢力に変革する,国の資源や土地が外国に売られることを許さない,最大の背信行為はポート・シティーであり,我々は中国と交渉して中国の「所有」を「貸与」に変える等契約を修正したと発言。
イ 統一国民党(UNP)
UNPはコロンボでメーデー集会を開催。ウィクラマシンハ首相は,政府が行っている開発を誰にも止めさせない,今年日本はコロンボ市やコロンボ港の開発,コロンボ北港建設,キャンディー開発事業,農業・経済セクターの支援に合意した,日本はまた,トリンコマリー港への機材の無償供与,同港の開発,テレビのデジタル化,ケラワラピティヤのLNG施設建設も約束してくれた,インド政府も,ケラワラピティヤでの別のLNG施設やトリンコマリーの石油タンクのJVによる開発につき約束した,インド,日本,韓国,中国,他の多くの国の投資家がスリランカに来る,経済が発展すればその利益で借金を返済すると発言。また,ラージャパクサ一族は我々が経済を発展させることはできないだろうと考えていたが,今や選挙に勝てないと分かり我々を恐れているとも述べた。
ウ 統一野党(JO)
JOはコロンボでメーデー集会を開催。ラージャパクサ前大統領は,集会への多数の参加は新たな政権への道を切り開くものである,政府はこの群衆を見て震え上がっている,人々が苦しんでいるのは自分の政権下で得た借款によってではなく,現政権が得た借款と中銀の債権疑惑によってである,地方議会選挙を直ちに行うことを求める,国を二分することを目的とした憲法案を決して認めないと発言。
エ 人民解放戦線(JVP)
JVPはコロンボでメーデー集会を開催。ディサナヤケ党首は,3つの主要な政治集団により形成された政治的空白に対し,JVPが力を獲得する好機が到来した,スリランカは借金危機に直面しており,生産活動を行うことができていない,こうした状況下で2大政党が政権を担う権利があると言えるだろうか,過去70年の政権運営は人々のためではなく支配者とその仲間のために行われてきたと発言。
エ タミル国民連合(TNA)
TNAは東部州アンパーラ県でメーデー集会を開催。サンパンタン代表は,国の将来の社会・経済成長のために民族問題への恒久的解決が不可欠,2大主要政党による統一政権の樹立という機会を逸してはならない,恒久的解決のためタミル人が団結する必要があり,重要な決定を行う際には北部州の政治家と東部州の政治家が互いに協力すべきと発言。
(2)クマラシンハ議員の資格問題
3日,上訴審はギータ・クマラシンハ議員(注:SLFP,ゴール選出)が2015年の総選挙時にスリランカとスイスの両方の市民権を有していたとして,国会議員の資格を有しないとの判断を下した。9日,同議員はこれを不服として上訴した。
(3)北中部州議会内の動き
ア 10日,統一野党のメーデー集会に出席したナンダセーナ北中部州議会保健大臣が解任された。また,同決定に抗議するため,ランジット北中部州議会交通・スポーツ・青少年・組合・産業開発大臣が辞任した。
イ 15日,北中部州議会で統一野党側の17名の議員がジャヤラトネ北中部州議会首席大臣の退任及びランジット統一野党議員の首席大臣としての任命を求めた書簡を北中部州知事に提出したが,同日ディサナヤケ北中部州知事はこれを拒否。
ウ 17日,統一野党のメーデー集会に出席したとして,新たに2名の北中部州議会大臣(SLFP)が解任された。これにより,北中部州議会の大臣全4名が交代することになった。
(4)内閣改造
ア 22日,内閣改造が行われ,同日新大臣が就任。シリセーナ大統領は内閣改造はスリランカの開発への新たな起動力になるとツイート。
イ 31日,シリセーナ大統領は新たに国務大臣と副大臣をそれぞれ4名任命した。
(5)新スリランカ自由党(SLFP)地区責任者の任命
22日,シリセーナ大統領は大統領府で,北中部州議会大臣に就任した2名の州議会大臣を新たなSLFP地区責任者として任命。
(6)大規模洪水・地滑りによる被害
南西モンスーンの降雨により,26日から南部・西部・サバラガムワ州を中心に大規模な洪水及び地滑りが発生。約300名の死者・行方不明者が発生した。
(7)グナワルダナ准将の逮捕
25日,警察犯罪捜査局(CID)がグナワルダナ准将を逮捕した。同准将は2013年8月1日にラトナプラ県で発生した地域住民の抗議運動に発砲した軍のユニットを指揮していた。同発砲により,死者が3名,負傷者が26名発生しており,本年5月24日には同事案に関与したとしてスリランカ軍兵士3名が別途逮捕されていた。
(8)新政府スポークスパーソンの任命
30日,シリセーナ大統領はジャヤセカラ・スポーツ大臣(SLFP)を,新合同政府スポークスパーソンとして任命した。既に,セナラトネ保健・栄養・伝統医療大臣(UNP)及びカルナティラカ土地・国会改革大臣(UNP)が合同政府スポークスパーソンとして任命されている。
