【平成30年1月~3月】
【平成30年1月~3月】
1 社会・治安情勢
2月10日,スリランカ全土で行われた地方議会選挙において,ラージャパクサ前大統領が率いるスリランカ人民戦線(SLPP)が勝利した。本選挙は暴動に発展することなく比較的平和裏に終了した。
3月3日,キャンディ郊外ディガナ町における交通上のトラブルに起因する暴行が原因でシンハラ人男性が死亡すると,これをきっかけにシンハラ人群衆がムスリム商店等を襲撃し,シンハラ・ムスリム間の対立がキャンディ地区に急速に飛び火した。政府は,同月6日,事態を早期に鎮圧するため非常事態宣言を発令し,多数の軍や警察特殊部隊が同地区警戒にあたった。シンハラ・ムスリム間の対立は,数日以内に沈静化し,政府は同月17日深夜,非常事態宣言を解除した。この間,キャンディ地区に計6回の外出禁止令が発出された。
2 一般犯罪・交通事故の傾向
(1)一般犯罪
スリランカ警察が発表した昨年の犯罪発生件数報告によれば,犯罪発生件数は,35,978件と一昨年(36,937件)と比較し2.7%減少した。罪種別に見ると,殺人,放火,住居侵入・窃盗等が減少した一方,詐欺,薬物犯罪等が増加した。
(2)交通事故
スリランカ警察によれば,昨年の交通事故による死者数は,一昨年と同様に高水準で推移している。死亡事故の内訳で,一番は二輪車,続いて歩行者となっていることから,仮に四輪車を運転する場合,加害者にならないためにも急な接近や急な飛び出しに特段の注意を払い運転する必要がある。
(3)邦人被害事案
ア 年末年始期間中,空港到着後に白タクに声を掛けられ乗車したところ,財布と旅券の入ったポーチを置き引きされた。
イ 1月上旬,コロンボ市内を散策中,声を掛けてきたスリランカ人及び三輪タクシー運転手に2万円をだまし取られた。
ウ 1月下旬,スリランカ南部のサバラガムワ州ラトナプラで,車両で移動中に交通事故に遭遇。
エ 3月下旬,成田発コロンボ行きスリランカ航空機内で,頭上の荷物入れに置いておいたバッグ内の財布から,現金20万円が盗まれた。
(4)邦人以外の被害事案
ア 1月初旬,切創のあるイギリス人の死体がコロンボ市内で発見された。
イ 1月上旬,ロシア人がスリランカ南部のカンブルピティヤでサイクリング中,交通事故に遭い死亡。
ウ 1月下旬,ロシア人がスリランカ中央部のエラ・キトゥエッラ間線路上で写真撮影していたところ,貨物列車にひかれて負傷。
エ 1月下旬,デンマーク人がコロンボ・ネゴンボ間の列車内でハンドバックをひったくられた。
オ 3月中旬,中国人店員がスリランカ南部のゴールで強制わいせつ被害。
カ 3月下旬,イタリア人がスリランカ北東部のトリンコマリで海水浴中,溺死。
3 テロ・爆弾事件発生状況
今期における発生はなし。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
今期における発生はなし。
5 日本企業の安全に関わる諸問題
進出日本企業の安全に直接影響を及ぼす事案は発生していない。