【平成29年10月~12月】
【平成29年10月~12月】
1 社会・治安情勢
11月中旬,スリランカ南部州ゴール県のギントタで,シンハラ人集団とムスリム集団の間で対立が発生し,一時,同地域に外出禁止令が発出されたが,政府・警察側の素早い対応もあり,数日間で事態は沈静化した。
12月中旬,トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定する旨の発言を受け,ムスリム団体が当地米大に対して抗議活動を行ったが,デモは穏便に終了し,その後も目立った抗議活動は認められない。
12月中旬,地方議会選挙は翌年2月10日と決定された。同月30日までに,ポスター掲出や贈賄の選挙違反で42人が逮捕された。
2 一般犯罪・交通事故の傾向
(1)一般犯罪
総じて治安は悪くないものの,11月,スリランカ北部のジャフナで,ギャングが関与する刀剣類を使用した事件が連続発生した。これら事件で40人以上が逮捕された。
(2)交通事故
2017年の交通事故死は,前年並みの水準で推移しており,依然,生活する上で警備上のリスクであり続けている。とりわけ二輪車及び徒歩の交通事故死の割合が大きい。
(3)邦人被害事案
ア 10月上旬,世界遺産シーギリヤを観光した際に知り合ったスリランカ人ガイドに貴重品を盗まれた。
イ 11月下旬,コロンボ市内の有名ホテルでカクテルパーティーに参加した際,上着のポケットに入れていた旅券を何者かにすられた。
ウ 12月上旬,コロンボ市内のホテルに滞在中,貴重品を部屋に置いて外出したところ,何者かに現金を盗まれた。
(4)邦人以外の被害事案
ア 10月中旬,バーレーン人がスリランカ中央部のサンダン・エラ滝で滑落死。
イ 10月下旬,インド人がコロンボ市内のバンバラピティヤで,海を眺めていたところ,汽車にひかれて死亡。
ウ 11月上旬,ドイツ人がスリランカ南部のタンガッラで海水浴中,溺死。
エ 11月下旬,ウクライナ人がスリラン南部のアンバランゴダで海水浴中,溺死。
オ 12月下旬,ドイツ人がスリランカ南部のタンガッラで海水浴中,溺死。
カ 12月下旬,オランダ人がスリランカ南部のハバラードゥワで海水浴中,溺死。
3 テロ・爆弾事件発生状況
今期における発生はなし。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
12月下旬,スリランカ人男性がスリランカ南部のハバラードゥワで,車に乗せた男に誘拐され,その兄弟が身代金4,000万ルピーを要求された。同兄弟が4,000万ルピーも支払えない旨誘拐犯に申し立てると,誘拐犯は500万ルピーで妥協。
誘拐犯は,その兄弟から500万ルピーの身代金を受け取り,被害者男性を解放した。
5 日本企業の安全に関わる諸問題
直接的に進出日本企業の安全に影響を及ぼす事案は発生していない。