2 国民和解
(1)閣議が「和解に向けた国家政策」を承認
2日の閣議で,シリセーナ大統領が提出した「和解に向けた国家政策」が承認された。同政策は国民和解局が2015年9月から作成に取り組んでいたもの。
(2)スリランカ人難民のインドからの帰還
9日,16名のスリランカ人難民がインドから帰還。
(3)シリセーナ大統領と北部州議会代表の協議
18日,大統領府でシリセーナ大統領はウィグネーシュワラン北部州首席大臣を含む北部州議会代表者と同州の開発の進捗につき協議を行った。
(4)ムッリヴァーイッカール戦没者を忍ぶ式典
18日,北部州で,ムッリヴァーイッカールの戦闘で死亡した者を忍ぶ式典が開かれ,サンパンタンTNA代表及びウィグネーシュワラン北部州首席大臣他多数のタミル人が出席。
(5)「戦争英雄の日」記念式典
19日,「戦争英雄」を忍ぶ記念式典がスリ・ジャヤワルダナプラ・コッテで開催され,シリセーナ大統領,ウィジェワルダナ国防担当国務大臣及びヘッティアーラッチ国防次官他が出席。
3 外交
(1)中国農業副大臣の来訪
2~5日,中国のChen農業副大臣が来訪し,ディサナヤケ・プランテーション産業大臣,アマラウィーラ漁業・水産資源開発大臣,アルウィハーレ農業担当国務大臣と会談した他,タラワカレーの紅茶研究機関を訪問した。
(2)国際ウェサック・デー記念式典出席のための要人訪問
ア モディ印首相
11日,モディ印首相が国際ウェサック記念式典に出席するため来訪。同日夜,シリセーナ大統領は大統領公邸で特別夕食会を開催し,モディ印首相を歓迎した。12日朝,モディ印首相は国際ウェサック・デー記念式典で,貿易,投資,技術,及びアイディアの二国間の自由な動きは両国に利益をもたらす,印のスリランカへの開発協力は26億ドルに及ぶ,我々はスリランカの経済的繁栄にコミットしており,経済成長のさらなる促進に向け開発協力を深めるつもり等述べた。また,キャンディーを訪れ,マルワッタ及びアスギリヤの大僧上を表敬し,インドへ招待。その後,印資金で建設されたディクオヤ病院の開所式に出席。また,同日,ラージャパクサ前大統領の要請で,インド高等弁務官公邸にて前大統領とも協議した。
イ バンダリ・ネパール大統領
13日から4日間にかけ,バンダリ・ネパール大統領が来訪。13日,コロンボのネルン・ポクナ劇場で文化ショーを鑑賞し,14日には国際ウェサック・デー記念式典の閉会式に出席するためキャンディーを訪問。15日にコロンボでシリセーナ大統領及びクマーラトゥンガ元大統領を表敬した。
(3)ウィクラマシンハ首相の訪中
ア ウィクラマシンハ首相が「一帯一路フォーラム」出席のため,13~16日に中国を訪問。14日,スーチー・ミャンマー国家最高顧問と会談し,同顧問はミャンマーの議会強化と民主主義確立に向けたスリランカの支援を求め,ウィクラマシンハ首相はこれを承諾した。
イ 同日,ウィクラマシンハ首相はラザク・マレーシア首相と会談し,ラザク・マレーシア首相は,マレーシア技術協力プログラムを通して,より多くのスリランカのパブリック・セクター職員の訓練を支援すると述べた。両首脳は二国間の貿易関係強化やマレーシアからのスリランカへの投資促進に向けた意見交換も行い,自由貿易協定締結に向け近く準備作業を開始することで合意した。
ウ 15日,ウィクラマシンハ首相は「一帯一路」フォーラムの円卓会議で,「一帯一路」事業は世界の経済大国及び発展途上国をまとめ,国際貿易及び開発促進への新たな手段となるため,各国は同事業の成功に向け一致団結すべき,南アジアの経済はインド洋の航海の自由の下に成り立っており,インド洋の平和と安定も同事業の成功に寄与する,そのため,平和裏で非軍事的な関係の促進が重要である,スリランカはインド洋のハブとなり,立地的利益を最大限引き出したいと考えている,コロンボ金融ハブ構想は「一帯一路」事業の一部である旨述べた。
エ 16日,ウィクラマシンハ首相は習近平国家主席と会談し,習主席はスリランカに対し,今年すでに支援している4億人民元相当の開発事業に加え,2018~2020年の間,20億人民元相当の開発事業を行うと約束した。また,二国間の国交樹立60年を機にさらに二国間関係強化の重要性に言及した。これに対し,ウィクラマシンハ首相は,「一帯一路」フォーラムの開催及び習国家主席の世界経済サミットへの出席は,世界各国の協力関係を強化し,共通の勝利に向けての前進に寄与すると述べた。
オ 16日,スリランカ・中国間の経済・技術協力関係強化に向け,中国が新たに4億人民元を支援するとの内容の合意書を,スリランカ側を代表してサマラウィクラマ開発戦略・国際貿易大臣が,そして中国側を代表して傅自応・商務省副大臣が署名した。
カ 中国滞在中,ウィクラマシンハ首相は北京市内で開催されたアニメ映画「ランカ・クマール(スリランカの王子)」の制作発表会及び中国の書籍出版社協会との特別会合にも主席した。
(4)中国共産党一行の来訪
中国共産党の一行が当地に来訪し,セネウィトネ労働・労働組合関係大臣(SLFP)と協議を行った。同大臣は,歴代のスリランカ自由党(SLFP)は中国と近い関係を保っていたが,今や統一国民党(UNP)が自身の中国政府及び中国投資家への否定的な見解を変えたと述べた。
(5)劉洪才・中国共産党対外連絡部副部長の来訪
劉洪才・中国共産党対外連絡部副部長が二国間関係強化のために当地に来訪。ジャヤスーリヤ国会議長,ディサナヤケ農業大臣兼スリランカ自由党(SLFP)幹事長及びスマティパーラ国会副議長との協議を予定。同部長は,北京第二外国語大学の学者であり,駐日本中国大使館一等書記官,駐北朝鮮中国大使を務めた経験を持つ。
(6)シリセーナ大統領の豪訪問
ア 23日から3日間の予定でシリセーナ大統領が豪州を公式に訪問。24日,駐豪スリランカ高等弁務官事務所で豪に居住するスリランカ人に対し,国の安全と平和の維持に尽力する,これを乱すものは何人たらず司法を用いて対処するよう関係組織に指示したと述べた。また,シリセーナ大統領はキャンベラのソーラー電力施設を視察した。
イ 25日,シリセーナ大統領はターンブル豪首相とバイ会談に臨んだ。会談後,ビショップ豪外相とデシルバ外務副大臣が,安全保障,経済,開発,人的交流を通して二国間のさらなる関係強化に努めるとの内容の共同声明に署名。また,豪州原子科学・技術組織(ANSTO)とスリランカ慢性腎臓病予防に向けた大統領タスクフォースが,スリランカの慢性腎臓病への対策に協力するとの内容の覚書及び豪州地球科学組織とスリランカ地質学調査・鉱山局の協力関係を求めるとの内容の書簡が署名された。
(7)セナウィラトナ伝統医療・保健大臣の第70回世界保健総会出席
22~31日にかけ,スイス・ジュネーブで開催される第70回世界保健総会(World Health Assembly)に出席するため,セナウィラトナ伝統医療・保健大臣がスイスを訪問。
(8)ウィクラマシンハ首相の私的訪米
5月27日~6月10日,ウィクラマシンハ首相が医療目的で米国を2週間訪問。
(9)新SAARC事務局長の来訪
29~31日にかけ,シアル新SAARC事務局長がスリランカを就任挨拶のため訪問し,29日にはシリセーナ大統領及びカルナナヤケ外務大臣を表敬した。
(10)ラージャパクサ前大統領の私的訪日
31日からラージャパクサ前大統領が日本を私的訪問。
(11)パキスタン海軍艦船のコロンボ寄港
3日,パキスタン海軍艦船「ズルフィカー」がコロンボ港に寄港し,7日に出港した。
(12)豪州国境警備隊の艦船寄港
15日,豪国境警備隊艦船「Ocean shield」が東部州トリンコマリーに寄港した。豪国境警備隊の艦船がスリランカに寄港するのは初めて。
(13)加海軍艦船のコロンボ寄港
20日,加海軍フリゲート艦「ウィニペグ」が親善と訓練の為,コロンボ港に寄港し,25日に出港した。
(14)印海軍艦船のコロンボ寄港
21日,印海軍外洋哨戒艦「スメダ」がコロンボ港に寄港。
(15)印・スリランカ共同海洋調査
12日,印とスリランカ両海軍の海洋調査部門が共同で実施していたコロンボ・サンガマンカンダ間及びウェリガマ湾の海洋調査が終了し,海図2枚がスリランカ海軍司令官に手渡された。
(16)第2回米・スリランカ海軍スタッフ協議
16~17日にかけ,コロンボで第2回米・スリランカ海軍スタッフ協議が開催された。スリランカ側代表は海軍作戦部長のデシルバ少将,米側は第7艦隊所属のアンダーソン大佐。会議では,両海軍の関係を強化するためにはこの種の会談が重要であることが強調された。
(17)EUによる対スリランカ一般特恵制度(GSP)プラス付与
18日,スリランカへのGSPプラス復活を記した文書が印刷され,19日からGSPプラスが付与された。これにより,スリランカの輸出業者は同19日から対EU輸出で関税免税を受けることができる。
(18)中国との逃亡犯罪人引き渡し条約
30日,閣議は中国と逃亡犯罪人引き渡し条約を締結することを承認した。これは昨年のウィクラマシンハ首相の中国訪問の際に協議されていたもの。スリランカはすでに露,香港,伊,モルディブ,UAE,米,ベトナム,トルコ及びウクライナと逃亡犯罪人引き渡し条約を締結している。
(19)英マンチェスター・テロ事件を受けた弔意
22日に英マンチェスターで発生したテロ事件を受け,24日,ウィクラマシンハ首相が,スリランカはこのような暴力を強く非難するとの内容の弔辞を発表。